欧州中央銀行(ECB)政策金利に関する記者発表(22/9/9)

2022年9月7日・8日会合分

欧州中央銀行(ECB)政策金利に関する記者発表(22/9/9)

欧州中央銀行(ECB)政策金利に関する記者発表

昨日ECB金融政策会合後に要旨の記者発表がありました。政策金利に関しては事前の予想通り、0.75%の利上げを実施しました。また今後も継続利上げを想定しています。
相場は発表前に1.0020付近で推移していましたが、ラガルドECB総裁が今後の利上げも0.75%である必要はないとして、ユーロは0.9931まで売られましたが、結局パリティ付近まで戻しで引けています。

以下は昨日の金融政策に関する記者発表要旨です。

(記者発表要旨)

本日、運営審議会は3つの主要ECB金利に対し0.75%の引き上げを決定した。この大きな一歩は、インフレをECBの中期2%目標に対し、タイムリーに引き戻すことを確信する水準に向けて、現行の高度な緩和政策水準からの移行を前倒しするものである。現在の査定に基づき、今後数回の会合で、運営審議会は需要を抑制し、絶え間ないインフレ期待の上方シフトのリスクから守るために更なる利上げを予想している。運営審議会は入手する情報や進展するインフレ見通しに照らし、政策の道筋を定期的に再評価していくつもりである。運営審議会の将来に亘る政策金利決定はデータに依存し、会合ごとのアプローチに引き続き従うつもりである。

本日の運営審議会の決定を受け、更なる利上げを予想している。と言うのもインフレはまだ非常に高いままであり、更に長期間、目標を越えて推移するであろう。ユーロスタットの速報によれば、インフレは8月に9.1%まで到達した。エネルギーと食品価格の高騰、経済再開による幾つかの部門での需要圧力、そして供給のボトルネックがインフレを押し上げている。価格圧力は経済全体に強まり広がっている。インフレは短期的に一段と上昇するかもしれない。現在のインフレを駆るものが時間経過と共に消え、金融政策の正常化が経済と価格設定に浸透するに連れて、インフレは下がっていくだろう。この先、ECBのスタッフはインフレ予想を著しく上昇修正しており、そのインフレ予想は2022年に平均8.1%、2023年に5.5%、2024年に2.3%としている。

2022年の上半期の経済反発後、最近の指標はユーロ圏経済成長が相当に減速していることを示し、その後の経済は年後半と2023年第1四半期に停滞すると予想される。非常に高いエネルギー価格は人々の所得の購買力を減じており、供給のボトルネックは緩和してきているけれども、依然として経済活動を制約している。加えて、特にロシアのウクライナに対する不当な侵略の様な、不利な地政学的状況が企業と消費者の信頼感に重く圧し掛かっている。この見通しは、経済成長に関するスタッフの最新予想に反映されており、今年の残り期間、及び2023年を通して大幅に下方修正されている。スタッフは現在、経済が2022年に3.1%、2023年に0.9%、2024年に1.9%になると予想している。(注:6月時スタッフ予想:GDPは2022年2.8%、2023年2.1%、2024年2.1%)

パンデミックにより引き起こされた継続的な脆弱性は、金融政策の円滑な伝達にリスクをもたらしている。それ故に、運営審議会はPEPP(パンデミック緊急債券購入プログラム)下で、満期に償還されるものを再投資できるように、柔軟性維持ができることを適用している。これはパンデミック関連して伝達メカニズムに対するリスクと対抗するためのものである。

(ECBの主要金利)

運営審議会は3つの主要ECB金利を75ベーシス上げた。従って、政策金利(主要リファイナンスオペの金利)、限界貸付金利、中銀への預金金利はそれぞれ1.25%、1.50%、0.75%である。2022年9月14日から有効となる。

預金金利レートをゼロ以上に引き上げられたことで、超過準備金の報酬に対する2層制度は不要になった。運営審議会は今日、乗数をゼロにセットすることで、2層システムを停止することを決定した。

(PERRとリファイナンス業務の項目は略)


(以上)


(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。

下図はユーロドルの週足チャートです。昨日の金融政策予想時に添付した日足チャートは結局下限0.9850と上限1.0100のどちらにタッチできずにこのレンジ内で小動きになりました。まだ上記は有効です。
さて、週足ですが、2月7日週高値からの抵抗線A(=1.0210)とそこから平行に下したB(=0.9630)でユーロ安トレンドラインを形成しています。このレンジ内の上値抵抗線は日足の1.0100があります。下値は日足よりもやや高いですがC(=0.9875)があります。当面はこのユーロ安の流れの中でこの0.9850〜0.9875ゾーンが守られるか否かとなります。切れれば、B方向トライに入れます。万一、Aを越えた場合は、昨年5月24日週高値からの抵抗線D(=1.0920)が控えています。

欧州中央銀行(ECB)政策金利に関する記者発表

(2022年9月9日9:00、1ユーロ=1.0012ドル)

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