ユーロ ユーロ安(ドル高)地合いを継続
〇先週のユーロドル、週前半はドル売りによるユーロ買い、一時パリティ回復、後半はドル買いユーロ売り
〇材料的に米金利の動きから来るドルの上下が主要因、今週は米国CPIやFRB関係者の発言の影響大きいか
〇米10年債利回りは4%台を窺う展開、米金利を見ながらドル高を考え、ユーロドルは上値が重たいか
〇今週は0.9630レベルをサポートに、0.9850レベルをレジスタンスとする週とみる
今週の週間見通しと予想レンジ
先週のユーロドルは、ドル円同様に週前半はドル売りによるユーロ買い、後半はドル買いによるユーロ売りとなりましたが、値幅的にはドル円が前週までに大きく動いた反動で比較的狭いレンジとなっていたのに対して、先週はユーロドルのほうが大きく動いていました。
材料的にはユーロよりも米金利の動きから来るドルの上下が主要因といえ、米10年債利回りは週初の3.81%台から3.56%台まで低下後、週末には強い雇用統計もあって3.91%近くまで上昇後、若干押して一週間を終えました。10年債利回りは9月28日に4.01%台に乗せた後は下げていましたが、先週半ばから改めて4%台を窺う展開となっています。今週は欧州の経済指標や中銀関係者の発言も多いのですが、米金利に敏感な値動きになって来ていることから、米国CPIをピークにそれまでもFRB関係者の発言やFOMC議事録の影響の方が大きそうです。
ドル円の週報ではテクニカルにドル高に動きやすいことを書きましたが、米金利のトレンドがこのまま上昇し4%超えを試しに行くとすれば、ドル高の動きと整合が取れる動きとなりますので、今週も米金利を見ながらドル高を考え、ユーロドルは上値が重たい動きを考えることとなりそうです。
また先週初はクレディスイスの信用問題もユーロ売りとなりましたが、スイス3大銀行のひとつであり、よく言われる大き過ぎてつぶせないという何かあった場合には国が救済に動く可能性が高いと見られますし、10月中にはリストラも含めて経営改善策が発表されるようですから、エネルギー問題と同じで常に悪材料ではあるものの、想定できる範囲でのニュースが出てくることになるのではないでしょうか。
テクニカルには引き続き下降チャンネル内での動きを継続しています。いつもの日足チャートをご覧ください。
年初来高値からのレジスタンスライン(青の太線)と平行ラインと(青)とで構成される下降チャンネル内での動きですが、直近では年初来安値とその後の買い戻しとの61.8%押しまで下げてきている動きです。そして、現状は78.6%(61.8%の平方根)押しとなる0.9634をターゲットとする動きが予想されます。
上値についてはレジスタンスラインが位置する0.9950レベル、そして9月末の水準となる0.9850レベルがあげられます。今週もユーロ安が続きやすく各水準を考えると、先週と似たレンジとなりますが、0.9630レベルをサポートに、0.9850レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
今週のコラム
今週はポンドドルの日足チャートを見ておきましょう。
史上最安値をつけた後も激しい動きを続けていますが。先週は戻り高値1.1494レベルをつけ、安値から1100pips以上もの急騰となりました。急落前の水準に戻したことで、改めて売りが出やすい流れになってきたと見られます。
現在安値と高値の38.2%押しの水準にいることから、半値押し1.0926を最初のターゲットに、ユーロとともに上値が重い展開になりやすくなると見ています。
今週の予定
10月11日(火)
08:01 英国9月小売売上高
15:00 英国9月失業率
27:35 英中銀総裁講演 ☆
10月12日(水)
07:00 フランス中銀総裁講演
15:00 英国8月鉱工業生産、貿易収支
18:00 ユーロ圏8月鉱工業生産
22:30 ラガルドECB総裁講演 ☆
24:00 オランダ中銀総裁講演
10月13日(木)
08:01 英国9月住宅価格
15:00 ドイツ9月CPI ☆
16:30 デギンドスECB副総裁講演 ☆
21:30 米国9月CPI ☆
10月14日(金)
15:00 ドイツ9月WPI
15:45 フランス9月CPI
17:00 オーストリア中銀総裁講演
18:00 ユーロ圏8月貿易収支
前週のユーロレンジ
(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時〜NY午後5時のインターバンクレート。
先週の概況
10月3日(月)
ユーロドルは東京市場では0.98を挟んで上下に細かく神経質な動きを続けていましたが、欧州市場に入り以前からCDSが上昇していたクレディスイスへの懸念が金融株全般の下げにつながったことを嫌気してユーロドルに売りが入りました。しかし、米金利低下によるドル売りが勝りユーロドルも上昇、NY昼前には0.9845レベルまで上昇後やや押して引けました。
10月4日(火)
ユーロドルはポンドとともに買い戻しが目立ち、ユーロの長期的な下げの見通しに変化は無いものの、短期的に買いが先行しやすくなってきたことから買いが目立つ1日となりました。短期筋を中心にユーロ買いで動いている向きも出ていました。
10月5日(水)
ユーロドルは前日引け間際に一時パリティを回復しましたが、トライしきれず上値が重たいスタートを切りました。米金利が上昇する動きも加わりNY前場には0.9835レベルまでユーロは下げましたが、引けにかけては米金利が下げに転じたことでやや買い戻されて引けました。
10月6日(木)
ユーロドルは東京市場では動きが鈍かったものの、0.9920レベルで上値が重たい流れが続きました。欧州市場では引き続き景気後退懸念が、またNY市場では米金利上昇がユーロ売り材料となり、0.9788レベルまで水準を下げ安値引けとなりました。
10月7日(金)
ユーロドルは米国雇用統計を控えNY市場までは小動き、0.98水準を中心としたもみあいが続きました。強い雇用統計をきっかけにドル買い・ユーロ売りとなり、0.9727レベルまで下押し後、NY昼前にいったん買い戻しを挟んで引けにかけては改めてユーロ売りとなり0.97台半ばで引けました。
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オーダー/ポジション状況
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