『90日線をバックに上値の重い展開が継続。続落リスクに要警戒』
〇今週の南ア円、週明け早々週間安値7.96まで下げた後翌日8.19まで上昇
〇その後は南ア経済指標の不冴えと米長期金利上昇に週末にかけ8.01レベルまで値を崩す
〇南ア円、上方に複数のレジスタンスポイント控え、売りシグナルも継続、テクニカルの地合い弱い
〇ファンダメンタルズも南ア経済の先行き不透明感や、中国の景気減速懸念等、南ア円下落材料多い
〇引き続き、南アランド円相場の続落をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):7.85ー8.15
今週のレビュー(10/3−10/7)
今週の南アフリカランド円(ZARJPY)相場は、週明け早々に週間安値7.96円まで下げ幅を広げるも、9/26に記録した直近安値7.92円をバックに下げ渋ると、@英国が9/28に発表した緊急措置発動の余韻(長期国債買い入れ再開とQT開始期限の延期)や、A米ISM製造業景況指数及び米JOLTS労働力調査の不冴な結果、B豪中銀による予想より小幅な利上げ実施(50bpの利上げ予想に対して結果は25bpの利上げ)、C上記@ABを背景とした米長期金利の急低下(市場心理改善→新興国通貨上昇)が支援材料となり、翌10/4にかけて、週間高値8.19円まで上昇しました。しかし、90日移動平均線をバックに伸び悩むと、
D南ア9月製造業PMI(結果48.2、前回52.1)の冴えない結果や、E南ア9月Naamsa自動車販売(結果+10.8%、予想+12.2%)の市場予想を下回る結果、F南ア9月スタンダード銀行PMI(結果49.2、予想49.9)の冴えない結果、Gニュージーランド中銀による50bp利上げ実施(上記Bを背景にRBNZも小幅利上げに留まるとの期待感が後退)、H上記Gをきっかけとした米長期金利の反転上昇(米10年債利回りは10/4に記録した3.56%をボトムに切り返すと、週末にかけて3.90%へ急上昇)、I上記Hを背景としたリスクオフ再開(市場心理悪化→新興国通貨下落)が重石となり、本稿執筆時点(日本時間10/8午前4時00分現在)では、8.01円前後まで値を崩す展開となっております。
来週の見通し(10/10−10/14)
南アランドの対円相場(ZARJPY)は上昇後に反落する冴えない動きとなりました(全値押し)。アップサイドに複数のレジスタンスポイントを控えている他、強い売りシグナルを示唆する三役逆転も継続するなど、テクニカル的に見て、地合いは弱いと判断できます。事実、今週は90日移動平均線がレジスタンスとして確り機能するなど、上値の重さを再確認する結果となりました。目先は中長期サポートラインとして意識されている200日移動平均線をクリアに下抜けられるか否かに注目が集まります。同水準を下抜けられれば、8/2に記録した4月以降の安値7.86円をターゲットに下値を試す動きが一段と強まりそうです。
ファンダメンタルズ的に見ても、@米FRBによるタカ派傾斜観測(一時的に弱まった米タカ派傾斜観測が週央以降再び復活)や、A上記@を背景とした南アフリカから米国への資本流出圧力、B南アフリカ国内の深刻な電力不足(国営電力会社エスコムによる相次ぐ計画停電)、C南アフリカ経済の先行き不透明感(今週発表された南ア経済指標は軒並み悪化)、D南アフリカと経済的な結びつきの強い中国の景気減速懸念など、南アランド円相場の下落を連想させる材料が揃っています。以上を踏まえ、当方では引き続き、南アランド円相場の続落をメインシナリオとして予想いたします。尚、来週は南アフリカ国内の経済イベントに乏しいことから、今週同様、米長期金利やそれに伴う市場心理を睨みながらの神経質な値動きとなりそうです(国慶節明けの中国よりネガティブニュースが出てくる場合や、本邦政府・日銀より円安牽制が入る場合などにも、南アランド円相場を押し下げに繋がる恐れあり)。
来週の予想レンジ(ZARJPY):7.85ー8.15
注:ポイント要約は編集部
南アランド円日足
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