ユーロ圏8月消費者物価指数(HICP)速報値の予想
(2022年8月31日9時現在予想)
本日、ユーロ圏の消費者物価指数が発表されます。前回7月は全体・コア共に予想を上回りました。今回8月もインフレ高進予想になっています。まだユーロ圏はインフレ沈静化の兆しが見えない状況です。30日に先行して発表されたドイツ消費者物価指数は予想をやや上回る年率7.9%(予想7.8%)で7月の7.5%より上昇しています。今日先行して発表されるフランスは年率6.1%予想(7月6.1%)と前月と同じですが、もし予想通りの結果ならHICPも前月よりやや高くなりそうです。米国は年前半のインフレ高値よりはやや沈静化の兆しはあるものの、高止まりし、欧州は軟化の兆しがないので、欧米共に利上げ継続姿勢は続くと見られます。
ECBは9月8日に金融政策の発表を控えているので、来月初からECB各委員の利上げ幅の発言がでてくると思います。
ユーロ圏消費者物価指数(HICP)前年同月比ベース推移
(黒い線より右側は今回の予想値、赤はECBの2022年予想6.8%、緑はECBインフレ目標値上限2%)
上図をみると、まだ右肩上がりの状況は一向に変わっていません。ECBの7月会合では市場予想中央値であった0.25%利上げに対して0.5%利上げを実施しており、今回も0.25%か0.50%かの議論になりそうです。また9月の会合ではHICP見通しの改定値がでますので、修正が上方になるか下方になるか注目されます。
下図はユーロドルの月足チャートです。今日その8月足ができます。このままですと3連続陰線になり、ユーロはまだ弱いままです。
さて、2008年7月高値(1.6040)から下した抵抗線Aを2020年8月に上抜け、ユーロ高トレンドになるかを試しました。
しかしながら2008年からの各底値を結んだB(=0.8300)とそこから平行に上げたC(=1.2000)の抵抗線で見事に高値(2021年1月と5月)を付け、結局BとCのユーロ安トレンドがまだ長期の流れを形成していることになっています。この間、2016年12月底値(1.0352)からのサポートD(=1.0900)も下抜けており、ユーロ下落の再確認をしています。一方、2021年6月高値からの抵抗線E(=1.0930)に沿って急激にユーロが下落し、丁度Dと交差することになります。下値は同じく2021年6月底値からの各底値を結んだF(=0.9820)があります。7月底値が0.9952でラインに当たっており、1ヶ月で130ピップス下落しています。9月の底値目途が0.9690になります。
また、ここにはラインを入れていませんが、2015年3月、2016年12月の底値を結んだラインが8月に1.0050〜60にあり、目先の抵抗線になっています。今日の終値でこれを越えて終われば、パリティも守り、ユーロ安からの調整入りになる可能性も残せます。その場合、次はDの起点1.0350が上値ポイントになりそうです。逆に今日パリティを割れて終われば、流れはF方向になります。
(8月31日10:30 1ユーロ=1.0030ドル)
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