トルコリラ円レポート月曜版
〇先週のトルコリラ円、安値7.68、高値7.82レベルと予想レンジより狭いもみあい取引に
〇30日にS&Pがトルコの格付けを極端な緩和政策を理由にB+からBに引き下げ
〇本日トルコのCPI発表、前回の80.21%から84.63%と一段の上昇見込み
〇インフレ悪化が続く中、一段の緩和に動く可能性を考えると長期的なトルコリラ安の流れに変化なし
〇今週は7.65レベルをサポートに、7.85レベルをレジスタンスとする週とみる
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、「前週の値幅が円買い介入の影響で大きかったことから前週レンジ内での動きに留まると見られ、7.65レベルをサポートに、7.85レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が7.68レベル、高値が7.82レベルと、予想レンジよりも狭いもみあい取引を続けた一週間となりました。
先週のトルコリラもドルトルコリラは緩やかなドル高・トルコリラ安の鈍い動きの中で、基本的にドル円の上下に合わせてトルコリラ円も上下する動きとなりました。材料としては、29日にエルドアン大統領がトルコ中銀に対して更なる利下げを助言したことと、30日にS&Pがトルコの格付けを極端な緩和政策を理由にB+からBに引き下げました。
どちらも明らかにトルコリラ売り材料ですが、最近はトルコリラの悪材料に反応しにくくなってきていることを考えると、トルコリラ関連の取引自体が見向きされていないというところでしょうか。ただ、本日トルコのCPIが発表予定ですが前回の80.21%から84.63%と一段の上昇が見込まれています。
インフレ悪化が続く中で中銀が一段の緩和に動く可能性があることを考えると長期的なトルコリラ安の流れが変わることは無いと思われます。
トルコにとって好材料と思えるニュースは、ロシアによるウクライナ東部4州併合に対してエルドアン大統領が明確に国際法の重大な違反だと述べたことでしょうか。これまでトルコはNATOに加盟しているにも関わらず、時にロシア寄りの姿勢を見せることもありましたが、ウクライナへのドローン提供も含めロシアによるウクライナ侵攻以降は西側寄りの意見が若干増えてきたというところです。
今週はまずはCPI後の動きを見たいところでしょうが、多少予想からずれたとしても、次回のトルコ中銀会合での追加緩和は確定的に思えますので、ドルトルコリラでは緩やかなトルコリラ安継続、対円ではドル円も改めて介入前の水準へと戻そうという動きが見えていることから先週同様に横方向の動きというところだと思います。
テクニカルには、いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。
材料的なことを考えるとトルコリラも円も弱い流れですから先々週の値幅が大きかった週の半値7.73をもみあいの中心とした横方向の動きが考えられます。ただ、あえてトルコリラと円を比較すると、よりトルコリラに売り材料が多いと考えられますが、先週のレンジ自体が狭かったため、両者ともにやや広げた水準を考えたいところです。
今週は7.65レベルをサポートに、7.85レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
注:ポイント要約は編集部
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