トルコリラ円見通し ドル円の下落と同調して11月3日未明安値を割り込む(22/11/9)

トルコリラ円の11月8日は7.95円から7.81円の取引レンジ、9日早朝の終値は7.85円で前日終値の7.95円からは0.10円の円高リラ安となった。

トルコリラ円見通し ドル円の下落と同調して11月3日未明安値を割り込む(22/11/9)

トルコリラ円見通し ドル円の下落と同調して11月3日未明安値を割り込む

〇トルコリラ円、ドル円一段安に同調して7.81へ下落、11/3未明安値を割り込む
〇対ドル、本日午前序盤18.49まで上昇、乱調な展開たどり18.60台膠着相場から抜けつつある
〇トルコ中銀、第3四半期は31トンの金保有増加、リラ安に歯止めかけ対ドル下落に一服感
〇7.88を下回るうちは一段安余地あり、7.81割れからは7.78前後への下落を想定する
〇7.88超えからは反騰継続とみて、7.92前後への上昇を想定する

【概況】

トルコリラ円の11月8日は7.95円から7.81円の取引レンジ、9日早朝の終値は7.85円で前日終値の7.95円からは0.10円の円高リラ安となった。
前日はドル/トルコリラでのドル安リラ高がドル円の下落に勝ったことで前日比0.06円の円安リラ高となり、11月7日夜安値で7.85円まで下げたところから8日早朝には7.96円まで反騰していた。
11月8日はドル安継続でドル円が夕刻からの下落再開で146円を割り込んで145円台序盤へ一段安となる一方、ドル/トルコリラは前日のリラ高を解消する反落後に再びドル安リラ高となる乱調な展開となったため、トルコリラ円はドル円の下落に圧されて8日深夜に7.81円へ下落、9日早朝にかけてはドル安リラ高で7.86円まで戻す展開となった。しかし11月3日未明のFOMC直後の円高局面でつけた安値7.83円を割り込んでおり、9日午前序盤は早朝の戻り一巡で7.83円まで反落するなど戻り売り優勢の流れが続いている。

【対ドルで一時18.41リラへ反騰するなど乱調な展開】

ドル/トルコリラの11月8日は18.61リラから18.41リラの取引レンジ、9日早朝の終値は18.53リラで前日終値の18.44リラから0.09はリラのドル高リラ安だった。
11月4日午後に18.67リラへ下落して10月11日安値18.66リラを超えて取引時間中の史上最安値を更新したところでリラ売りがひとまず一巡となり、リラ買い戻し優勢の流れで18.49リラへ反騰し、7日夜からのドル全面安を背景に8日早朝には18.44リラへ戻り高値を切り上げていた。
8日は午前序盤に18.41リラまで高値を伸ばしたものの、リラ売り再開から夕刻には18.61リラへ急落、その後にまたドル全面安に乗じて18.53リラまで切り返す乱調な展開となった。9日午前序盤には18.49リラへ上昇するなどまだ波乱含みとなっている。
10月に入ってからは史上最安値を徐々に切り下げつつも18.50リラ前後から18.60リラ台までのレンジ相場でやや膠着した状況が続いてきたのだが、このレンジ相場から抜けつつあり、6月後半からのドル高リラ安に一服感が見られる。

【11月3日夜からのドル安によりドル/トルコリラの下落に一服感】

世界金情報調査機関であるWGC(ワールドゴールドカウンシル)が今年第3四半期の各国中銀による金保有が393.3トンの増加となり2022年通年では673トン増加したと発表したが、この中でトルコ中銀の金保有は第3四半期に31トンの増加となり2022年の通年では95トン増加したとされた。
昨年来のドル高は主要国通貨安、新興国通貨安を招いてきたが、ウクライナ戦争勃発とロシアへの経済制裁によりロシアは世界ドル決済システムのSWIFTから締め出されたことでドル以外の通貨による決済を増やし、親米ではない中国等もドル以外への決済を拡大している。自国通貨の価値を高めるために裏付けとなる金保有を拡大する傾向にある。

トルコも歴史的な高インフレの進行の中で利下げを強行してきたことでトルコリラが対ドルで史上最安値を更新する事態に陥ったが、一方では通貨スワップ協定を拡大したり金保有を増加させることでリラ安への歯止めをかける努力をしているといえる。
11月8日は米中間選挙での共和党優勢による米下院のねじれ現象を見込んでドル全面安となったが、ゴールド現物は11月3日未明のFOMCを通過した後のドル高局面でつけた3日夜安値1616.40ドルから11月9日未明には1716.87ドルへ急伸しており、ゴールド高が金保有増加国通貨への支援にもなっている印象だ。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは11月3日未明のFOMC声明発表直後に急落したところからの急反騰が11月4日午前高値で一巡して弱気サイクル入りしたとして8日未明から10日未明にかけての間への下落を想定してきたが、11月7日夜に一段安したところから凡そ0.10円規模の反騰となったため、11月8日午前時点では11月7日夜安値で直近のサイクルボトムをつけたとし、9日午前から11日午前にかけての間への上昇を想定した。また戻りは短命の可能性もあるとして7.91円割れからは弱気サイクル入りとした。
11月8日午後からの急落で7.91円を割り込み7.81円へ続落したため、11月8日早朝高値を直近のサイクルトップとした新たな弱気サイクル入りとして10日夜から14日夜にかけての間への下落を想定する。
11月9日の上値抵抗は7.88円までとするが、7.88円を超える反騰の場合は11月3日未明安値から4日目となる11月8日深夜安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りと改めて9日の日中から11日午前にかけての間への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では11月8日午後からの急落で遅行スパンが悪化して先行スパンからも転落した。その後も両スパンそろっての悪化が続いているので遅行スパン悪化中は安値試し優先とする。遅行スパン好転からはいったん戻しに入るとみて先行スパンの突破を試す上昇を想定するが、先行スパンを上抜き返せないうちはその後に遅行スパンが悪化するところから下げ再開とする。

60分足の相対力指数は11月8日深夜に30ポイント割れへ低下してから戻しているが50ポイントに届かずにいる。50ポイント以下での推移中はもう一段安余地ありとするが、相場が安値を更新する際に指数のボトムが切り上がる強気逆行が見られる場合は反騰注意とし、50ポイント超えからは上昇再開とみて60ポイント前後を目指す流れとみる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、7.81円を下値支持線、7.88円を上値抵抗線とする。
(2)7.88円を下回るうちは一段安余地ありとし、7.81円割れからは7.78円前後への下落を想定する。7.78円以下は反騰注意とするが、7.85円を下回っての推移か直前安値から0.05円を超える反騰が見られないうちは10日の日中も安値試しへ向かいやすいとみる。
(3)7.88円超えからは反騰継続とみて7.92円前後への上昇を想定する。7.92円以上は反落注意とするが、7.88円を超えた後も7.85円以上での推移なら10日の日中も高値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

11月10日
 16:00 9月 失業率 (8月 9.6%)
 20:30 週次 外貨準備高 11/4時点 グロス (前週 748.0億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 11/4時点 ネット (前週 134.5億ドル)
11月11日
 16:00 9月 鉱工業生産 前月比 (8月 2.4%)
 16:00 9月 鉱工業生産 前年同月比 (8月 1.0%)
 16:00 9月 小売売上高 前月比 (8月 3.7%)
 16:00 9月 小売売上高 前年同月比 (8月 9.0%)
 16:00 9月 経常収支 (8月 -31.1億ドル)

次回以降のトルコ中銀MPCは11月24日、12月22日の予定

注:ポイント要約は編集部

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