トルコリラ円レポート月曜版
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですがランド円は「33.40レベルをサポートに、34.00レベルをレジスタンスとする」流れを予想しました。実際のレンジは安値が33.47レベル、高値が34.22レベルと、予想レンジよりも若干高値が抜けた展開となりました。
これは、高値をつけた時間帯がちょうどドル円が高値104円台をつけた木曜NY市場と重なっていて、全般的なクロス円の強さとともにトルコリラ円もまた買いが強まった円要因と考えることができます。その後、週末には米国雇用統計におけるドル円の下げとともに週の安値圏に近い33.52レベルまで急速に値を下げましたが、一週間を通してみると比較的落ち着いた展開だったと思います。
今週は、経済指標としては月曜の8月鉱工業生産(予想0.7%に対して2.2%、前月の−4.9%からも改善)と水曜の8月経常収支(こちらも前月−26億ドルから−15億ドルへと改善の予想)がありますが、方向性が出るほどの材料ではありません。引き続き雇用統計アノマリーもあり木曜に短期的な高値をつけたドル円の押しが強まるのか、あるいは再び円安へと戻すのかドル円の材料のほうが影響が強いと言えそうです。
最近では常態化しているためあまり話題にもなりませんが、警察官等公務員の大規模な粛清が続いていたり、非常事態宣言の10月19日期限を更に3か月延長したりと、トルコ国内でのエルドアン大統領の強権政治自体には何ら変化はありません。また周辺国との緊張は続いていますし、昨日(9日)もクルド人による犯行と発表されていますが、軍の検問所で爆弾テロがありあらゆる面でトルコに対する不安は拭い去ることが出来ない状況です。
ドル円の値動きによるところが大きいとはいえ、円安に動いてもトルコリラ円では上値が限定的であり、円高に動く場合にはその材料にもよりますがトルコリラ円の下げは増幅しやすい地合いとなりやすいと考えられます。先週のショートコメントで見た対ドルでのドル高トレンド自体には変化はありませんので、今週はトルコリラ円のチャートを使ってテクニカルな観点から短期的な見通しを考えてみましょう。
トルコ円四時間足
トルコリラ円の9月第1週から本日までの4時間足ですが、現在の動きはこの9月第1週の高値を起点とした中期的なトルコリラ安の流れの中にあります。ドル円同様に先週の34.22で短期的な高値を既につけたと考えてよく、現状では先週安値の33.47から先々週安値の33.42を最初のサポートに、8月安値の33.37、年初来安値の32.73と近い水準にサポートが固まっていることから、トルコリラ円の安値を試しやすい流れにあると考えられます。
年初来安値にはまだ距離はあるものの、8月安値の33.37水準は今週試してもおかしくないと見ています。トルコ情勢、テクニカルな観点、どちらからも引き続きトルコリラ円の下げ圧力は強まりやすい週として、33.20レベルをサポートに34.00レベルをレジスタンスと先週よりもやや下方向に余裕あるレンジ予想を立てておきます。
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