米消費者物価に注目、結果次第で147円台も
〇本日のドル円、上値重く147円に届かず、下値も堅く146.65-70レベルに
〇鈴木財務相から円安けん制発言「急激な変動があれば断固たる対応をとる」
〇G20財務相・中銀総裁会議、IMF・世銀の年次総会などの国際会議に注目
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは146.20-147.50
〇ドル高方向は昨日高値146.97が最初の抵抗、ドル安方向は146.40レベルに弱いサポート
<< 東京市場の動き >>
13日の東京市場はドルが強保ち合い。上値は重く上げ渋ったが、一方で下値も堅く146円後半という高原推移をたどっている。
ドル/円は146.90円レベルで寄り付いた。すでに1998年高値の147.64円が現実的な上値メドとして視界内に捉えられているが、本日の東京時間にはとどかず。それどころか147円にも乗せられず、ドルの上値は重い。しかし、下値も146.65-70円レベルとかなりレベルが切り上がっている。16時現在では146.80-85円で推移し、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは「ロシア情勢」と「日本の円安けん制」について。
前者は、国連総会でロシアによる「4州併合」非難決議が採択された。193ヵ国中143ヵ国が賛成したという。ちなみにロシアのほか、シリア、ニカラグア、北朝鮮、ベラルーシが反対。中国を含む35ヵ国は棄権している。そうしたなか、ロシアの運営会社が「ノルドストリーム再稼働には1年以上必要」といった発表をするなど、恫喝とも思しきコメントも聞かれるが、果たして欧州の結束を崩せるのか注目だ。またロシア補佐官は「プーチン氏のG20出席は未定」と発言した一方、米大統領報道官は「11月のG20での米露首脳会談を実施する意向はない」と一蹴していた。
対して後者は、スピード的には決して速くないが、それでもドル/円は昨日欧米時間に146.97円まで上伸。また本日東京も、前述したように146円後半での高原推移をたどっており、引き続き本邦要人から複数の円安けん制発言が聞かれていた。たとえば、松野官房長官は昨日同様に「過度な為替変動には適切な対応をとりたい」、鈴木財務相も「投機による過度な変動は容認できない」、「為替介入は水準ではなくボラティリティに注目し、急激な変動があれば断固たる対応をとる」−−などといった内容になる。ある程度の円安進行抑止効果はあったものの、相場を押し下げるほどの影響はみられない。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は連日のドル高進行で、ついに146.97円と147円寸前まで達してきた。当初は中期メドと目された1998年高値の147.64円まで、あと数十ポイント。完全に視界内に捉えられた。ポジションの偏りや当局の介入警戒などに注意しつつ、ドルはさらなる高値トライをたどる可能性もありそうだ。
このあとの欧米市場は、材料的に発表される米経済指標、とくに9月の消費者物価指数を注視している向きが少なくない。ちなみに、予想を上回った数字となった場合にはNYダウなど米株への悪影響も気になるが、現在の地合いも含め、金融引き締め観測の高まりからドル高に振れることを予想する向きが優勢だ。昨日、そして本日もここまで超えられていない147円の壁を突破するトリガーとなるかもしれない。
テクニカルに見た場合、ドル/円は本日東京でも146円台後半で推移しており、147.64円が意識されていることは間違いない。早ければ、本日欧米時間に接近あるいは到達もありうるか。
しかし、個人的に気掛かりなのは鈴木財務相が本日発したコメント。具体的には、「断固たる対応をとる」との発言を注視している。経験則的に、この発言は実弾介入をイメージさせる危険なシグナルに当たるのだが、果たして如何に。
本日は米経済指標として、9月の消費者物価指数や週間ベースの新規失業保険申請件数が発表されるほか、米財務省による30年債の入札などが実施される予定だ。また、G20財務相・中銀総裁会議、IMF・世銀の年次総会といった重要な国際会議にも引き続き注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは146.20-147.50円。ドル高・円安方向はまず昨日高値にあたる146.97円が最初の抵抗。抜けると147円台乗せから、147.64円を目指す展開も。
対するドル安・円高方向は、146.40円レベルに弱いサポートがあり、それを下回ると146円やそれまでのドル高値だった145.90円レベルをめぐる攻防に注目だ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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