トルコリラ円見通し ドル高リラ安続くがドル円の持ち直しに合わせて上昇(22/10/7)

トルコリラ円の10月6日は7.81円から7.76円の取引レンジ、7日早朝の終値は7.81円で前日終値の7.76円から0.05円の円安リラ高だった。

トルコリラ円見通し ドル高リラ安続くがドル円の持ち直しに合わせて上昇(22/10/7)

トルコリラ円見通し ドル高リラ安続くがドル円の持ち直しに合わせて上昇

〇トルコリラ円、ドル円の騰落に合わせた動き、ドル円が10/7早朝にかけ上昇した流れで7.81へ切り返す
〇対ドル、10/6は18.62から18.55の取引レンジ、新たな安値更新には至らないが史上最安値近辺での推移
〇今晩の米雇用統計通過後もドル高基調継続なら、ドル高リラ安が一段と進行しやすいところか
〇週次の外貨準備高はグロスで2週連続の減少
〇7.77以上での推移中は上昇余地ありとし、7.82超えからは7.85前後への上昇を想定する
〇7.75割れからは下落再開とみて、7.72前後への下落を想定する

【概況】

トルコリラ円の10月6日は7.81円から7.76円の取引レンジ、7日早朝の終値は7.81円で前日終値の7.76円から0.05円の円安リラ高だった。
対ドルでのリラ安は継続しているもののトルコリラ円はドル円の騰落に合わせた動きを優先しており、ドル円が10月3日に145円台序盤へ上昇したところから5日午前に143.50円まで下げた局面で7.72円へ下落したものの、ドル円が7日早朝にかけて145円台序盤へ持ち直した流れで7.81円へ切り返した。

ドル円は9月22日の日銀による24年ぶり円買い介入で急落したところからの戻りが一巡した後は143円台後半で買われて145円台序盤で売られる持ち合いにとどまっており、トルコリラ円はドル円の持ち合い中の騰落に合わせた動きとなっているが、ドル高リラ安に圧迫されているためにドル円のようなボックス型の横ばい持ち合いではなく戻り高値切り下がり基調の推移であり、10月7日早朝の高値も10月1日早朝高値7.84円からは切り下がりの範囲にとどまっている。
今晩は米雇用統計の発表からドル円の上昇が勢い付くのか急落反応になるのかにより、トルコリラ円も乱調な展開となる可能性があると注意したい。

【対ドルでは史上最安値近辺での推移続く】

ドル/トルコリラの10月6日は18.62リラから18.55リラの取引レンジ、7日早朝の終値は18.57リラで前日終値と変わらずだった。
9月22日にトルコ中銀が予想外の2会合連続利下げに踏み切ったことからリラ売りが加速しており10月6日には1ドル18.65リラへ史上最安値を更新していたが、7日も米FRB高官らによる大幅利上げ継続姿勢を支持する発言が相次いだことと7日夜の米雇用統計を控えたドルの買い戻しが優勢となってユーロやポンド、豪ドルや南アランド等が下落したため、ドル/トルコリラは新たな安値更新には至らなかったものの史上最安値近辺での推移でドル高リラ安基調を継続している。

9月後半からは米国の大幅利上げ継続姿勢が緩むのではないかとの見方から米長期債利回りが急低下してポンドやユーロが反騰したことで全般的なドル安感が強まっていたが、10月5日から6日にかけて米長期債利回りは連騰で切り返しており、6日夜も米FRB理事や地区連銀総裁らの大幅利上げ継続支持発言が相次いだことでドル高再開感が強まっている。今晩の米雇用統計を通過してドル高基調が継続ならドル高リラ安が一段と進行しやすいところと注意したい。

【週次の外貨準備高はグロスで減少、ネットでは微増】

10月6日夜に発表された週次のトルコ外貨準備高は9月30日時点のグロスで680.5億ドルとなり9月23日時点の713.4億ドルから減少した。ネットでは97.2億ドルとなり9月23日時点の96.7億ドルからはわずかに上昇した。
グロスの外貨準備高は2021年11月に879.2億ドルへ拡大したところから今年7月に588.7億ドルへ減少し、9月16日時点で748.2億ドルまで回復していたところから2週連続の減少となっている。
ネットの外貨準備高は2021年11月に326.4億ドルでピークとなり、今年7月に60.7億ドルまで大幅減少したところから8月に156.8億ドルまで回復したものの再び低下傾向に陥っている。
2021年12月にかけてのリラ暴落に際して外貨準備高はグロス及びネットで大幅減少しており、今年8月からのトルコ中銀による利下げ再開とリラの史上最安値更新においても減少が顕著であり、非公式な市場介入によるドル売りリラ買い等で減少していることをうかがわせる。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、10月1日早朝高値をサイクルトップとした弱気サイクル入りとして安値形成期を10月3日夜から6日未明にかけての間と想定していたが、10月5日午前時点では前回ボトムから4日を経過したために7.78円超えから強気サイクル入りとし、5日夜に7.80円まで切り返したために6日午前時点では5日午前安値をサイクルボトムとした強気サイクル入りとした。また高値形成期は10月6日早朝から10日朝にかけての間と想定されるのですでに反落注意期にあるとしたが、7.75円を上回るうちは上昇余地ありとした。
引き続き7.75円を上回るうちは上昇余地ありとし、今晩の米雇用統計を強気で通過する場合は7日深夜から週明けへの上昇継続とみるが、7.75円を割り込む場合は戻り一巡による下落期入りとみて10日午前から12日午前にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では10月5日午前安値からの反騰で遅行スパンが好転して先行スパンも上抜いたが、その後も両スパンそろっての好転を維持しているので遅行スパン好転中は高値試し優先とするが、先行スパンから再び転落する場合は下落再開の可能性ありとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先へ切り替える。

60分足の相対力指数は10月7日早朝への上昇で70ポイントに到達してから60ポイント割れへ反落している。50ポイント以上での推移中は上昇余地ありとするが、相場が高値を切り上げる際に指数のピークが切り下がる弱気逆行が見られる場合は下落期入りを警戒し、50ポイント割れから続落に入る場合は下落期入りとみて30ポイント前後への低下へ向かうとみる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、7.75円を下値支持線、7.82円を上値抵抗線とする。
(2)7.77円以上での推移か一時的に割り込んでも回復するうちは上昇余地ありとし、7.82円超えからは7.85円前後への上昇を想定する。7.85円以上は反落注意とするが、7.78円以上での推移なら週明けも高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)7.75円割れからは下落再開とみて7.72円前後への下落を想定する。7.72円前後では買いも入りやすいとみるが、急落商状の場合は7.70円前後へ下値目途を引き下げる。また7.75円以下での推移なら週明けも安値試しを続けやすいとみる。

【当面の主な予定】

10月7日
 23:30 9月 財務省現金残 (8月 287億リラ)
10月10日
 16:00 8月 失業率 (7月 10.1%)
10月11日
 16:00 8月 経常収支 (7月 -40.1億ドル)
10月12日
 16:00 8月 鉱工業生産 前月比 (7月 -6.2%)
 16:00 8月 鉱工業生産 前年同月比 (7月 2.4%)
 16:00 8月 小売売上高 前月比 (7月 -0.3%)
 16:00 8月 小売売上高 前年同月比 (7月 2.0%)
10月13日
 20:30 週次 外貨準備高 10/7時点 グロス (9/30時点 680.5億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 10/7時点 ネット (9/30時点 97.2億ドル)


注:ポイント要約は編集部

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