南アランド週報:『米金利と円買い介入に振らされる不安定な値動き。リスクは依然下方向』(10/22朝)

週前半にかけて、9/14以来、約1ヵ月ぶり高値となる8.29円まで急伸しましたが、週末にかけて再び反落に転じる冴えない動きとなりました。

南アランド週報:『米金利と円買い介入に振らされる不安定な値動き。リスクは依然下方向』(10/22朝)

『米金利と円買い介入に振らされる不安定な値動き。リスクは依然下方向』

〇今週の南ア円、株価堅調、プラチナ価格の上昇に、週初8.29まで上昇
〇買い一巡後は、計画停電強化や指標不冴え、ドル円急落等に週末にかけ一時8.07まで下落
〇南ア円、テクニカルの地合い悪化、ファンダメンタルズも南ア円下落を連想させる材料揃う
〇南アランド円相場の下落をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):8.00ー8.30

今週のレビュー(10/17−10/21)

今週の南アフリカランド円(ZARJPY)相場は、週初8.08円で寄り付いた後、@株式市場の堅調推移(リスク選好の新興国通貨買い)や、Aプラチナ価格の急上昇(南アフリカの交易条件改善期待)、B英財政を巡る懸念後退(トラス英首相による財政政策の撤回→リスクセンチメント改善)、C対主要通貨での円独歩安の流れ(黒田日銀総裁による金融緩和継続を示唆するハト派発言)が支援材料となり、翌10/18にかけて、週間高値8.29円まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、D国営電力会社エスコムの発電機故障(5カ所のプラントで発電機が故障→計画停電強化)や、E上記Dを背景とした南ア経済の先行き不透明感、

F南ア8月小売売上高(結果+2.0%、予想+4.9%、※前年比)の冴えない結果、G南ア9月消費者物価指数の高止まり(市場予想通りの結果となったものの、次回11月の南ア中銀会合での100bp利上げを織り込む動き→スタグフレーション懸念が燻る中での利上げ実施は南ア経済への逆風)、H米FRBによるタカ派傾斜観測(南アフリカからの資本流出圧力)、I政府・日銀による円買い介入観測(ドル円が151.95から146.23へ急落)が重石となり、週末海外時間に、週間安値8.07円まで急落しました。引けにかけて持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間10/22午前5時20分現在)では、8.14円前後で推移しております。

来週の見通し(10/24−10/28)

南アフリカランドの対円相場(ZARJPY)は、10/13に記録した直近安値7.92円をボトムに反発に転じると、週前半にかけて、9/14以来、約1ヵ月ぶり高値となる8.29円まで急伸しましたが、週末にかけて再び反落に転じる冴えない動きとなりました。ローソク足が主要サポートポイント(一目均衡表雲上限や90日移動平均線など)を下抜けするなど、テクニカル的に見て、地合いの悪化が警戒されます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、@米FRBによるタカ派傾斜観測や、A上記@を背景とした南アフリカから米国への資本流出圧力、B南アフリカ経済の先行き不透明感(スタグフレーション懸念が燻る中での利上げ実施)、C国営電力会社エスコムによる相次ぐ計画停電、D南アフリカと経済的な結びつきの強い中国の景気減速懸念、E国営輸送会社トランスネット社のストライキ長期化懸念など、南アランド円相場の下落を連想させる材料が揃っています。

以上を踏まえ、当方では引き続き、南アランド円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします。尚、来週は南アフリカの経済イベントに乏しいことから、米長期金利やドル円相場の動向を睨みながらの神経質な相場展開を予想いたします(ドル円が高値圏から急落に転じているため、南アランド円相場には下落圧力が加わり易い→心理的節目8.00円割れを試すシナリオを想定)。

来週の予想レンジ(ZARJPY):8.00ー8.30

注:ポイント要約は編集部

『米金利と円買い介入に振らされる不安定な値動き。リスクは依然下方向』

南アランド円日足

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