ドル円、良好な米経済指標とタカ派な米当局者発言で節目136円手前まで続伸(8/19朝)

18日(木)のドル円相場は堅調な値動き。

ドル円、良好な米経済指標とタカ派な米当局者発言で節目136円手前まで続伸(8/19朝)

ドル円、良好な米経済指標とタカ派な米当局者発言で節目136円手前まで続伸

〇ドル円、米長期金利低下に米国時間朝方134.65まで下落するも反発
〇フィラデルフィア連銀製造業指数等の良好な結果、FRB関係者のタカ派発言に135.91まで急伸
〇ユーロドル、上記結果からの米長期金利上昇に1.0100割れ、安値1.0080まで下落
〇ドル円、8/8の戻り高値135.59を上方ブレイク、主要テクニカルポイントも上抜け地合い好転
〇7/14の約23年10ヵ月ぶり高値139.40も再度射程圏に
〇本日の予想レンジ:135.25ー136.75

海外時間のレビュー

18日(木)のドル円相場は堅調な値動き。@米金利低下に伴うドル売り圧力や、A上値の重さを嫌気した短期筋の見切り売り(135円割れに伴うロスカット)が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値134.65まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、B米8月フィラデルフィア連銀製造業景況指数(結果+6.2、予想▲5.0、前回▲12.3)の力強い結果や、C米新規失業保険申請件数(結果25.0万件、予想26.5万件、前回25.2万件)の良好な結果、D米7月景気先行指数(結果▲0.4%、予想▲0.5%、前回▲0.7%)の市場予想を上回る結果、Eサンフランシスコ連銀デーリー総裁による「9月FOMCは50bpか75bpの利上げが妥当」「インフレへの勝利宣言をするには時期尚早」とのタカ派的な発言、

Fセントルイス連銀ブラード総裁による「9月会合での75bp利上げを支持したい」とのタカ派的な発言、Gカンザスシティ連銀ジョージ総裁による「7月のインフレ鈍化は朗報としつつも、基調的な問題の解決を示す証拠ではない」とのタカ派的な発言、Hミネアポリス連銀カシュカリ総裁による「至急インフレを低下させる必要がある」とのタカ派的な発言、I上記EFGHを背景とした米長期金利の反転上昇、J直近高値突破(8/8高値135.59の上方ブレイク)に伴う仕掛け的なドル買い・円売りが支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値135.91(7/28以来の高値圏)まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間8/19午前5時30分現在)では、135.89前後で推移しております。

18日(木)のユーロドル相場は軟調推移。アジア時間朝方にかけて、高値1.0193まで上値を伸ばすも、前日高値1.0203をバックに伸び悩むと、@米経済指標の良好な結果(米8月フィラデルフィア連銀製造業景況指数、米新規失業保険申請件数、米7月景気先行指数)や、A米当局者による相次ぐタカ派発言(サンフランシスコ連銀デーリー総裁、セントルイス連銀ブラード総裁、カンザスシティ連銀ジョージ総裁、ミネアポリス連銀カシュカリ総裁)、B米金利上昇に伴うドル買い圧力、C欧州経済の先行き不透明感(欧州圏の猛暑長期化→水位低下に伴う物流混乱→エネルギー危機発生への警戒感→ユーロ圏でのインフレ昂進懸念)、DシュナーベルECB専務理事による「ユーロ圏のインフレ見通しが改善していないことから来月のECB理事会での大幅利上げを支持する」とのタカ派的な発言(スタグフレーション懸念が燻る中での大幅利上げは欧州経済の逆風との連想→欧州株下落→ユーロ下落)、

E心理的節目1.0100を維持できなかったことに伴う短期筋の失望売りが重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.0080(7/18以来の安値圏)まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間8/19午前5時30分現在)では、1.0090前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は、8/11に記録した安値131.73をボトムに反発に転じると、昨日は一時135.91まで急伸しました。8/8に記録した戻り高値135.59を上方ブレイクした他、一目均衡表転換線や基準線、ボリンジャーミッドバンドや一目均衡表雲上限といった主要レジスタンスポイントも軒並み上抜けするなど、テクニカル的に見て、地合いの好転を印象付けるチャート形状となりつつあります(7/14に記録した約23年10ヵ月ぶり高値139.40が射程圏内)。ファンダメンタルズ的に見ても、@米FRBによるタカ派傾斜観測(米当局者によるタカ派発言が相次ぐ結果)や、A日銀による金融緩和の長期化方針、B上記@Aを背景とした日米金融政策格差、

C米政府・米当局によるドル高容認スタンス、D米経済指標の良好な結果(リセッション懸念後退)など、ドル円相場の続伸を連想させる材料が揃っています。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします(本日もリッチモンド連銀バーキン総裁をはじめ米当局者発言に注目。タカ派的な発言が見られれば、来週のジャクソンホールや来月のFOMCに向けてドル高・円安がもう一段加速する可能性あり。オプション市場もインプライドボラティリティが上昇すると共に、リスクリバーサルがアラウンドパー近辺に接近するなどアップサイドリスクが急速に織り込まれる展開)。

本日の予想レンジ:135.25ー136.75

注:ポイント要約は編集部

ドル円、良好な米経済指標とタカ派な米当局者発言で節目136円手前まで続伸

ドル円日足

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