トルコリラ円見通し ドル円が144円割れから反発、トルコリラ円も7.70円台序盤から持ち直す(22/10/6)

トルコリラ円の10月5日は7.80円から7.72円の取引レンジ、6日早朝の終値は7.76円で前日終値の7.75円からは0.01円の円安リラ高だった。

トルコリラ円見通し ドル円が144円割れから反発、トルコリラ円も7.70円台序盤から持ち直す(22/10/6)

ドル円が144円割れから反発、トルコリラ円も7.70円台序盤から持ち直す

〇昨日のトルコリラ円、ドル円が午前に143.50台へ下落した場面で7.72へ下落
〇その後ドル円が144.80台へと切り返した流れで5日深夜には7.80まで持ち直す
〇対ドルでは取引時間中の史上最安値として1ドル18.60台へ安値更新
〇大手による格下げも続く中で利下げ政策も続き19、さらには20リラを目指す可能性も
〇6日外貨準備高発表、さらに減少なら介入力低下と受け止められリラ売りが勢い付く可能性も
〇7.80超えからは7.83前後への上昇を想定、7.83以上は反落注意
〇7.75割れからは下落再開で7.72前後への下落を想定、下げ足早まれば7.70前後へ下値目途引き下げ

【概況】

トルコリラ円の10月5日は7.80円から7.72円の取引レンジ、6日早朝の終値は7.76円で前日終値の7.75円からは0.01円の円安リラ高だった。
対ドルでの史上最安値更新が続く中でドル高リラ安を気にしながらもドル円の騰落に合わせた展開を続けているが、10月5日はドル円が午前に143.50円台へ下落した場面で7.72円へ下落したものの、その後にドル円が144.80円台へと切り返した流れで5日深夜には7.80円まで持ち直した。しかしドル円も144円台後半では上値が重くなり6日午前序盤に144.50円を割り込んできたため、トルコリラ円も7.80円超えからの続伸へは進めずに7.77円前後へ失速気味の推移となった。
9月22日の日銀による24年ぶりの円買い介入でドル円は145.89円から140.34円へ急落し、その後に下げ幅の8割強を戻した後は145円台で売られて143円台では買い戻される持ち合いとなっているが、トルコリラ円も9月22日に7.94円から7.64円まで急落したところから9月27日に7.87円まで戻し、ドル高リラ安の進行もあってドル円程にはもどせずに徐々に戻り高値が切り下がっているものの7.70円台序盤までの下落にとどまっている。

【1ドル18.60リラ台へ史上最安値更新続く】

ドル/トルコリラの10月5日は18.65リラから18.38リラの取引レンジ、6日早朝の終値は18.57リラで前日終値からは変わらずだった。
10月6日早朝の取引ではレート提示のブレも大きく、終値を18.61リラとして前日から0.04リラのドル高リラ安としたベンダーもあるが、いずれにせよ取引時間中の史上最安値として1ドル18.60リラ台へ安値を更新している。
10月5日はトルコ経済指標などの独自材料は特になかったものの、9月28日から大幅反騰していたユーロやポンドが失速し、急低下していた米長期債利回りが反騰したことでドル高感が強まり、高インフレ下での利下げ継続感が強まっていることでのリラ売り基調は変わらず、連日の史上最安値更新となっている。

【トルコ債格下げ、年内利下げ継続への懸念強まり】

9月30日に格付け大手のS&Pグローバル・レーティングはトルコのソブリン債格付けを「B+」から「B」に引き下げた。また見通しとしては格下げした状況で「安定的」とした。既にジャンク級としていたところから一段階下げたわけだが、格付けレベルはエジプトやモンゴルと同等とした。
今年7月9日にフィッチレーティングスが「B+」から「B」に格下げした上で見通しを「ネガティブ」とし、8月12日にはムーディーズが「B2」から「B3」に引き下げ、見通しは引き下げた状況において「安定的」としていたが、格付け会社によるトルコへの評価はきわめて低いままだ。

トルコのCPI上昇率は8月に前年比80.21%、9月は83.45%へとさらに上昇しているが、エルドアン大統領は9月28日に「年末までに政策金利を一桁とすべき」と述べ、9月29日には「トルコ中銀に対して利下げの継続を提言した」と述べており、年末にかけてもさらに1%ずつの利下げが継続される可能性が高まっている。
CPIの上昇が収まらず、大手による格下げも続く中にあってもエルドアン政権とトルコ中銀による利下げ政策が続いていることでトルコリラは昨年12月20日付けた当時の史上最安値1ドル18.36リラを超えて最安値更新に入り、18.50リラ台も超えて徐々に19リラ、さらには20リラを目指す可能性も懸念される状況に陥っている。
10月6日は週次の外貨準備高の発表があるが、ネットの外貨準備高は9月23日時点で96.7億ドルとなり前週の120.9億ドルから大幅に減少したため、さらに減少しているようだとトルコ中銀によるリラ防衛のための介入力も大幅低下していると受け止められてリラ売りが勢い付く可能性が懸念される。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、10月3日深夜の下落時に7.77円まで下げたために10月4日午前時点では10月1日早朝高値で戻り一巡となって弱気サイクル入りしたとし、安値形成期を10月3日夜から6日未明にかけての間と想定した。10月5日午前時点では前回ボトムから4日を経過したために7.78円超えからは強気サイクル入りとしたが、5日夜に7.80円まで切り返したために5日午前安値をサイクルボトムとして強気サイクル入りしたと思われる。高値形成期は10月6日早朝から10日朝にかけての間と想定されるのですでに反落注意期にあるが、7.75円を上回るうちは上昇余地ありとし、7.75円割れからは弱気サイクル入りと仮定して10日午前から12日午前にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では10月5日午前安値からの反騰で遅行スパンが好転し、先行スパンを上抜きつつあるため、遅行スパン好転中は高値試し優先とするが、先行スパンから再び転落する場合は下落再開の可能性ありとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先へ切り替える。

60分足の相対力指数は10月5日午前に30ポイントを割り込んでから60ポイント到達まで戻した。その後も50ポイント割れを切り返しているので60ポイント台中盤への上昇余地ありとみるが、45ポイント割れからは下げ再開と仮定して30ポイント前後への低下を伴う下落を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、7.75円を下値支持線、7.80円を上値抵抗線とする。
(2)7.75円以上での推移中は上昇余地ありとし、7.80円超えからは7.83円前後への上昇を想定する。7.83円以上は反落注意とするが、7.78円以上での推移なら7日の日中も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)7.75円割れからは下落再開とみて7.72円前後への下落を想定する。7.72円前後では買いも入りやすいとみるが、下げ足が早まる場合は7.70円前後へ下値目途を引き下げる。また7.75円以下での推移なら7日の日中も安値試しを続けやすいとみる。

【当面の主な予定】

10月6日
 20:30 週次 外貨準備高 9/30時点 グロス (9/23時点 713.4億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 9/30時点 ネット (9/23時点 96.7億ドル)
10月7日
 23:30 9月 財務省現金残 (8月 287億リラ)
10月10日
 16:00 8月 失業率 (7月 10.1%)
10月11日
 16:00 8月 経常収支 (7月 -40.1億ドル)

注:ポイント要約は編集部

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