ドルの下値リスクが再燃、続落にも要注意
〇本日のドル円、139円を割り込み138.60-65まで1円程度のドル安が進行
〇15日安値の137.67をターゲットに、ドルはさらなる下値模索の展開をたどる可能性も
〇本日は米サンクスギビングデーでNY休場、米経済指標の発表などもなくやや動きにくそう
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは138.00-139.20
〇ドル高方向は本日高値139.65がターゲット、ドル安方向は本日安値138.60-65が最初のサポート
<< 東京市場の動き >>
24日の東京市場はドルが弱含み。17日以来、1週間ぶりの138円台を示現する局面も観測されていた。
ドル/円は寄り付いた139.60円レベルを日中高値にドルが冴えない。NY休場もあってか積極的な動意に欠けるなか、139円を割り込み138.60-65円まで1円程度のドル安が進行している。ただ下値を確認後は下げ渋ると、底練りの様相。16時現在では138.80-85円で推移し、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは「日本の政権不安」と「ロシア情勢」について。
前者は、週刊文春が報じた岸田首相自身の「政治とカネ問題」。具体的には昨年の衆院選における「白紙の領収書問題」について、岸田氏は「領収書の一部に不十分な点があった」とし謝罪をしたものの、取り敢えずそれだけ。また、秋葉復興相にも新たに資金疑惑が浮上するなど、まさに踏んだり蹴ったりの状況だ。一方、それとは別に朝日新聞などが報じ話題となっていた「年明けにも内閣改造と党役員人事の実施検討」も岸田首相は明確に否定。ただ、「内閣改造ではなく起死回生の一手、早いタイミングでの解散・総選挙に打ってでる」といった思惑が別途浮上している。
対して後者は、先週末の砲撃を受けたあとはIAEAから「差し迫った懸念はない」との見解が聞かれていたザポロジエ原発だが、昨日一転し「外部電源が再び失われ、非常用ディーゼル発電機が作動した」とするコメントを発表している。続報などには十分に注意を払いたい。またロシアの攻撃により、それ以外でもウクライナ全土で緊急停電、かつキーウの一部などでは断水に陥っている地域もあるとされ、生活インフラに大きなダメージを負っているもよう。こちらの状況も気掛かりだ。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円の短期チャート、たとえば時間足などを見てみると142円から142円半ばが短期的にはかなり強い抵抗となったようで、ドルの上値追いは目先潰えたと言えそうだ。逆に下方向のリスクが再燃しており、前述したように本日東京では1週間ぶりの138円台も。まずは15日安値の137.67円をターゲットに、ドルはさらなる下値模索の展開をたどる可能性も。
市場筋による日米金利情勢への関心は依然として高いが、本日は米サンクスギビングデーでNYが休場となることもあり、米経済指標の発表などもなくやや動きにくそうな雰囲気だ。基本的にはレンジ取引が見込まれるものの、昨日NY時間にドルが一時急落した動きについて、「薄商いのなか故の動き」といった声もあり、本日も同様の動きに対する警戒感は根強い。前記した137.67円を仮に下回るようだと、さらなるドル安進行に弾みが付く危険性も取り沙汰されていた。
テクニカルに見た場合、昨日のドル/円のNYクローズは139円台半ば。それまでドルの下値を支えてきた移動平均の90日線に加え、一目均衡表の先行帯の雲の下限を奇麗に下回ってきたことになる。また、本日東京時間にドルはさらに1円程度続落しており、乖離はさらに広がった格好。それだけでもドルの下値余地が広がったと言って間違いないだろう。ただ、たとえば本日140.80円レベルに位置する一目の雲の下限などを再び回復してくるようだと、その限りではない。
本日は米サンクスギビングデーでNYの金融市場は休場。そのため、経済指標の発表など米国ファクターはとくに予定されていない。ただ、ECBによる10月27日開催分の議事要旨公表や独連銀総裁の講演など、欧州関係で注目されている要因は少なくないようだ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは138.00-139.20円。ドル高・円安方向は少しずつ抵抗として育ちつつある139円をめぐる攻防にまずは注目。上抜ければ本日東京高値の139.65円レベルそして140円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の138.60-65円が最初のサポート。下回ると15日安値の137.67円も薄っすらとだが視界内に。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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