トルコリラ円レポート月曜版
〇トルコリラ円、ドル円に左右される展開が続く、高値圏で前週レンジ内もみ合いに終始
〇対ドル、長期的に緩やかなドル高・リラ安を継続
〇今週は米、日、トルコの順に中銀会合開催予定
〇トルコ中銀、コンセンサスは現状維持13.0%、今週もドル円と同じ動きを続けるか
〇サプライズの利下げ実施の場合、トルコリラ安に触れる可能性も
〇今週は7.65レベルをサポートに、7.92レベルをレジスタンスとする週を見る
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、「引き続きドル円の動きがトルコリラ円の動きを左右すると見られ、7.65レベルをサポートに、上値のターゲットに重なる大台8.00レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が7.71レベル、高値が7.90レベルと、高値圏で前週レンジ内でのもみあいに終始していました。
先週もドルトルコリラはほとんど動きが見られませんでしたが、大きな傾向としては緩やかなドル高・トルコリラ安が続く中で短期的に振れが大きいドル円の動きにトルコリラ円も左右される展開が続きました。火曜の下押しからの上昇は米国CPI前後のドル円の動きそのものですし、それ以降はドル円が3連休を前に動意薄となったことでトルコリラ円も横ばいのままでの週末を迎えました。
そして今週はFOMC、日銀会合をはじめ主要国の金融政策ウィークとなりますが、トルコ中銀会合もあり注目されます。時系列的には日本時間で22日午前3時にFOMC、正午頃に日銀、午後8時にトルコ中銀ですが、FOMCでの0.75%利上げと日銀の現状維持はほぼ確定事項と言って良いでしょう。日銀の場合、会合よりも午後3時半からの黒田丹治ゴン総裁会見に注目が集まり、為替に関しての質問とそれに対する回答によってはドル円に動きが出る可能性があります。
そしてトルコ中銀はコンセンサスでは現状維持の13.0%ですが、前回8月は高いインフレが続いているにも関わらずサプライズの利下げを行いましたので、今回も12.0〜12.5%に利下げする可能性は否定できません。しかし9月に発表されたトルコの8月CPIが80%を超えていたことを考えると、もし利下げに動いたらこれまでのドルトルコリラの緩やかな動きから急速にドル買い・トルコリラ売りで反応する可能性が高そうです。
ただ、日米金融政策の方向性の違いが続く限りドル円も円安の流れが変わることは無いでしょうから、円安に助けられてトルコリラ円についてはそれでも底堅い動きは続きそうです。客観的に考え、トルコリラよりも弱い日本円は異常です。
テクニカルにはいつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。
中段のドルトルコリラは黄緑の矢印で示したように長期的には緩やかなドル高・トルコリラ安を継続しています。米金利上昇+トルコ金利低下の組み合わせにも関わらず、この程度の動きで済んでいる方が不思議ですが、隠れ介入が出ていると見られます。そして上段のトルコリラ円の動きは下段のドル円の動きとほとんど同じで、ラインマーカーで囲った期間を比べても全く同じ動きと言ってよいでしょう。
つまり、トルコ中銀会合でサプライズがあればトルコリラ安に触れる可能性が高いものの、コンセンサス通りに現状維持であれば、ドル円と同じ動きを今週も続けるということになりそうです。そして、そのドル円は週報にも書いた通りですが、基本的に横方向のもみあいとなりやすいため、トルコリラ円も高値圏でのもみあいを継続しやすいと見てよさそうです。
直近2週間のレンジ内での動きと考え、今週は7.65レベルをサポートに、7.92レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
注:ポイント要約は編集部
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