トルコリラ円見通し ドル円の一段高でトルコリラ円も10月5日以降の高値を更新(22/10/14)

トルコリラ円の10月13日は7.95円から7.88円の取引レンジ、14日早朝の終値は7.92円で前日終値の7.91円からは0.01円の円安リラ高だった。

トルコリラ円見通し ドル円の一段高でトルコリラ円も10月5日以降の高値を更新(22/10/14)

トルコリラ円見通し ドル円の一段高でトルコリラ円も10月5日以降の高値を更新

〇トルコリラ円、10/13米9月CPI発表後いったん市場介入警戒で下げたドル円に合わせ、7.88まで下落
〇その後10/14日早朝に7.95へ一段高、10/5以降の高値を更新
〇対ドル、米CPI発表を通過した後はドル安の流れからリラの買い戻しが優勢、18.50台序盤へ上昇
〇しかし18.52近辺では戻り売りされ、10/14午前序盤は18.55から18.58のレンジまで押し返される
〇10/20トルコ中銀政策金利発表、3会合連続での利下げをせざるを得ない状況と思われる
〇7.88以上での推移中は上昇余地ありとし、7.95超えからは7.98前後への上昇を想定する
〇7.88割れからはいったん大きめの調整安に入るとみて、7.85前後への下落を想定する

【概況】

トルコリラ円の10月13日は7.95円から7.88円の取引レンジ、14日早朝の終値は7.92円で前日終値の7.91円からは0.01円の円安リラ高だった。
10月13日夜は米9月CPI上昇率が市場予想を上回ったことで当初にドル全面高となりドル円は147.67円へ急伸して1998年8月天井の147.63円を上回り、いったんは市場介入警戒で146.48円まで下げる波乱を見せたものの14日早朝からは147円台前半へ持ち直している。トルコリラ円はドル円の乱高下に合わせて7.88円までいったん下げたものの14日早朝には7.95円へ一段高となり10月5日以降の高値を更新している。
9月22日に24年ぶりとなる日銀の円買い介入直前の水準を超えても新たな介入は見られずに147円台へ乗せて1998年8月天井も超えたため、147円台序盤で値固めをしつつ150円台を目指す可能性も出てきている印象だ。

【対ドルでは下落一服だが18.50リラ台序盤では売られる】

ドル/トルコリラの10月13日は18.59リラから18.52リラの取引レンジ、14日早朝の終値は18.52リラで前日終値の18.56リラからは0.04リラのドル安リラ高だった。
10月13日夜は米9月CPIの発表があり、全体の前月比及び前年同月比が市場予想を上回り、コア指数では前年同月比が8月の6.3%から6.6%へと伸びを加速させたために11月の米FOMCにおける4会合連続での0.75%利上げに加えて12月も0.75%利上げとなる可能性が高まったと市場は受け止め、当初はドル全面高となったが、当面のインフレ指標発表を通過したことでドル買い一巡となりユーロやポンド、豪ドルなどの買い戻しが勢い付いてドル安へと風向きが変わった。このためドル/トルコリラも米CPI発表を通過した後はリラの買い戻しが優勢となり18.50リラ台序盤へ上昇した。しかし18.52リラ近辺では戻り売りされて14日午前序盤は18.55リラから18.58リラのレンジまで押し返されている。

9月22日のトルコ中銀による利下げ決定をきっかけとして昨年12月20日の18.36リラを超えて史上最安値更新を続けて10月11日に18.66リラへ史上最安値を更新した後は下げ一服感もあり新たな安値更新を回避しているが、18.50リラ近辺では売られており、最安値更新への余裕も乏しい状況は変わらないと思われる。

【週次の外貨準備高は増加】

10月13日夜に発表された週次の外貨準備高は10月7日時点のグロスで732.5億ドルとなり前週の680.5億ドルから増加、ネットでは124.4億ドルとなり前週の97.2億ドルから増加した。
トルコ中銀による市場介入でのリラ買い支えの影響で外貨準備高の減少が懸念されていたが、ネットでは8月半ばの156.8億ドルから9月末に96.7億ドルまで減少したところで下げ止まって回復の兆しが見られる。グロスでも2週連続で低下したところから増加しており、7月半ばに588.7億ドルまで減少したところからの持ち直し基調を継続している。
トルコ中銀は為替市場において金融機関とのスワップ取引でリラ買いドル売りなどを行っており、スワップ取引の残高は直近で464.8億ドルとされ、ネットの外貨準備高では大幅な過少となっており、実質的な準備高は極めて乏しい状況にあるのだろうとみられている。

【来週10月20日にトルコ中銀政策金利発表】

10月20日に次回のトルコ中銀MPC(金融政策委員会)があり政策金利が発表される。9月22日に連続利下げを決定した後、エルドアン大統領は9月28日に「年末までに政策金利を一桁とすべき」と述べ、9月29日には「トルコ中銀に利下げを提言した」と述べているため、トルコ中銀も3会合連続での利下げをせざるを得ない状況と思われる。
市場の事前予想はまだまとまっていないものの現行の12%から11%へと利下げされるのではないかと思われる。
主要国がインフレ対策による大幅利上げを継続している中にあって、高インフレにもかかわらず利下げによる景気浮揚を試すトルコの試みは異質であり、今年7月以降は大手格付け会社の格下げも相次いでいる。既に1ドル18.60リラ台へ下落してきたことを踏まえ、先行きは18.90リラや20.00リラを目指す可能性も取り沙汰されている。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、10月5日午前安値を起点とした上昇が継続しているが、10月13日夜に下落したところから一段高となったため、現状は10月13日夜安値を直近のサイクルボトムとして強気サイクル入りしたところと思われる。10月13日早朝高値を基準として次の高値形成期を18日早朝から20日朝にかけての間と想定し、弱気サイクル入りは10月13日夜安値割れからとする。

60分足の一目均衡表では10月13日夜の下落時に遅行スパンが一時的に悪化したもののその後に好転しており、先行スパンを上回る状況も継続しているので遅行スパン好転中の高値試し優先とする。ただし再び遅行スパンが悪化するところからは下落期入りの可能性を警戒して先行スパンの下限を試す下落を想定する。

60分足の相対力指数は10月13日夜に40ポイント台へ低下したところから70ポイント超えへ反騰し、その後も50ポイント以上を維持しているので70ポイント台後半へ上昇する可能性があるとみる。ただし相場が高値を更新する際に指数のピークが切り下がる弱気逆行が見られる場合は下げ再開を警戒し、50ポイント割れからは30ポイント台への下落を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、7.88円を下値支持線、7.95円を上値抵抗線とする。
(2)7.88円以上での推移中は上昇余地ありとし、7.95円超えからは7.98円前後への上昇を想定する。7.98円以上は反落注意とするが、7.90円以上での推移なら週明けも高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)7.88円割れからはいったん大きめの調整安に入るとみて7.85円前後への下落を想定する。7.85円前後では買いも入りやすいとみるが、7.88円を割り込んでの推移なら週明けも安値試しを続けやすいとみる。

【当面の主な予定】

10月17日
 17:00 9月 財政収支 (8月 +360億リラ)
10月20日
 20:00 トルコ中銀政策金利 (現行 12.0%)
 20:30 週次 外貨準備高 10/10時点 グロス (前週 732.5億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 10/10時点 ネット (前週 124.4億ドル)


注:ポイント要約は編集部

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