トルコリラ円レポート月曜版
〇先週のトルコリラ円、安値が7.35レベル、高値が7.55レベルと、予想よりも狭い値幅に
〇トルコ中銀のサプライズ利下げがあったにもかかわらず安定した動きの一週間
〇中銀の利下げを受けドルトルコリラは18.0の大台を突破、トルコリラ円も7.39レベルまで下げる
〇その後は円安スピードがトルコリラ安よりも速く、週末にかけて高値引けに
〇今週は7.40レベルをサポートに7.65レベルをレジスタンスとする流れとみる
まず、先週の振り返りですが、「(3週前)安値7.25レベルをサポートに(2週前)高値7.55レベルをレジスタンスとする流れ」の週を見ていました。実際のレンジは、安値が7.35レベル、高値が7.55レベルと、予想よりも狭い値幅の中で、しかもトルコ中銀のサプライズ利下げがあったにもかかわらず安定した動きの一週間となりました。
先週のトルコリラは、週初からじり高の動きとなりドルトルコリラがこれまで同様に18.0の大台手前で膠着状態を続ける中、ドル円での円安の動きがトルコリラ円の買いの動きとなっていました。そして木曜にはトルコ中銀の会合があり、コンセンサスは現状維持でしたが、トルコ中銀は昨年12月以来の利下げに動き、14%から13%へと1%の利下げを行いました。
この決定を受けてドルトルコリラは18.0の大台を突破、トルコリラ円も一時7.39レベルまで下げたものの週初の安値トライも無く、その後は週末にかけて高値引けというある意味不思議な値動きでの引けとなりました。ドルトルコリラは18の大台を超え弱い地合いのままで引けていますから、円安スピードがトルコリラ安よりも速かったということも出来るでしょう。
トルコ中銀は今回の利下げについて、経済活動のモメンタムが低下と景気が減速していることを理由としていますが、他の主要国では景気が減速していてもインフレを抑えることを最優先にしていますし。8月3日に発表されたトルコのCPIは79.6%と驚異的なインフレ率を示していました。その中での利下げですから、今後少なくともドルトルコリラは昨年12月につけた18.257を上抜けし史上最安値をつけることは確定路線と言えるでしょう。
またトルコは欧米とは一線を画してNATO軍ではあるものの対ロ制裁には参加していませんが、最近ではロシア向けトランジット貿易(トルコ経由でのロシアとの貿易)の計画をしていて、実際にロシア〜トルコ〜中央アジア〜中国というルートは調整が頻繁に行われていると報じられています。また欧州企業の一部もトルコ経由での対ロ貿易を続けているようでトルコ国内にはロシア向けの輸送物が大量にあるとのことです。
このあたりの動きに対して米国は懸念を示していますし、経済的にも高インフレ下での利下げという動きに出たため、今後トルコリラの売りは着実に進んでいくことになるのではないかと考えられます。
テクニカルにはいつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)を見てみましょう。
中段のドルトルコリラはこれまでの膠着を上抜け対ドルでの史上最安値18.257(ピンクの水平線)を目指していくこととなりますが、下段のドル円の動きが大きく現状ではトルコリラよりもドル円の動きとほぼ同様の動きです。トルコリラ円もそうなると4週前の高値7.66レベル(青の水平線)を目指し、青い平行線で示した上昇チャンネルの中での推移となってきそうです。
今週は上記の上昇チャンネルをベースに7.40レベルをサポートに7.65レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。
注:ポイント要約は編集部
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