トルコリラ円見通し ドル円の下落に圧されるも対ドルでのリラ反発で上昇(22/11/8)

トルコリラ円の11月7日は7.96円から7.85円の取引レンジ、8日早朝の終値は7.95円で先週末終値の7.89円からは0.06円の円安リラ高となった。

トルコリラ円見通し ドル円の下落に圧されるも対ドルでのリラ反発で上昇(22/11/8)

トルコリラ円見通し ドル円の下落に圧されるも対ドルでのリラ反発で上昇

〇ドル円、11/7は7.96から7.85の取引レンジ、ドル円の下落局面で7.85の安値をつけてから戻す
〇11/8早朝にかけてドル安リラ高が進んだことにより、リラ高の押し上げが効いて高値7.96へ上昇
〇トルコリラ円、11/7夜にかけてドル安感強まりトルコリラも買われ、終値ベースで18.40台へ持ち直す
〇FOMCと雇用統計を経てドル全面高に対する一巡感、ドル安進行で対ドルでのリラも持ち直しを図るか
〇7.91を上回るうちは一段高余地ありとし、7.96超えからは7.98前後への上昇を想定する
〇7.91割れからは下向きとして、7.88前後への下落を想定する

【概況】

トルコリラ円の11月7日は7.96円から7.85円の取引レンジ、8日早朝の終値は7.95円で先週末終値の7.89円からは0.06円の円安リラ高となった。
11月3日夜以降のドル安基調を反映してドル円は7日夜に146.08円へ下落し、米長期債利回りが深夜以降に上昇したものの全般のドル安基調に圧迫されて147円には届かずに上値の重い展開となった。トルコリラ円もドル円の下落局面で7.85円の安値をつけてから戻したのだが、8日早朝にかけてドル/トルコリラでドル安リラ高が進んだことによりドル円の戻りが鈍い中でも8日早朝にはリラ高の押し上げが効いてこの日の高値となる7.96円へ戻した。
7月後半からのドル円に同調した動きは継続しているが、ドル/トルコリラが18.50リラ前後から18.60リラ台でやや膠着気味のジリ安推移が続いていたところ、7日深夜には18.40リラ台前半までドル安リラ高となったため、トルコリラ円としては久しぶりにドル/トルコリラ要因での上昇となった。

【対ドルで史上最安値を一時更新】

ドル/トルコリラの11月7日は18.63リラから18.41リラの取引レンジ、8日早朝の終値は18.44リラで先週末終値の18.57リラからは0.13リラのドル安リラ高となった。
11月4日午後に一時18.67リラの安値をつけて10月11日につけたこれまでの最安値18.66リラを超えたところでリラ売りがひとまず一巡して18.49リラまで戻したものの5日早朝の終値では18.57リラまで失速し、18.50リラ前後から18.60リラ台までのレンジ推移の範囲に終わっていた。しかし7日夜にかけてはユーロが1ユーロ1ドルのパリティを回復して9月26日安値以降の高値を更新、11月3日未明のFOMC直後につけた高値も超えたことでドル安感が強まり、豪ドルや南アランド等も上昇したためにトルコリラも買われ、終値ベースで18.40リラ台へ持ち直した。
11月8日午前序盤は18.41リラまで戻り高値を切り上げているが、トルコ独自のリラ買い材料は今のところ見られていない。

【ドル全面高に対する一巡感で対ドルでのリラも持ち直しを図るか】

メジャー通貨の加重平均であるドル指数は2021年1月6日の89.21と2018年2月16日の88.25をダブル底として歴史的な大上昇に入り、9月28日には114.78をつけて2002年5月以来の最高値水準に達したが、その後は下落に転じている。
英ポンドが9月26日に史上最安値を更新し、ユーロドルが9月28日に0.9534ドルの安値をつけて20年ぶり安値とし、ドル円も32年ぶりのドル高円安水準に達するなど、米FRBによる超ハイペースでの利上げ継続によりドル全面高が進行してきたが、「景気よりもインフレ抑制」を掲げてきたFRBも景気後退へのリスクを意識して前倒し的な過度の利上げペースへの調整が必要という認識に変わりつつある。
歴史的な安値更新が続いたこともあり、ポンドやユーロが売られ過ぎの反動で買い戻され、11月3日未明のFOMCが12月会合でのペースダウンを示唆したことや11月4日の米雇用統計で失業率が予想以上に悪化したことも重なり、ドル買い材料の一巡感でのドル安が進行している。このことがドル/トルコリラにも影響を与えている印象だ。

ドル/トルコリラは6月24日の国内企業に対する外貨保有と新規融資規制を発表したことで15.90リラへ一時急伸したところからリラ売り再開となり昨年12月の史上最安値18.36リラを超え、3会合連続の利下げにより18.60リラ台まで安値を切り下げてきたが、1ドル19リラへ進むのは時期尚早としていったんリラの買い戻しに入っている印象もある。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは11月3日未明のFOMC声明発表直後に急落したところからの急反騰が11月4日午前高値で一巡して弱気サイクル入りしたとして8日未明から10日未明にかけての間への下落を想定してきた。
11月7日夜に一段安したものの、その後の反騰で凡そ0.10円規模の反騰となったため、11月7日夜安値で直近のサイクルボトムをつけて強気サイクル入りしたと思われる。高値形成期は9日午前から11日午前にかけての間と想定されるが、戻りは短命の可能性もあると注意し、7.91円以上での推移中は一段高余地ありとするが、7.91円割れからは弱気サイクル入りの可能性ありとし、7.91円を割り込んでの推移が続く場合は10日夜から14日夜にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では11月7日夜からの反騰で遅行スパンが好転して先行スパンも上抜いた。このため遅行スパン好転中は高値試し優先とする。先行スパンから転落しないうちは遅行スパンが一時的に悪化してもその後に好転するところからは上昇再開とするが、先行スパンから転落する場合は下げ再開とみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は11月4日夜から7日夜にかけての一段安に際して指数のボトムが切り上がる強気逆行を見せてから反騰入りして70ポイントに迫った。その後も50ポイント以上を維持しているのでまだ上昇余地ありとし、弱気転換は50ポイント割れからとする。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、7.91円を下値支持線、7.96円を上値抵抗線とする。
(2)7.91円を上回るうちは一段高余地ありとし、7.96円超えからは7.98円前後への上昇を想定する。7.98円以上は反落注意とするが、7.92円を上回っての推移か、直前高値から0.05円を超える反落とならないうちは9日の日中も高値試しへ進みやすいとみる
(3)7.91円割れからは下向きとして7.88円前後への下落を想定する。7.88円以下は反騰注意とするが、7.91円を下回っての推移なら9日の日中も安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

11月10日
 16:00 9月 失業率 (8月 9.6%)
 20:30 週次 外貨準備高 11/4時点 グロス (前週 748.0億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 11/4時点 ネット (前週 134.5億ドル)
11月11日
 16:00 9月 鉱工業生産 前月比 (8月 2.4%)
 16:00 9月 鉱工業生産 前年同月比 (8月 1.0%)
 16:00 9月 小売売上高 前月比 (8月 3.7%)
 16:00 9月 小売売上高 前年同月比 (8月 9.0%)
 16:00 9月 経常収支 (8月 -31.1億ドル)

次回以降のトルコ中銀MPCは11月24日、12月22日の予定


注:ポイント要約は編集部

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