米FRB地区連銀経済報告(ベージュブック)
昨日(7日)、FRBからベージュブックが公表されました。以下はその内容となっています。地区連銀は12地区で構成されており、報告内容期間は2022年8月29日以前までとなっています。経済活動は前回とあまり変わらず、物価はやや緩やかになった部門もあるが、まだ高いままとしています。一方雇用はタイトなままだが、賃金の伸びは緩やかになってきていると指摘しています。ドル円相場は144円15銭付近から40銭程度売られただけに留まりました。
全般的な経済活動
経済活動は7月初旬以降、全般的に変わらなかった。5地区が幾分緩やかな伸びになったとし、他の5地区はやや軟化していると報告した。ほとんどの地区では、自由裁量で買う商品から食料や必需品にシフトさせたことで、堅調な消費支出を報告している。自動車販売はほとんどの地区で鈍いままである。これは在庫が限定され、価格上昇の影響を反映している。接待や観光業の聞き取りでは、ビジネスやグループ旅行の増加報告もあり、全般的に堅調なレジャー旅行活動であったと強調している。製造業活動は幾つかの地区で伸びた。ただ供給チェーンの混乱や労働不足が生産を妨げたことから生産減少の報告も幾つかあった。強いリース活動の報告があるにも関わらず、居住用不動産の状況は著しく弱くなった。これは12地区全てで住宅販売が下がり、居住用住宅建設が仕入れ不足に強いられたままであったことによる。
商業用不動産活動、とりわけオフィススペースの需要は軟化した。ローン需要はまちまちであり。金融機関の報告ではクレジットカード、商業・産業ローンの需要が全般的に強い一方で、居住用ローンの需要は上昇する不動産金利で弱くなった。非金融サービス会社はやや需要高めで安定的に推移している。輸送サービスの需要はまちまちで、報告地区間での農業状況は様々だと報告されている。エネルギー製品の需要は確りとしているが、生産は重要な構成要素に対し供給チェーンのボトルネックにより依然として制約されている。将来の経済成長に対する見通しは全般的に弱いままであり、聞き取りでは今後6〜12ヶ月の需要が更に軟化する見通しを指摘している。
労働市場
雇用は緩やかなペースから控えめなペースで上昇した。ほぼ全ての地区で労働の利用可能性が…とりわけ製造業・建設業・あるいは金融サービス間で、幾分改善あると強調されているけれども、全般的な労働市場は依然としてタイトである。更に、雇用主は全般的に労働者の定着率が改善したと指摘している。賃金は全ての地区で伸びている。ただ、上昇ペースがより緩やかになり、緩やかな給与期待が広がっていると報告している。幾つかの地区の雇用主は、より高くなった生計費を相殺するために、中間にかつ通常の給与計算スケジュール外での支給処理をしたと報告している。多くはボーナス、柔軟な勤務契約、包括的な給付が労働者を引き付け、維持するために必要であると考えている。先をみれば、雇用主は労働者に対して、年末の昇給を用意する計画だったが、賃金上昇のペースに対する期待が産業や地区により様々である。
物価
物価水準は引き続き一段と上昇したままである。しかし、9つの地区で上昇率である程度の緩やかさがあったと報告している。実質的な物価上昇は全ての地区で報告され、とりわけ、食品、家賃、電力・ガス、接待サービス部門である。製造業や建設業の仕入れコストは依然として上昇している。燃料価格の低下や全般的な需要の冷え込みによりコスト圧力…とりわけ貨物輸送料…を緩和している。幾つかの地区で、鋼材・木材・銅の価格が先細りしていると報告された。多くの聞き取りでは、物価圧力が少なくとも年末まで持続すると予想されている。
(各地区のハイライトは略)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
(上記出所:FRB HP)
(2022年9月8日13:50、1ドル=143円98銭)
オーダー/ポジション状況
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