ドル高基調は継続か、ECB利上げ幅など注目
〇本日のドル円、144円半ばまで一時上値を伸ばすも軟落し143円半ばまで1円強の下げを記録
〇プーチン大統領「モンゴルを経由して中国に天然ガスを供給する」考えを明らかにする
〇昨日ドルが上げ止まった145円を超えれば、1998年高値147.64を目指したドル続伸の可能性も
〇本日はECBの政策金利発表、「0.75%」という大幅利上げ観測も
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは143.00-144.60
<< 東京市場の動き >>
8日の東京市場はドルが小安い。ドル高の基調そのものは変わらないが、調整と思しき動きにやや押されている。
ドル/円は143.70円レベルで寄り付いたのち、当初はドル高優勢。144円半ばまで一時上値を伸ばしている。しかし、前日高値にとどかず軟落すると、一転してドル売り・円買いが目に付く展開に。寄り付きを下回る143円半ばまで1円強の下げを記録し、16時現在でもドルは安値圏、143.70-75円で推移し欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「円安けん制発言」について。
前者は、ロシアが実効支配を行うウクライナのザポロジエ原発に関して気になるニュースが相次ぐ。たとえば、IAEAが直接的な影響はないとしつつも、「砲撃受けザポロジエ原発の予備送電線が損傷した」と発表するなか、ウクライナ副首相は原発周辺住民に安全確保のための避難を呼びかけていたようだ。依然として予断を許さず、続報などに要注意。一方、それとは別に欧州向け天然ガス供給を停止するなか、プーチン大統領は「モンゴルを経由して中国に天然ガスを供給する」考えを明らかにした。中国も巻き込み、欧州vsロシアの対立がさらに強まる可能性もある。
対して後者は、米財務省報道官が、イエレン財務長官は7月の訪日時から為替のスタンスは変わっていないと述べ、依然として為替介入には慎重なスタンスであることを示唆。そうしたなか、日経新聞では「政府、口先介入エスカレートも打開策見えず」などと半ばあきらめムードを報じていた。確かに日米協調の円買い介入などは期待しにくいものの、本日夕方になり「財務省・日銀・金融庁3者会合が開催される」と伝えられたことが、若干の警戒感を醸し円の買い戻しを後押ししていたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル高・円安は止まらず、昨日ついに144.99円まで達してきた。今週のドル安値は週明け5日の140.07円で、すでに5円近い上昇をたどっている計算になる。リスクは間違いなくドル高方向で、中期ターゲットと目された1998年高値の147.64円も、気が付いたらそれほど遠くはない。ポジションの偏りからすれば、当然調整の動きにも要注意だが、さらなるドルの下押しもなく、一気呵成に147円方向へドル高が進む展開にも一応注意しておきたい。
各国の金利情勢に対する関心が高いなか、材料的には一部から「0.75%」という大幅利上げ観測も取り沙汰されているECBの政策金利発表にまずは注目だ。ただ、日米などの金利差は基本的に今後さらに広がることが予想されるだけでなく、前述したように米国が円買い介入に消極的とあっては現在のドル高基調が簡単に転換すると思われない。調整などから一時的なドル安進行があっても、そこは絶好の仕込み場か。ドルは底堅く推移する公算が大きい。
テクニカルに見た場合、如何せんドル高進行のスピードが速い。実際、ドル/円は週明けからだけで5円、一連の起点を8月2日130.40円と考えれば、わずか1ヵ月強で14円超ものドル高・円安が進行している。足もとはドル高も一服、やや小康状態をたどっている感があるものの、これが果たして一時的な動きなのか否かをしっかりと見極めたい。昨日ドルが上げ止まった145円を超えていければ、そのまま147.64円を目指したドル続伸をたどる可能性も否定できない。
本日は米経済指標として、週間ベースの新規失業保険申請件数などが発表されるほか、パウエルFRB議長による講演も実施される見通しだ。また、それとは別に欧州ファクターとして、ECBの政策金利発表が行われ、一部では「0.75%」という大幅利上げ観測も取り沙汰されている。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは143.00-144.60円。ドル高・円安方向は東京高値の144.55円レベルが最初の抵抗。抜ければ、昨日超えられなかった145円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、同じく東京安値の143.45円レベルの攻防にまずは注目。割り込めば昨日安値142.75円を目指す展開か。底堅いイメージもなくはないが、しっかり下げ始めたら下げ足も早そうだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
南アランド円週報:『約1カ月ぶり安値を更新するなど上値の重い展開が継続中』(11/23朝)
南アランドの対円相場は、11/7に記録した約4ヵ月ぶり高値8.86円をトップに反落に転じると、今週前半にかけて、一時8.44円まで下落しました。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
トルコリラ円週報:『トルコ中銀は政策金利の据え置きを決定。一巡後の反発に期待』(11/23朝)
トルコリラの対円相場は、9/16に記録した史上最安値4.10円をボトムに切り返すと、11/15にかけて、約3カ月半ぶり高値4.56円(8/1以来の高値圏)まで上昇しました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2022.09.09
ドル円、三者会合への警戒感から一時急落するもすぐに持ち直す底堅い展開(9/9朝)
8日(木)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。