ドル高基調は継続か、ECB利上げ幅など注目(9/8夕)

8日の東京市場はドルが小安い。ドル高の基調そのものは変わらないが、調整と思しき動きにやや押されている。

ドル高基調は継続か、ECB利上げ幅など注目(9/8夕)

ドル高基調は継続か、ECB利上げ幅など注目

〇本日のドル円、144円半ばまで一時上値を伸ばすも軟落し143円半ばまで1円強の下げを記録
〇プーチン大統領「モンゴルを経由して中国に天然ガスを供給する」考えを明らかにする
〇昨日ドルが上げ止まった145円を超えれば、1998年高値147.64を目指したドル続伸の可能性も
〇本日はECBの政策金利発表、「0.75%」という大幅利上げ観測も
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは143.00-144.60

<< 東京市場の動き >>

8日の東京市場はドルが小安い。ドル高の基調そのものは変わらないが、調整と思しき動きにやや押されている。

ドル/円は143.70円レベルで寄り付いたのち、当初はドル高優勢。144円半ばまで一時上値を伸ばしている。しかし、前日高値にとどかず軟落すると、一転してドル売り・円買いが目に付く展開に。寄り付きを下回る143円半ばまで1円強の下げを記録し、16時現在でもドルは安値圏、143.70-75円で推移し欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「円安けん制発言」について。
前者は、ロシアが実効支配を行うウクライナのザポロジエ原発に関して気になるニュースが相次ぐ。たとえば、IAEAが直接的な影響はないとしつつも、「砲撃受けザポロジエ原発の予備送電線が損傷した」と発表するなか、ウクライナ副首相は原発周辺住民に安全確保のための避難を呼びかけていたようだ。依然として予断を許さず、続報などに要注意。一方、それとは別に欧州向け天然ガス供給を停止するなか、プーチン大統領は「モンゴルを経由して中国に天然ガスを供給する」考えを明らかにした。中国も巻き込み、欧州vsロシアの対立がさらに強まる可能性もある。

対して後者は、米財務省報道官が、イエレン財務長官は7月の訪日時から為替のスタンスは変わっていないと述べ、依然として為替介入には慎重なスタンスであることを示唆。そうしたなか、日経新聞では「政府、口先介入エスカレートも打開策見えず」などと半ばあきらめムードを報じていた。確かに日米協調の円買い介入などは期待しにくいものの、本日夕方になり「財務省・日銀・金融庁3者会合が開催される」と伝えられたことが、若干の警戒感を醸し円の買い戻しを後押ししていたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル高・円安は止まらず、昨日ついに144.99円まで達してきた。今週のドル安値は週明け5日の140.07円で、すでに5円近い上昇をたどっている計算になる。リスクは間違いなくドル高方向で、中期ターゲットと目された1998年高値の147.64円も、気が付いたらそれほど遠くはない。ポジションの偏りからすれば、当然調整の動きにも要注意だが、さらなるドルの下押しもなく、一気呵成に147円方向へドル高が進む展開にも一応注意しておきたい。
各国の金利情勢に対する関心が高いなか、材料的には一部から「0.75%」という大幅利上げ観測も取り沙汰されているECBの政策金利発表にまずは注目だ。ただ、日米などの金利差は基本的に今後さらに広がることが予想されるだけでなく、前述したように米国が円買い介入に消極的とあっては現在のドル高基調が簡単に転換すると思われない。調整などから一時的なドル安進行があっても、そこは絶好の仕込み場か。ドルは底堅く推移する公算が大きい。

テクニカルに見た場合、如何せんドル高進行のスピードが速い。実際、ドル/円は週明けからだけで5円、一連の起点を8月2日130.40円と考えれば、わずか1ヵ月強で14円超ものドル高・円安が進行している。足もとはドル高も一服、やや小康状態をたどっている感があるものの、これが果たして一時的な動きなのか否かをしっかりと見極めたい。昨日ドルが上げ止まった145円を超えていければ、そのまま147.64円を目指したドル続伸をたどる可能性も否定できない。

本日は米経済指標として、週間ベースの新規失業保険申請件数などが発表されるほか、パウエルFRB議長による講演も実施される見通しだ。また、それとは別に欧州ファクターとして、ECBの政策金利発表が行われ、一部では「0.75%」という大幅利上げ観測も取り沙汰されている。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは143.00-144.60円。ドル高・円安方向は東京高値の144.55円レベルが最初の抵抗。抜ければ、昨日超えられなかった145円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、同じく東京安値の143.45円レベルの攻防にまずは注目。割り込めば昨日安値142.75円を目指す展開か。底堅いイメージもなくはないが、しっかり下げ始めたら下げ足も早そうだ。

ドル高基調は継続か、ECB利上げ幅など注目

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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