トルコリラ円見通し ドル円と同調して週末の下落から戻すも上値重い(22/9/13)

トルコリラ円の9月12日は7.87円から7.80円の取引レンジ、13日早朝の終値は7.83円で先週末終値の7.81円からは0.02円の円安リラ高だった。

トルコリラ円見通し ドル円と同調して週末の下落から戻すも上値重い(22/9/13)

トルコリラ円見通し ドル円と同調して週末の下落から戻すも上値重い

〇トルコリラ円はドル円と同調した動き、9/12は午後にドル円が143円台へ戻したところで7.87をつける
〇その後ドル円の上値は重く、夜安値7.80まで下げたところは買われるも午後高値を超えずに揉み合い
〇対ドル、ドル安感により9/13早朝にかけてややリラ高となるも、1ドル18リラ台序盤の安値圏での推移
〇7月のトルコ経常赤字は予想よりも拡大、7月失業率は改善
〇7.80を上回るうちは上昇余地ありとし、7.85超えの場合は7.87から7.90にかけてのゾーンを試すとみる
〇7.80割れから続落の場合は9/9夜安値7.76試しとし、底割れからは7.70台序盤への下落を想定する

【概況】

トルコリラ円の9月12日は7.87円から7.80円の取引レンジ、13日早朝の終値は7.83円で先週末終値の7.81円からは0.02円の円安リラ高だった。
ドル/トルコリラは18.20リラから18.25リラの範囲内での安値圏持ち合いを続けているためトルコリラ円はドル円次第の動きとなっており、ドル円が145円に迫った9月7日に7.95円へ上昇したところから9日夜のドル円急落時に7.75円まで失速し、その後はドル円のリバウンドを見ながら推移している。
12日はドル円が午後に143円台へ戻したところで7.87円をつけたもののドル円の上値は重く、トルコリラ円も夜安値で7.80円まで下げたところは買われたものの午後高値を超えずに揉み合いとなっている。

【ドル/トルコリラは1ドル18リラ台序盤の安値圏持ち合い】

ドル/トルコリラの9月12日は18.25リラから18.20リラの取引レンジ、13日早朝の終値は18.22リラで先週末終値の18.23リラからは0.01リラのドル安リラ高だった。
9月12日はトルコの失業率、経常収支の発表があり、経常赤字が予想を上回ったものの失業率が予想より改善したことで市場反応は鈍く、ユーロやポンド等の上昇による全般的なドル安感により夜から13日早朝にかけてはややドル安リラ高となったものの、18.20リラ台序盤では戻り売りにつかまっており、1ドル18リラ台序盤の安値圏にとどまっての推移を続けている。

【7月のトルコ経常赤字は予想よりも拡大】

9月12日16時に発表されたトルコの7月経常赤字は40.1億ドルとなり6月の34.92億ドルから拡大し、市場予想の36億ドルを上回った。
トルコは慢性的な輸入超過により貿易収支は赤字であり、観光収入や投資で埋め合わせているものの概ね構造的な経常赤字が続いている。昨年10月から12月までは3か月連続の経常黒字を実現したもののその後は再び赤字続きとなり今年1月には76.20億ドルの赤字で2013年12月以来の赤字額となった。その後も30億ドル台から60億ドル台での赤字が続いており、エルドアン政権が進める輸出拡大と海外からの観光客収入の拡大による経常収支の改善は実現していない。
トルコ中銀は8月18日に予想外の利下げを強行したが、利下げによる融資環境の改善で輸出を伸ばして貿易収支と経常収支の赤字を改善したいところだが、リラ安が輸入額拡大を招いているために貿易収支の改善は見込めない状況だ。またリラ安抑制のための外貨保有規制や、融資利率規制等により資金循環に戸惑いもでている。

トルコリラ円見通し ドル円と同調して週末の下落から戻すも上値重い

同時に発表された7月のトルコ失業率は10.1%となり6月の10.3%から改善して市場予想の10.6%を下回った。パンデミック発生の影響で2020年7月に14.4%まで悪化したところからは改善傾向にあり、今年4月までは11%を切れていなかったが5月の10.6%へ低下から3か月連続の改善となった。しかしまだ一桁には届かず、若年層の失業率は高いままだ。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、9月6日午前安値をサイクルボトムとした強気サイクル入りとして7日夜から9日夜にかけての間への上昇を想定していたが、8日夜に8日早朝安値を割り込んだために9日午前時点では7日夜高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとし、ボトム形成期を9日午前から13日午前にかけての間と想定した。
9月9日夜からの反騰で7.85円を超えてからは上げ渋っているものの、現状は9月9日夜安値を直近のサイクルボトムとして強気サイクル入りしたところと思われる。トップ形成期は12日夜から14日夜にかけての間と想定されるのですでに反落注意期にあるため、9日夜安値を割り込まないうちは上昇余地ありとするが、7.80円割れを弱気転換注意とし、9日夜安値7.76円割れからは弱気サイクル入りとして14日夜から16日夜にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では、9月12日へのでは先行スパンを突破できずにいる。先行スパン突破からは上昇継続として遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、先行スパンを下回るうちは一段安へ向かいやすいとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は9月9日夜に20ポイント台へ低下してから50ポイント台へいったん戻したものの、60ポイント超えへは進めずにいる。このため60ポイント超えからは上昇継続とするが、40ポイント以下での推移中は下向きとして20ポイント台を再び試す可能性があるとみる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、7.80円を下値支持線、7.85円を上値抵抗線とする。
(2)7.80円を上回るか一時的に割り込んでも切り返すうちは上昇余地ありとし、7.85円超えの場合は7.87円から7.90円にかけてのゾーンを試すとみる。7.88円以上は反落注意とするが、7.80円台を維持しての推移なら14日も高値試しへ向かう可能性があるとみる。
(3)7.80円割れから続落の場合は9月9日夜安値7.76円試しとし、底割れからは7.70円台序盤(7.73円から7.70円)への下落を想定する。7.73円以下は買い戻しも入りやすい水準とみるが、9日夜安値を割り込んだ後も7.78円以下での推移なら14日も安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

9月13日
 16:00 7月 鉱工業生産 前月比 (6月 15.2%)
 16:00 7月 鉱工業生産 前年同月比 (6月 8.50%
 16:00 7月 小売売上高 前月比 (6月 -0.7%)
 16:00 7月 小売売上高 前年同月比 (6月 5.5%)
9月15日
 17:00 8月 財政収支 (7月 -640億リラ)
 20:30 週次 外貨準備高 9/9時点 グロス (9/2時点 723.0億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 9/9時点 ネット (9/2時点 140.8億ドル)
9月20日
 23:30 8月 中央政府債務 (7月 362.1億リラ)
9月22日
 16:00 9月 消費者信頼感指数 (8月 72.2)
 20:00 トルコ中銀 政策金利 (現行 13.0%)
 20:30 週次 外貨準備高 9/16時点



注:ポイント要約は編集部

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