東京市場のドルは158円台意識へ、今晩の米イベント次第では159円台の可能性も
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、目立った材料は観測されないなか、じりじりとしたドル上昇が続き158円台乗せを試す展開となった。
昨晩の海外時間では、1-3月期雇用コスト指数が10-12月期から予想以上に伸びが拡大し、1年ぶり最大となり根強い賃金インフレが示された。また、2月住宅価格指数も予想を上回る伸びとなったためインフレが当面鈍化せず利下げが先送りされるとの思惑が先行し長期金利が上昇しドル買いが優勢となった。月末で実需のドル買いも強まったと見られ、ドルは157円80銭台まで買われた。
東京時間では、米連邦公開市場委員会(FOMC)前に伴い株式市場は様子姿勢が強まった一方、ドルはじりじりと上昇し158円手前まで買われた。4月29日の急落後、一時上値抵抗線として意識されていた157円をあっさり上回ったことで、戻りを試す展開は強まっている様子。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:157円70銭
高値:157円93銭
安値:157円68銭
終値:157円93銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:168円25銭
高値:168円34銭
安値:168円14銭
終値:168円30銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:102円10銭
高値:102円29銭
安値:102円00銭
終値:102円28銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:197円00銭
高値:197円12銭
安値:196円89銭
終値:197円02銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:38107円38銭
高値:38433円34銭
安値:38036円24銭
終値:38274円05銭(前日比−131円61銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
21時15分、米、4月ADP雇用者数、前回:18.4万人、市場予想:18.0万人
22時45分、米、4月PMI(確報値)、前回:49.9、市場予想:49.9
23時00分、米、3月JOLTS求人件数、前回:875.6万人、市場予想:868.0万人
23時00分、米、4月ISM製造業景気指数、前回:50.3、市場予想:50.1
23時30分、米、週次原油在庫、前回:−636.8万バレル
26時00分、欧、デコス・スペイン中銀総裁が講演
27時00分、米、FOMC(上限金利)、前回:5.50%
27時30分、米、パウエルFRB議長が記者会見
労働節のため中国、香港、台湾、ユーロ圏など休場
FRBブラックアウト期間(金融政策に関する発言自粛)、5月2日まで
※予定は変更することがございます。
【今晩の海外時間の見通し】
4月29日高値160円20銭から同日安値154円52銭までの値幅は5円68銭で、2分の1戻しの水準である157円36銭を上回った格好だ。短期的なターゲットは3分の2戻しの158円30銭となる。正直、「半値戻しは全値戻し」といった相場の格言や、こんな短期な急落に対する戻しの水準を語るのはまるで意味がないと考えているので、参考程度の水準と捉えてくれればいいと思っている。
東京時間16時過ぎに、ドルは158円台に乗せていることで、今晩の米雇用関連の指標やPMI、ISM製造業景気指数などが総じて強く、FOMCにてパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が、17日講演と同じか、それ以上の「タカ派」な発言となれば、米10年債利回りは4.8%台まで上昇し、ドルは159円台も乗せると考える。
となれば、政府・日銀が円買い介入を160円水準で行うかどうかが焦点となろう。市場関係者の推測で29日に介入はあったとの観測のため、「160円が政府・日銀の防衛ライン」との見方だ。29日の介入では5兆円が投じられたとの推計だが、米国が為替操作国とみなす「GDPの2%」ラインを考慮すると、介入で使える資金は残り7兆円弱となる。29日の東京休場で5兆円使用したことを考慮すると、売買が多いロンドン、ニューヨークが主戦場の時間帯だと残り1回分の介入資金しか残っていないとの計算もできよう。政府・日銀は追い詰められた状況と考える。
こうした背景も投機筋に見透かされているのであれば、大きなファンダメンタルズが変わらない状況下、円安ドル高は続くだろう。まずは今晩の米国経済指標とFOMC後のパウエルFRB議長の会見を見極めたいところだ。今晩の上値メドは159円30銭、下値メドは157円30銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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