南アランド週報:『乱高下しつつも方向感見出せず。来週も米金利主導の動きを想定』(11/5朝)

今週後半にかけて一時7.99円まで下げ幅を広げましたが、週末にかけては8.20円前後へと急ピッチに値を戻すなど、方向感の定まらない荒々しい値動きとなりました

南アランド週報:『乱高下しつつも方向感見出せず。来週も米金利主導の動きを想定』(11/5朝)

『乱高下しつつも方向感見出せず。来週も米金利主導の動きを想定』

〇今週の南ア円、FOMC後のドル買いと、金プラチナ価格の下落等に週後半にかけ7.99まで下落
〇週末にかけては米失業率の悪化等に週間高値8.20まで急伸、高値圏で越週
〇南ア円、方向感の定まらない荒々しい値動き
〇ファンダメンタルズは南ア円相場の下落を連想させる材料揃う
〇南アランド円相場の下落をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):8.00ー8.30

今週のレビュー(10/31−11/4)

今週の南アフリカランド円(ZARJPY)相場は、週初8.15円で寄り付いた後、南ア9月貿易収支(結果197億ZAR黒字、予想62億ZAR黒字)の市場予想を上回る結果や、南ア10月製造業PMI(結果50.0、予想48.0)の良好な結果、南ア中銀ハニャホ総裁による「政策金利を引き上げる余地がある」との見解発表、南ア10月Naamsa自動車販売(結果+11.4%、前回+10.8%)の力強い結果が支援材料となり、翌11/1にかけて、一時8.16円まで上昇しました。

しかし、買い一巡後に伸び悩むと、米FOMCでの4会合連続となる75bpの利上げ実施や、パウエルFRB議長による「最終的な金利水準は従来の想定よりも高くなった」「利上げ停止を考えるのは非常に時期尚早」とのタカ派的な発言(ターミナルレート引き上げ議論の再浮上)、上記を背景とした米長期金利の急上昇(米10年債利回りが4.21%へ急上昇→リスクオフ再開→南アフリカから米国への資本流出懸念)、金・プラチナ価格の急反落(南アフリカの交易条件悪化懸念)、南ア10月スタンダード銀行南アフリカPMI(結果49.5、予想49.7)の冴えない結果が重石となり、週後半にかけて、週間安値7.99円まで急落しました。

もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、米10月失業率の悪化に端を発した米長期金利の急低下や、それに伴うリスクオン再開(株高→金・プラチナ価格急反発→南アランド急伸)が支援材料となり、週末にかけて、週間高値8.20円まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間11/5午前2時00分現在)では、8.19円前後で推移しております。

来週の見通し(11/7−11/11)

南アフリカランドの対円相場は、10/21に記録した直近高値8.29(9/14以来の高値圏)をトップに反落に転じると、今週後半にかけて一時7.99円(10/13以来、約3週間ぶり安値圏)まで下げ幅を広げましたが、週末にかけては8.20円前後へと急ピッチに値を戻すなど、方向感の定まらない荒々しい値動きとなりました(ローソク足が主要テクニカルポイントを挟んで往来するなど、ロング・ショート共にポジションを傾けづらい不安定な相場展開)。

但し、ファンダメンタルズ的に見ると、パウエルFRB議長によるややサプライズ的なタカ派発言(市場で高まっていた米利上げペース鈍化観測が後退し、ターミナルレート引き上げ懸念が再浮上)や、それに伴う南アフリカから米国への資本流出圧力、南アフリカ経済の先行き不透明感(スタグフレーション懸念が燻る中での南ア中銀による連続利上げは南ア経済の逆風)、国営電力会社エスコムによる計画停電長期化懸念、南アフリカと経済的な結びつきの強い中国の景気減速懸念など、南アランド円相場の下落を連想させる材料が揃っています。

以上を踏まえ、当方では引き続き、南アランド円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします。尚、来週は南ア9月製造業生産高以外に目立った南ア経済イベントが予定されていないため、今週同様、米長期金利や商品市況(金・プラチナ価格)に振らされる不安定な相場展開を想定いたします(11/10に予定されている米CPIや米コアCPIが市場予想を上回る結果となれば、南アランド円相場が急反落に転じる恐れあり)。

来週の予想レンジ(ZARJPY):8.00ー8.30

注:ポイント要約は編集部

『乱高下しつつも方向感見出せず。来週も米金利主導の動きを想定』

南アランド円日足

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