ドル円、大幅続落で一時138円台前半へと急落。感謝祭にも係わらずボラタイルな値動き
〇ドル円、ハト派のFOMC議事要旨の影響続き、米国時間に一時138.07まで急落
〇ユーロドル、アジア時間の1.0449から欧州金利低下等に1.0382まで反落するもその後1.04台回復
〇独11月IFO指数の良好な結果、ECB理事会議事要旨のタカ派的見解がサポート
〇ドル円、21日線と90日線のデッドクロスが射程圏内に、テクニカルの地合い極めて弱い
〇ファンダメンタルズも、米長期金利の低下から主要通貨に対するドル売り再開が重石に
〇本日は米国が感謝祭翌日の金曜日(ブラックフライデー)で株式市場・債券市場が短縮取引
〇本日の予想レンジ:137.75ー139.25
海外時間のレビュー
24日(木)のドル円相場は大幅続落。アジア時間朝方にかけて、高値139.65まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)日本時間早朝に発表されたハト派的な米FOMC議事要旨が改めて材料視されたことや、(2)米金利低下に伴うドル売り圧力、(3)株式市場の堅調推移(リスク選好のドル売り圧力)、(4)本邦公表相場決定にかけての実需のドル売り、(5)短期筋のロスカット(ロング勢のストップSELL)が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値138.07まで急落しました。もっとも、その後は米感謝祭(Thanksgiving-Day)で市場参加者が激減する中、動意に乏しく、本稿執筆時点(日本時間11/25午前4時50分現在)では、138.48前後で推移しております。
24日(木)のユーロドル相場は上昇後に伸び悩む展開。(1)日本時間早朝に発表された米FOMC議事要旨がハト派的な結果となったことや、(2)米金利低下に伴うドル売り圧力(欧米名目金利差縮小に伴うユーロ買い・ドル売り)、(3)株高に伴うリスク選好のドル売り圧力、(4)短期筋のロスカット(200日移動平均線突破に伴う仕掛け的なユーロ買い圧力)が支援材料となり、アジア時間午後にかけて、高値1.0449(11/15以来の高値圏)まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(5)欧州債利回り低下に伴うユーロ売り圧力や、(6)米感謝祭前のポジション調整が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.0382まで反落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、(7)欧州時間朝方に発表されたドイツ11月IFO景況感指数(結果86.3、予想85.1)の良好な結果が改めて材料視されたことや、(7)ECB理事会議事要旨にて「極めて多くのメンバーが75bpの利上げを支持」とのタカ派的な見解が示されたこと等が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間11/25午前4時50分現在)では、1.0405前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は11/21に記録した直近高値142.26をトップに反落に転じると、昨日は一時138.07まで急落しました(11/15に記録した約2ヵ月半ぶり安値137.68に迫る動き)。ローソク足が主要サポートポイントを軒並み下抜けしたことや、強い売りシグナルを示唆する三役逆転(遅行線の26日前のローソク足下抜け+一目均衡表転換線と基準線のデッドクロス+ローソク足の一目均衡表雲下限下抜けが全て揃う状態)が成立したこと、21日移動平均線と90日移動平均線のデッドクロスが射程圏内に入りつつあること等を踏まえれば、テクニカル的に見て、地合いは「極めて弱い」と判断できます(目先は11/15安値137.68を試す展開を想定)。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、米利上げペースの鈍化観測(CPIおよびPPIの鈍化+米経済指標の不冴な結果+米FOMC議事要旨のハト派な結果)や、上記に伴う日米名目金利差縮小観測(利上げペース鈍化が織り込まれる米国と、ポスト黒田体制での金融緩和脱却が見込まれる日本との将来的な金融政策格差→円キャリートレード逆流リスクを想起)、対主要通貨でのドル売り再開(米10年債利回りが11/16以来の低水準となる3.68%へ急低下→米ドル指数も11/15以来の安値圏へ急落)など、ドル円相場の続落を連想させる材料が増えつつあります。以上を踏まえ、当方では引き続き、短期的にも中長期的にも、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米国が感謝祭翌日の金曜日(ブラックフライデー)で株式市場・債券市場が短縮取引となるため、米国時間帯は昨日同様、動意が失われる動きとなりそうです(但し、アジア時間帯や欧州時間帯はドル売り・円買い圧力が一時的に強まる恐れあり)。
本日の予想レンジ:137.75ー139.25
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.22
東京市場のドルは154円台後半で推移、日銀による追加利上げ観測が円安のブレーキ役に(24/11/22)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株のしっかりとした推移を材料にじり高の展開となり154円台後半で推移した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.22
ドル円 値動きそのものは激しいが、結果レンジ内か(11/22夕)
東京市場はドルが小高い。やや激しめの乱高下をたどるなか、最終的にドルは高値引け。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2022.11.25
ドル円見通し 138円割れをひとまず回避で下げ渋るも11月15日夜安値へ余裕乏しい(22/11/25)
ドル円は11月24日夜に138.04円へ下落、11月22日未明の戻り高値142.25円以降の安値を更新、11月15日夜安値137.67円への余裕が乏しくなっている。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2022.11.24
ドルの下値リスクが再燃、続落にも要注意(22/11/24)
24日の東京市場はドルが弱含み。17日以来、1週間ぶりの138円台を示現する局面も観測されていた。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。