米金融政策にらみ基本は一進一退(12/5夕)

週明け5日の東京市場はドルが底堅い。一時売りが先行する局面も見られたが134円は割り込まず、むしろ終盤に掛けてはドル買いが優勢だった。

米金融政策にらみ基本は一進一退(12/5夕)

米金融政策にらみ基本は一進一退

〇本日のドル円、一時売りが先行する局面も見られたが134円は割り込まず、終盤に掛けてドル買いが優勢
〇商いが薄いためレンジは狭いが上下動は激しく、見た目以上に荒っぽい動き
〇来週13-14日の米FOMCが市場の注目材料、年内最後の大きな市場変動要因か
〇移動平均200日線を下回れば先週安値の133.63、8月安値130.40も視界内に
〇本日は米経済指標として11月総合PMI確報や10月製造業受注指数が発表される予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは134.10-135.60

<< 東京市場の動き >>

週明け5日の東京市場はドルが底堅い。一時売りが先行する局面も見られたが134円は割り込まず、むしろ終盤に掛けてはドル買いが優勢だった。

先週末は、G7とEUなどが、ロシア産原油の上限価格を「1バレル=60ドルとすることで合意」。また、コロナ感染が高止まりをたどるなか、中国が北京や深センなどでコロナ規制の緩和に動いたことも話題となっていた。
そうした状況下、ドル/円は134円半ばで寄り付いたのち、基本的にはレンジ取引。134円台から一歩もはみ出すことはなく、60ポイント程度のボックス内で一進一退をたどっている。ただ商いが薄いためか、レンジは狭いが上下動はそれなりに激しく、見た目以上に荒っぽい動き。16時現在では寄り付きに近い134.60-65円で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「ロシア情勢」と「中国情勢」について。
前者は、前述した「ロシア産石油価格上限」合意が成され、5日から実施される見通しとなるなか、ロシアサイドから強烈な不満が聞かれていた。ペスコフ報道官は「ロシアは受け入れない」と述べたうえで、「どういった対応をするかについては早急に検討して発表する」と指摘。ノバク副首相も「市場の原理や自由貿易の規範に反する介入」と批判したほか、減産も辞さない姿勢を表明していたようだ。続報などにも一応要注意。なお、それとは別にロシアが「条件付き」でウクライナ原発からの撤退検討する意志あり、とする報道も観測されたが西側諸国は冷静な対応。プロパガンダに過ぎないとの見方が取り敢えずは有力だ。

対して後者は、先でも指摘したように、中国が北京や深センなどでコロナ規制の緩和に動いたことが話題に。陰性証明書や外出の際のPCR検査を原則不要にするなどの対策を次々に打ち出している。感染者数が高止まりしているにもかかわらず「ゼロコロナ」政策を緩和した背景には、習国家主席が「3年に及ぶコロナ流行に人々が不満を募らせていた」ことを理由に挙げていた中国全土に広がるデモを抑える一面があったことは間違いないようだ。一方、それとは別に中国の江元国家主席の追悼大会が明6日に行われるのに合わせ、同国金融市場では6日午前の取引が一時停止されるという。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は、先週もドル安の進行が続き、1週間で6円を超える下落をたどっている。テクニカルにも、遥か下方に位置すると見られた移動平均の200日線を一時下抜けるなど、ドル続落が警戒されている。もっとも本稿執筆時、日足はその200日線に絡む動きで、「しっかり」割り込んだとはまだ言えそうにない。ザラ場ベースはもちろん、NYクローズでしっかり割り込めるか否か、攻防が注目されている。
来週13-14日の米FOMCが市場の注目材料。年内最後の大きな市場変動要因であるのかもしれない。以前ほどの強気見通しはさすがに後退しているものの、先週末に発表された米雇用統計が好数字になるなど、まだまだ予断を許さない状況にある。今週発表される米経済指標の内容如何では強気派が再び優勢になる可能性もある。商いが薄く、値動きが軽くなっているだけに、思わぬ変動への備えをしっかりとしておきたいところだ。

テクニカルに見た場合、ドル/円は134円に半ばに位置する移動平均の200日線を先週末のNYクローズでわずかに下回ったが、本日東京では回復するなど、まだ「しっかり」割り込んだとは言えそうにない。ただ、下回れば先週安値の133.63円、そして8月安値130.40円も薄っすらとだが視界内に。
それに対するドルの抵抗は少し遠いが137円半ば。このレベルはかなり強いレジスタンスとみられ、しっかりと回復すればさらなる戻りも期待されそうだ。

本日は米経済指標として、11月の総合PMI確報や10月の製造業受注指数が発表される見通しだ。先でも取り上げたように、ここ最近発表される米経済指標は市場の波乱要因となることが多いだけに、指標内容とともに為替・金融市場への影響も注視されている。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは134.10-135.60円。ドル高・円安方向は東京時間に超えられなかった135円レベルが最初の抵抗。上抜ければ135円後半から136円が意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、足もと絡む動きとなっている200日線をめぐる攻防に注目。ザラ場はもちろんNYクローズで下回ることが出来るのだろうか。下回ると東京安値134.10-15円を目指す。

米金融政策にらみ基本は一進一退

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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