依然ドルに続伸期待、135円半ばの攻防注視
〇本日のドル円、終盤にかけ上げ足早め日中高値135.35-40へ、16時現在も高値圏で推移
〇ボウマンFRB理事「雇用者数の伸びは力強く失業率は低い」と米雇用情勢への強い期待感表明
〇過去2週間程度推移しているボックス圏の上限135.58が強い抵抗、本日も超えられず
〇本日は8月フィラデルフィア連銀景況指数や週間新規失業保険申請件数などの米経済指標が発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは134.60-135.90
<< 東京市場の動き >>
18日の東京市場はドルが強保ち合い。ただ、前日そして本日も135円半ばを超えられず、ドルに若干の荷もたれ感も。
ドル/円は135円前後で寄り付いたのち、当初はドルが冴えない。134.75円レベルへと小緩む局面も観測されている。しかし、底入れしたのちは一転して上値を試す展開。とくに終盤に掛けては上げ足を早めると、日中高値の135.35-40円へ。そしてそのまま、16時現在でもドルは高値圏で推移し、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「米金融政策」と「中国情勢」について。
前者は、昨日のNY時間終盤に発表された7月の米FOMC議事録要旨が相場の波乱要因に。「当局者は継続的な利上げが適切と判断」と全体的には強気の見通しが示されるなか、「ある時点において利上げペースを減速させることが適切となる可能性が高いと判断した」などとした記述が含まれていたことが嫌気されドル売りが一時進行している。なお、そうしたなかボウマンFRB理事は「雇用者数の伸びは力強く、失業率は低い」などと発言。米金融政策への言及はなかったものの、米雇用情勢への強い期待感を表明していたようだ。
対して後者は、秋葉国家安全保障局長が、中国天津を訪問。そのうえで、中国外交担当トップの楊共産党政治局員と実に7時間にも及ぶ会談を行っている。建設的かつ安定的な関係構築を目指すことを目的に対話の継続で一致したものの、台湾情勢などをめぐっては議論も平行線。中国外務省の発表によると、楊氏は秋葉局長に「台湾は中国の不可分の領土だ」と強い口調で指摘したという。なお、それとは別に米国と台湾は、新たなイニシアチブの下で貿易協議開始することに合意したことを明らかにしていた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は再びドル高方向への展望がやや広がった感があるものの、過去2週間程度推移しているボックス圏の上限(135.58円)が強い抵抗に。昨日に続き本日東京時間にも同レベルに接近したが、結局超えられなかった。このあとも、ドル高方向にややバイアスがかかるなか、まずは135円半ばをめぐる攻防に注目。しっかり超えれば、高値139.39円を起点としたフィボナッチを参考にした136円前後が上値メドとして意識されそうだ。
市場の関心の根本的な部分は各国金利情勢。実際、昨日東京時間のNZ利上げに続き、欧米時間には前述した米FOMC議事録要旨をめぐり、やや荒っぽい変動をたどっている。本日も引き続き発表される米経済指標や米通貨当局者の発言などには要注意。一方、それとは別に台湾をめぐる中国情勢と、昨日巡航ミサイルを発射した北朝鮮情勢。「アジアの地政学リスク」も波乱要因といえるかもしれない。
テクニカルに見た場合、レンジ上限の135円半ばを抜けられず、ドル/円は大局的にはいまだレンジ取引。ただ、足もとでも推移している135円前半から半ばを超えていく、と期待する向きも少なくないようだ。まだ「しっかり超えた」というには微妙だが、それでも移動平均の21日線をNYクローズでも超えてきたことなどが、強気派にとっては力強い援軍か。135.58円を上抜ければ、フィボナッチポイントにあたる136円前後などがターゲットに。
本日は米経済指標として、8月のフィラデルフィア連銀景況指数や週間ベースの新規失業保険申請件数などが発表されるほか、カンザスシティ連銀総裁による講演といった発言機会も本日は予定されている。相場の波乱要因となる可能性も。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは134.60-135.90円。ドル高・円安方向は昨日高値を含む135.58円が最初の上値メド。上抜ければ8月初めての136円台も。
対するドル安・円高方向は、ここ数日ドルの下値が少しずつ切り上がっており、まずは本日東京安値にあたる134.70-75円の攻防に注目。近いレベルに21日線も位置しており、しっかり割り込めばなかなかの深押しが入る可能性もある。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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