トルコリラ円見通し ドル円の暴落で10月27日安値を割り込み、当日高安で0.31円の急落(22/11/11)

トルコリラ円の11月10日は7.89円から7.58円の取引レンジ、11日早朝終値は7.62円で前日終値の7.87円から0.25円の円高リラ安だった。

トルコリラ円見通し ドル円の暴落で10月27日安値を割り込み、当日高安で0.31円の急落(22/11/11)

トルコリラ円見通し ドル円の暴落で10月27日安値を割り込み、当日高安で0.31円の急落

〇トルコリラ円、ドル円の暴落に合わせて米CPI発表直前の7.87近辺から、11/11早朝7.58へ暴落的な下落
〇その後11/11午前序盤ドル円が一旦142円まで戻した局面で7.67まで戻すも、その後上値が重い
〇対ドル、米CPI後ドル全面安となる中、トルコリラも対ドルで買われて11/11未明には18.46へ上昇
〇しかしその後18.55まで反落するなど、18.40台ではリラ売りの抵抗感も見られる
〇トルコリラ円はドル円と共に三角持ち合いから下放れ、8/2以降の上昇一巡による下落期入りの様相
〇7.65以下での推移中は下向きとし、7.58割れからは7.50台序盤を試す下落を想定する
〇7.70から7.75のゾーンは戻り売りにつかまりやすく、その後7.65を割り込むところから下げ再開とみる

【概況】

トルコリラ円の11月10日は7.89円から7.58円の取引レンジ、11日早朝終値は7.62円で前日終値の7.87円から0.25円の円高リラ安だった。
11月10日夜の米10月CPIが市場予想を下回ったことでインフレ高進のピーク感と共に米FRBによる超ハイペースで進んできた利上げペースが鈍化すると市場は受け止めて米長期債利回りが急落、為替市場はドル全面安となり、ドル円は146円台序盤だったところから11日早朝安値140.19円へと暴落的な下げとなった。
ドル/トルコリラは全般的なドル安によりリラ高反応を見せたものの、クロス円全般はドル円の暴落的な下げに圧されて総じて下落しており、トルコリラ円もドル円の暴落に合わせて米CPI発表直前の7.87円近辺から11日早朝に7.58円へ暴落的な下げに見舞われた。
11日午前序盤にドル円がいったん142円まで戻した局面でトルコリラ円は7.67円まで戻したもののその後は上値が重くなっており、暴落商状が一服しているもののこれで下げ止まれたのかどうか見定めが必要なところだ。

【対ドルではリラ高反応】

ドル/トルコリラの11月10日は18.63リラから18.46リラの取引レンジ、11日早朝の終値は18.48リラで前日終値の18.59リラからは0.11リラのドル安リラ高だった。
11月10日夕刻発表のトルコ9月失業率は10.1%で8月の9.8%から悪化したが市場の反応は限定的で10日未明に18.53リラまで上昇したところからのドル高リラ安基調での推移を続けていたが、10日夜の米10月CPI上昇率が市場予想を下回ったことでドル全面安となる中、トルコリラも対ドルで買われて11日未明には18.46リラへ上昇した。しかしその後は戻り売りも出て18.55リラまで反落するなど、18.40リラ台ではリラ売りの抵抗感も見られた。

10月以降は18.50リラ近辺で売られて18.60リラ台の安値を試すレンジ相場で推移しつつ徐々に史上最安値を更新する展開で、11月4日には18.67リラへ取引時間中の史上最安値を更新したが、11月8日早朝には18.41リラまで一時的に反騰するなどレンジ放れを試す動きが見られており、11月10日夜から再びドル安リラ高へ進んだため、ドル高リラ安基調にもブレーキがかかりつつある印象だ。

【ドル円と共に三角持ち合いから下放れ】

7月後半からはドル高リラ安を見ながらもドル円の騰落に合わせた展開を続けてきた。
ドル円は10月21日高値で151.94円をつけて32年ぶり高値としたところで市場介入と米経済指標が低調だったことでの米長期債利回り低下により急落したが、10月27日安値で145.10円まで下げた後は新たな安値更新を回避しつつ11月9日安値も145.16円にとどまり、145円台序盤を下値支持線として戻り高値を切り下げるレンジ縮小型の三角持ち合いの様相で推移してきた。
トルコリラ円も10月21日高値で8.17円をつけて8月2日安値7.27円以降の高値を更新したところから反落したが、10月27日安値7.80円、11月3日未明安値7.83円、11月9日夕安値7.81円等の7.80円台序盤を下値支持線として戻り高値切り下がり型の三角持ち合いを形成してきた。

11月10日夜の米CPI発表からの急落によりドル円と共にトルコリラ円は三角持ち合いからの転落となっており、8月2日以降の上昇一巡による下落期入りの様相が濃くなってきていると思われる。
8月2日からの上昇幅に対する半値押しラインが7.72円、3分の2押しラインが7.57円であり、現状は概ね3分の2押しラインまで下げたところだが、今年3月以降では最大規模の日足大陰線での下落のため、11月10日の日足大陰線の少なくとも過半を解消する反発が見られないうちはさらに安値更新へと進みやすくなるところであり、3分の2押しラインを割り込めば8月2日安値7.27円を試すところまでの「往って来い」となる可能性や、円高がさらに継続する場合には8月2日安値を割り込んでゆく可能性も懸念される。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは11月9日に7.81円へ大幅下落してから7.90円まで戻したため、11月10日午前時点では11月3日未明安値から4日半となる11月9日夕安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとした。またサイクルトップ形成期は9日午前から11日午前にかけての間と想定されるのですでに反落注意期にあるとし、11月9日夕安値割れからは弱気サイクル入りとして14日夕から16日夕にかけての間への下落を想定するとした。
11月10日夜の暴落からやや戻しており、暴落後の反動高も警戒されるところだが、7.75円を超えるような反騰へ進めないうちはもう一段安余地ありとし、7.65円以下での推移中は下向きとし、11日早朝安値試しから7.50円台前半への下落余地ありとみる。

60分足の一目均衡表では11月10日夜の暴落で遅行スパンが悪化、先行スパンから転落した。その後も両スパンそろっての悪化が続いているので遅行スパン悪化中は安値試し優先とする。遅行スパン好転からは戻りを試すとみるが、先行スパンからの転落が続くうちは遅行スパンが一時的に好転してもその後に悪化するところからは下げ再開とみる。

60分足の相対力指数は11月10日夜の暴落で10ポイント台へ低下してから30ポイント台へ戻しているが、45ポイントを下回るうちは一段安余地ありとみる。相場が一段安する際に指数のボトムが切り上がる強気逆行が見られる場合は反騰注意とし、45ポイント超えからは50ポイント台前半への上昇を想定するが、50ポイント前後では戻り売りも出やすいとみる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、7.58円を下値支持線、7.70円を上値抵抗線とする。
(2)7.65円以下での推移中は下向きとし、7.58円割れからは7.50円台序盤(7.53円から7.50円)を試す下落を想定する。7.51円以下は反騰注意とするが、安値から0.1円規模の反騰が見られないうちは週明けも安値試しへ向かいやすいとみる。
(3)7.70円から7.75円にかけてのゾーンは戻り売りにつかまりやすいところとし、その後に7.65円を割り込むところからは下げ再開とみる。

【当面の主な予定】

11月11日
 16:00 9月 鉱工業生産 前月比 (8月 2.4%)
 16:00 9月 鉱工業生産 前年同月比 (8月 1.0%)
 16:00 9月 小売売上高 前月比 (8月 3.7%)
 16:00 9月 小売売上高 前年同月比 (8月 9.0%)
 16:00 9月 経常収支 (8月 -31.1億ドル)

次回以降のトルコ中銀MPCは11月24日、12月22日の予定


注:ポイント要約は編集部

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