トルコリラ円見通し ドル/トルコリラの膠着続きドル円を見ながら7.50円以下での推移(22/8/16)

トルコリラ円の8月15日は7.45円から7.38円の取引レンジ、16日早朝の終値は7.42円で先週末終値の7.44円からは0.02円の円高リラ安だった。

トルコリラ円見通し ドル/トルコリラの膠着続きドル円を見ながら7.50円以下での推移(22/8/16)

ドル/トルコリラの膠着続きドル円を見ながら7.50円以下での推移

〇トルコリラ円、米国時間の指標悪化時に、ドル円下落と同調し安値7.38へ、その後7.40円台序盤へ戻す
〇対ドルでの膠着状態続く、17.94わずかに割り込み終値ベースでの史上最安値更新
〇8/18トルコ中銀MPC、政策金利据え置き予想、1ドル18リラの壁超え下落へ向かう可能性も
〇米中経済指標悪化で円高へ傾斜しやすい状況、トルコリラ円一段安に注意
〇7.43から7.44にかけては戻り売りにつかまりやすいとし、7.38割れからは7.35前後への下落を想定する
〇7.44を超える場合は8/12高値7.46試しとし、7.46超えからは7.50へ向かうとみる

【概況】

トルコリラ円の8月15日は7.45円から7.38円の取引レンジ、16日早朝の終値は7.42円で先週末終値の7.44円からは0.02円の円高リラ安だった。
8月15日は午前の中国経済指標が軒並み前月から悪化し、中国人民銀行がテコ入れの利下げを予想外に決定したことからドル/人民元でドル高元安となり、ユーロやポンド、豪ドル等が下落してドルストレートではドル高となる一方、クロス円は総じて円高となったためにトルコリラ円は午前から軟調推移となった。
15日夜のNY連銀景況指数の悪化時にドル円が132.54円まで下落した局面でトルコリラ円は7.38円をつけたが、その後にドル円が133円台を回復したために7.40円台序盤へ戻した。
8月16日午前はドル円が再び133円割れを試す軟調な動きとなりトルコリラ円も前夜からの戻り一巡で失速気味の動きとなっている。

【ドル高リラ安は膠着状態続くも終値ベースでの史上最安値更新】

ドル/トルコリラの8月15日は17.97リラから17.91リラの取引レンジ、16日早朝の終値は17.95リラで先週末終値の17.93リラからは0.02リラのドル高リラ安だった。
8月15日午前発表の中国経済指標が軒並み悪化したことに加えて夜のNY連銀景況指数やNAHB住宅指数が予想を超える悪化となったことで景気後退懸念が強まり、安全資産として欧米長期債が買われたため米長期債利回りは低下したのだが、ドル高人民元安をきっかけにユーロや豪ドル等もリスク回避的に売られて概ねドル高基調の推移となった。
トルコリラに対してもドル高圧力がかかったが、8月18日のトルコ中銀による政策金利発表を控えて1ドル18リラ手前での膠着状態を抜け出すことはなく8月3日に付けた昨年12月23日以降の取引時間中の安値更新には至らなかったが、終値ベースでは8月3日の17.94リラをわずかに割り込んで史上最安値を更新した。
8月16日午前は17.95円を挟んで安値圏での揉み合いとなっている。
8月15日発表のトルコ7月財政収支は640億リラの赤字で赤字幅は6月の310億リラから倍増し、2か月連続の赤字だった。

【トルコリラ円はドル円と同調中だがドル円の一段安に警戒】

ドル/トルコリラが終値ベースでの史上最安値をわずかずつ更新しているものの1ドル18リラの壁を超えずに膠着状態に陥っているため、トルコリラ円はドル円の動き次第となっている。
ドル円は7月14日に139.39円をつけて2021年1月6日底102.57円以降の最高値をつけたが、8月2日安値130.39円まで9.00円の大幅下落となった。下落幅はこの間の最大で5月24日への下落時と比較すれば倍近い規模となった。8月8日高値135.57円まで5.10円の反騰となり半値強を戻したのだが、8月10日は米CPI発表時の急落で前日比2.26円の下落幅となる日足大陰線を付け、その後の3日間はこの大陰線の下側半分で概ね推移している。
2円を超える下げ幅の大陰線をつけたところからV字反騰に入れば一時的なふるい落としを終了して上昇再開に入るケースも多々あるが、大陰線の中心値前後で上値が抑えられて小線での横ばいが続くと下げ渋りが途切れて下放れへ向かいやすくなる。

トルコリラ円の日足もドル円に合わせて8月2日安値7.27円から8月9日高値7.60円まで戻した直後の8月10日に前日比0.11円の下落幅となる陰線で失速した後は上下にヒゲをつけつつも7.40円台序盤を中心とした小線での横ばい推移であり、8月10日の陰線中心値を超えてさらに切り返してゆく勢いに欠けた状況にあり、ドル円と同様に下げ渋りが途切れて一段安へ進みやすい状況にあるのではないかと思われる。
8月18日のトルコ中銀MPCでは政策金利が8会合連続で据え置きと予想されており、発表前後でドルトルコリラが1ドル18リラの壁を超える下落へ向かう可能性があること、米中の経済指標悪化による景気後退懸念が米長期債利回りの上昇を抑えていることとリスク回避的なクロス円全般の下落、円高へ傾斜しやすい状況にあるため、円高ないしリラ安あるいはその両方をきっかけにトルコリラ円が一段安へ向かう可能性のある局面として注意したい。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、8月5日午前安値から4日目となる8月11日夜安値でサイクルボトムを付けて強気サイクル入りしたが、8月12日夜高値で直近のサイクルトップを付けて戻り一巡となり弱気サイクル入りしていると思われる。ボトム形成期は16日夜から18日夜にかけての間と想定されるのでまだ一段安余地ありとし、現時点からの強気サイクル入りは8月12日夜高値超えからとする。

60分足の一目均衡表では、8月15日夜の下落時に遅行スパンが悪化し、先行スパンからもいったん転落したがその後の反発で先行スパンへ潜り込んでいる。遅行スパンの悪化は続いているので遅行スパン悪化中は安値試し優先とし、先行スパン転落からは下げ足が早まる可能性があると注意する。先行スパンを上抜き返す場合は12日夜高値試しとし、高値更新からは11日夜安値を起点とした上昇の継続として遅行スパン好転中の高値試し優先へ切り替える。

60分足の相対力指数は8月15日夜に30ポイント台序盤へ低下し、いったん50ポイントまで戻したがその後は再び低下しているので、50ポイント台を回復しないうちは一段安警戒とし、40ポイント割れからは20ポイント台へ向かうとみる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、7.38円を下値支持線、7.44円を上値抵抗線とする。
(2)7.43円から7.44円にかけては戻り売りにつかまりやすいところとし、7.38円割れからは7.35円前後への下落を想定する。7.35円以下は買い戻しも入りやすいとみるが、下げ足が早まる場合は7.30円台序盤(7.33円から7.30円)へ下値目途を引き下げる。
(3)7.44円を超える場合は8月12日高値7.46円試しとし、7.46円超えからは7.50円へ向かうとみるが、そのためにはドル円の急伸等の情勢変化が必要と思われる。

【当面の主な予定】

8月18日
 20:00 トルコ中銀 政策金利 (現行 14.0%)
 20:30 週次 外貨準備高 8/12時点 グロス (8/5時点 677.7億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 8/12時点 ネット (8/5時点 118.1億ドル)
8月22日
 17:00 7月 観光客数 前年同月比(6月145%)
 23:30 7月 中央政府債務 (6月 343億リラ)
8月23日
 16:00 8月 消費者信頼感指数 (7月 68.0)
8月25日
 16:00 8月 製造業景況観指数 (7月 103.7)
 16:00 8月 設備稼働率 (7月 78.6%)
 20:30 週次 外貨準備高 8/19時点
8月26日
 16:00 8月 経済信頼感指数 (7月 93.4)

注:ポイント要約は編集部

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