トルコリラ円見通し ドル円の反騰で持ち直し、7.50円台回復を試す
〇トルコリラ円、ドル円反騰で8/16深夜7.51まで続伸、8/17早朝終値7.47高値圏で推移
〇対ドル、18リラ手前で買い戻される膠着状態続く、終値ベース史上最安値17.95更新は回避
〇18日トルコ中銀金融政策発表待ち、17日未明米FOMC議事録公開で動く可能性も
〇7.51超えからは7.55を目指す上昇を想定するが、7.53以上は反落警戒とする
〇7.43割れからは戻り一巡による下落期入りを警戒し、7.40前後への下落を想定する
【概況】
トルコリラ円の8月16日は7.51円から7.40円の取引レンジ、17日早朝の終値は7.47円で前日終値の7.42円からは0.05円の円安リラ高だった。
ドル/トルコリラが1ドル18リラ手前での膠着状態を続ける中でトルコリラ円はドル円と同調した動きを中心としているが、16日のドル円は米長期債利回りが午後から上昇に転じたことに押し上げられて8月12日夜高値133.89円を超えて134.67円まで高値を切り上げ、8月15日夜安値132.54円からは2円を超える上昇幅となった。このためトルコリラ円も8月15日夜に7.38円まで下げたところからの切り返しに入り8月12日夜高値7.46円を超え、ドル円の上昇が一服したところではドル/トルコリラで一時ドル安リラ高へ振れたために深夜過ぎに7.51円まで続伸した。
8月17日午前はドル円の上昇が一服しているものの高止まりから高値更新を窺う位置取りで推移しており、トルコリラ円も7.48円割れを買い戻されつつ高値圏を維持している。
8月18日夜のトルコ中銀政策金利発表まではトルコの主要経済指標発表もないためドル/トルコリラでの膠着状態も続きつつ、ドル円がもう一段高へ進めるのかどうかを見ながら戻り高値の切り上げに挑戦する可能性がある局面と思われる。
【膠着状態続くが終値ベースでの史上最安値更新は回避】
ドル/トルコリラの8月16日は17.97リラから17.89リラの取引レンジ、17日早朝の終値は17.90リラで前日終値の17.95リラからは0.05リラのドル安リラ高だった。
ユーロドルが8月10日高値1.0368ドルから下落に転じて8月16日夜は1.0121ドルまで安値を切り下げてドルストレート全般ではドル高基調の推移だったが、ユーロが深夜にかけて反発し、ポンドも戻したことでドル高にはやや一服感が出たため、ドルトルコリラも深夜にかけてはこの日の高値となる17.89リラまでいったん戻したが、深夜以降はユーロとポンドが再び失速、米長期債利回り上昇によるドル高感が再燃したことでドル/トルコリラの小反発も続かず、17.80リラ台では戻り売りにつかまっている。
7月28日に1ドル17.90リラ台へ下落した後は17.80リラ台では戻り売り、18リラ手前では買い戻されるボックス型の持ち合いで膠着状態にあるが、8月3日に17.99リラをつけて昨年12月23日以降の取引時間中の最安値を更新し、終値ベースでは8月15日に17.95リラをつけて史上最安値を更新している。
8月17日はトルコ主要指標の発表はなく独自の手掛かりに欠け18日のトルコ中銀金融政策発表待ちだが、17日未明には米FOMC議事録公開があるため為替市場全般が動くきっかけとなる可能性もあるので注目しておきたい。
【6月以降の主要な出来事】
6月3日 5月のトルコCPI前年比73.5%に
6月6日 エルドアン大統領、「現政府が利上げすることはない。引き続き利下げしていく」と演説
6月9日 トルコ財務省、国営企業収益連動のリラ建て国内債券発行、クーポンで利回り保証
6月23日 トルコ中銀、6会合連続で政策金利現状維持決定
6月24日 トルコ財務省、外貨保有1500万リラ以上の企業へ新規融資禁止発表、6/24-27へリラ急伸
7月4日 6月のトルコCPI前年比78.62%へ上昇
7月9日 フィッチレーティングス、トルコ格付けを「B+」から「B」に引き下げ、見通しを「ネガティブ」
7月21日 トルコ中銀、7会合連続で政策金利現状維持
8月3日 7月のトルコCPI前年比79.60%、PPI前年比は144.61%へ上昇
8月12日 ムーディーズが、「B2」から「B3」に引き下げ、見通しは引き下げた状況において「安定的」
8月13日 1ドル17.99リラを付けて昨年12月23日以降の取引時間中の最安値更新
8月15日 終値で1ドル17.95リラとして終値ベースでの史上最安値更新
【60分足一目均衡表・サイクル分析】
概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、8月5日午前安値から4日目となる8月11日夜安値でサイクルボトムを付けて強気サイクル入りしたものの8月12日夜高値で直近のサイクルトップを付けて戻り一巡となり弱気サイクル入りしていた。しかし8月16日夜の上昇で8月12日夜高値を上抜き返したため、8月15日夜安値でやや短めのサイクルボトムを付けて新たな強気サイクル入りしたと思われる。
今度の高値形成期は17日夜から19日夜にかけての間と想定されるのでまだ上昇余地ありとみるが、戻りは短命の可能性もあるので7.45円割れを弱気転換注意とし、7.43円割れからは弱気サイクル入りの可能性ありと見て8月15日夜安値試しへ向かうとみる。
60分足の一目均衡表では、8月16日夜の上昇で遅行スパンが好転、先行スパンからも上抜けた、その後も両スパンそろっての好転を維持しているので遅行スパン好転中は高値試し優先とする。7.45円以上での推移中は遅行スパンが一時的に悪化してもその後に好転するところから上昇再開とみるが、7.45円割れからは下げ再開を警戒して遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。
60分足の相対力指数は8月16日夜から17日未明への高値更新に際して指数のピークが切り下がる小規模の弱気逆行が見られる。50ポイント以上での推移中は一段高余地ありとして65ポイント超えからは70ポイント台前半への上昇を想定するが、50ポイント割れから続落に入る場合は下げ再開を警戒して40ポイント割れを目指す流れとみる。
以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、7.45円を下値支持線、7.51円を上値抵抗線とする。
(2)7.45円前後は押し目買いも入りやすいところとし、7.51円超えからは7.55円を目指す上昇を想定するが、7.53円以上は反落警戒とする。上昇のためには円安の継続が必要と思われる。
(3)7.43円割れからは戻り一巡による下落期入りを警戒して7.40円前後への下落を想定する。7.40円前後は買い戻しも入りやすいとみるが7.43円以下での推移なら18日の日中も安値試しへ向かいやすいとみる。
【当面の主な予定】
8月18日
20:00 トルコ中銀 政策金利 (現行 14.0%)
20:30 週次 外貨準備高 8/12時点 グロス (8/5時点 677.7億ドル)
20:30 週次 外貨準備高 8/12時点 ネット (8/5時点 118.1億ドル)
8月22日
17:00 7月 観光客数 前年同月比(6月145%)
23:30 7月 中央政府債務 (6月 343億リラ)
8月23日
16:00 8月 消費者信頼感指数 (7月 68.0)
8月25日
16:00 8月 製造業景況観指数 (7月 103.7)
16:00 8月 設備稼働率 (7月 78.6%)
20:30 週次 外貨準備高 8/19時点
8月26日
16:00 8月 経済信頼感指数 (7月 93.4)
注:ポイント要約は編集部
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