トルコリラ円見通し ドル円の反発に支えられるもドル高リラ安進行で上値重い(22/8/25)

トルコリラ円の8月24日は7.56円から7.51円の取引レンジ、25日早朝の終値は7.55円で前日と変わらずだった。

トルコリラ円見通し ドル円の反発に支えられるもドル高リラ安進行で上値重い(22/8/25)

ドル円の反発に支えられるもドル高リラ安進行で上値重い

〇トルコリラ円、ドル円の持ち直しを反映し、24日夕刻反落するも7.51にとどまり安値更新回避
〇ドル/トルコリラにおけるドル高リラ安による圧迫感で7.55以上では抵抗感あり
〇対ドルでは18.16をつけ昨年12/23以降の安値更新、前日に続き終値ベースで史上最安値更新
〇31日に4-6月期トルコGDP、9/5には8月消費者物価上昇率発表、次回MPCは9/22開催
〇7.53以上での推移中は上昇余地あり、7.56超えからは7.60手前を試す可能性があるとみる
〇7.53割れからは下向き、23日夜安値7.50割れからは7.40台中盤への下落を想定

【概況】

トルコリラ円の8月24日は7.56円から7.51円の取引レンジ、25日早朝の終値は7.55円で前日と変わらずだった。
8月18日のトルコ中銀による利下げを通過した後はドル円の流れに沿った動きとなり、ドル円が8月23日夜に米経済指標が軒並み悪化したことをきっかけに137円台中盤だったところから135.80円まで急落して再び持ち直しに入る中、トルコリラ円は8月23日朝高値7.62円から23日夜の円高局面で7.50円へ失速し、その後はドル円の持ち直しを反映して24日夕刻の反落時も7.51円にとどまり安値更新を回避したが、ドル円の戻りも勢いはまだ鈍く、ドル/トルコリラにおけるドル高リラ安による圧迫感もあって7.55円以上では抵抗感が出ている印象だ。

【ドルトルコリラは1ドル18リラ台序盤でジリ安、終値ベースの最安値更新】

ドル/トルコリラの8月24日は18.16リラから18.10リラの取引レンジ、25日早朝の終値は18.14リラで前日終値の18.10リラからは0.04リラのドル高リラ安となった。
8月18日のトルコ中銀による予想外の利下げからリラ売りが進行して1ドル18リラの壁を超えたが、その後も1ドル18リラ台序盤の安値圏にとどまり、8月22日にエルドアン大統領が「トルコ中銀は利上げを実施する必要はない」と改めて利下げ政策の継続を主張したことで1ドル18.15リラへ安値を更新、23日終値は8月18日終値の18.09リラを超えて終値ベースでの史上最安値を更新していた。
8月24日もリラ安基調は続き1ドル18.16リラをつけて昨年12月23日以降の安値を更新、前日に続いて終値ベースでも史上最安値を更新した。

【利下げショックを解消できず、史上最安値を目指す流れ続く】

トルコ中銀は8月18日に政策金利の週間レポレートをそれまでの14%から13%へと利下げした。高インフレが続く中でエルドアン大統領が利下げ政策の継続を主張している状況にあってトルコ中銀は通貨防衛のための利上げも大統領の意に沿った利下げもできずに現状維持を続けるだろうと衆目の予想は一致していたのだが、大統領の強引な利下げ要求に屈する形でトルコ中銀は利下げに踏み切った。
昨年9月から12月までの4会合連続となる利下げで政策金利を19%から14%へ引き下げてきた後は今年1月から7月まで7会合連続の現状維持だった。今回は1%の利下げであり、トルコの高金利状態を踏まえれば小幅な利下げなのだが、8月22日のエルドアン大統領による利下げ政策継続発言を受けて9月会合での追加利下げの可能性も浮上している。

次回のトルコ中銀金融政策員会(MPC)は9月22日でありまだ暫く間があるところだが、8月31日には4-6月期のトルコGDP、9月5日には8月消費者物価上昇率の発表があり、それらを見ながらリラ安水準を試してゆく流れと思われる。
トルコの4-6月期GDPに対する市場の事前予想はプラス7.5%であり、1-3月期のプラス7.3%を上回る見込みとなっている。パンデミックショックを解消しての景気回復としてはG20の中にあって最も成長率の高い結果は残している。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、8月18日夜安値をサイクルボトムとした強気サイクル入りとして8月22日夜から24日夜にかけての間への上昇を想定してきたが、8月23日夜に7.50円まで急落してから7.55円超えへ反騰したために8月23日午前時点では8月23日夜安値で直近のサイクルボトムを付けて新たな強気サイクル入りしたところとして8月26日未明から30日早朝にかけての間への上昇を想定した。
8月24日夕刻への下落では23日夜安値割れを回避しているのでまだ上昇余地ありとするが、7.55円以上では上値が重いために下げ再開に入りやすいところとし、23日夜安値割れからは弱気サイクル入りとして26日夜から30日夜にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では、8月23日夜安値から戻したものの24日夕刻に反落してから戻り高値切り上げへ進めずに先行スパンが上値抵抗帯となっている。先行スパンを上抜くところからは23日夜からの反騰継続とみて遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、先行スパンを下回るうちは下向きとして遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は8月25日早朝に50ポイント台へ戻したものの25日午前序盤には50ポイントを割り込んでいるので戻り一巡の可能性がある。55ポイント超えからは上昇再開とみるが、50ポイント以下での推移中は下向きとし、45ポイント割れからは30ポイント前後への低下を伴う下落を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、7.50円を下値支持線、7.56円を上値抵抗線とする。
(2)7.53円以上での推移中は上昇余地ありとし、7.56円超えからは7.60円手前を試す可能性があるとみるが、7.59円以上は反落警戒とする。
(3)7.53円割れからは下向きとし、23日夜安値7.50円割れからは7.40円台中盤(7.47円から7.43円)への下落を想定する。7.45円以下は買い戻しも入りやすいとみるが、7.50円を割り込んだ後も7.52円以下での推移なら26日も安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

8月25日
 16:00 8月 製造業景況観指数 (7月 103.7)
 16:00 8月 設備稼働率 (7月 78.6%)
 20:30 週次 外貨準備高 8/19時点 グロス (8/12時点 725.6億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 8/19時点 ネット (8/12時点 156.8億ドル)
8月29日
 16:00 8月 経済信頼感指数 (7月 93.4)
 16:00 7月 貿易収支 (6月 -81.7億ドル)
8月31日
 16:00 4-6月 GDP 前期比 (1-3月 1.2%)
 16:00 4-6月 GDP 前年同期比 (1-3月 7.3%、予想 7.5%)

注:ポイント要約は編集部

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