トルコリラ円 ドル円の上昇に同調して高値を切り上げたがFOMC議事録公開からは失速気味(22/8/18)

トルコリラ円の8月17日は7.56円から7.46円の取引レンジ、18日早朝の終値は7.51円で前日終値の7.47円からは0.04円の円安リラ高だった。

トルコリラ円 ドル円の上昇に同調して高値を切り上げたがFOMC議事録公開からは失速気味(22/8/18)

ドル円の上昇に同調して高値を切り上げたがFOMC議事録公開からは失速気味

〇昨日のトルコリラ円は7.56から7.46の取引レンジ、18日早朝終値は前日から0.04円の円安リラ高に
〇対ドルでは1ドル18リラ手前の攻防続く、18日のトルコ中銀政策金利発表前で動きは鈍い
〇今晩20時トルコ中銀MPCにて政策金利発表、週間レポレートは8会合連続14%で据え置き予想
〇政策金利発表後に週次の外貨準備高の発表、今回もさらに増加傾向示すか注目
〇7.56超えからは7.60手前を目指すとみるがそのためには勢いある円安が必要
〇7.50割れからは戻り一巡による下落期入りを警戒し7.40台中盤への下落を想定

【概況】

トルコリラ円の8月17日は7.56円から7.46円の取引レンジ、18日早朝の終値は7.51円で前日終値の7.47円からは0.04円の円安リラ高だった。
ドル/トルコリラが1ドル18リラ手前での膠着状態を続ける中でトルコリラ円はドル円と同調した動きであり、8月17日夜にかけては米長期債利回り上昇を背景にドル円が135.49円へ高値を伸ばしたため、トルコリラ円も17日夜高値で7.56円を付けて8月11日夜安値7.34円以降の高値を更新した。しかしドル円は8月8日高値135.57円には一歩届かず、トルコリラ円も8月2日安値7.27円以降の高値である8月9日の7.60円には届かず、18日未明の米FOMC議事録要旨内容がハト派的だったことでドル円が公開後に134.78円まで反落するとトルコリラ円も7.51円まで反落した。
8月18日午前はドル円が18日未明安値からいったん135円台を回復したものの維持できずに軟調推移となり、トルコリラ円も18日未明安値割れには至らずにいるもののやや上値が重くなっている。

【膠着状態続く、FOMC議事録公開への反応は鈍い】

ドル/トルコリラの8月17日は17.96リラから17.89リラの取引レンジ、18日早朝の終値は17.94リラで前日終値の17.90リラからは0.04リラのドル高リラ安だった。
1ドル18リラ手前の攻防が続いているが、8月18日のトルコ中銀政策金利発表前ということもあり動きは鈍かった。
18日未明の米FOMC議事録公開前は米長期債利回り上昇でドル高となり、ドル/トルコリラは16日夜安値17.89リラからこの日の安値17.98リラまでドル高リラ安で推移していたが、FOMC議事録公開後はドル安反応となったために17.94リラ近辺へやや持ち直した。

FOMC議事録要旨では、高インフレ抑制のため金融引き締めを継続する姿勢の一方で「ある時点で利上げペースの減速が適切になる」との見解が示されたため、利上げペースが鈍化すると市場は受け止めて発表直後にはドル安反応となりドル円が反落した。しかしユーロやポンド、豪ドル等は一時的に上昇したものの勢い付かずに失速しており、8月10日からのドル高には16日夜から一服感が出ているもののドル安再開感が強まるほどではない印象だ。
ドル/トルコリラは8月3日に17.99リラを付けて昨年12月23日以降の取引時間中の最安値を更新し、終値ベースでは8月15日に17.95リラを付けて史上最安値を更新している。18ドル手前ではリラが買い戻され、17.80リラ台では戻り売りにつかまり日足レベルで見ればほぼ横ばいの推移が続いているところだが、8月18日夜にはトルコ中銀政策金利発表もあるので、1ドル18リラの壁を超えるリラ安のきっかけになるか注目される。

【今晩のトルコ中銀MPCでは14%の据え置きで予想が一致】

今晩20時にトルコ中銀のMPC(金融政策委員会)が開催されて政策金利の発表がある。
エルドアン大統領による「利下げがインフレを抑制する」との政策姿勢に対して高インフレがエスカレートを続ける状況にあるため、トルコ中銀はインフレ抑制と通貨防衛のための利上げができず、かといって利下げをすればリラ暴落とインフレの悪化を招くために利下げもできず、現状維持を続けることになるだろうと衆目の見解は一致しており、今回も8会合連続で週間レポレートは14%で据え置かれるとみられる。

政策金利の据え置きが発表された段階で、利上げ催促的なリラ売り攻勢が仕掛けられるのか、予想通りで織り込み済として反応も薄く1ドル18リラを壁とした膠着状態のままとなるのか、しっかり反応を見極めたいところだ。
また政策金利発表後には週次の外貨準備高の発表があるが、先週発表された8月5日時点の外貨準備高がグロスで677.7億ドルとなり前週の611.0億ドルから増加し、ネットでも118.1億ドルとなり前週の91.2億ドルから大幅に増加したため、今回もさらに増加傾向を示すのかどうか注目したい。ネバティ財務相によれば外資の投資マネー流入が準備高増加に寄与しているとのこと。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、8月12日夜高値で前回のサイクルトップを付けて戻り一巡から下落していたが、8月16日夜の上昇で8月12日夜高値を上抜き返したために17日午前時点では8月15日夜安値でやや短めのサイクルボトムを付けて新たな強気サイクル入りしたとし、高値形成期を17日夜から19日夜にかけての間と想定した。
8月17日夜に一段高してから反落気味のため既にサイクルトップを付けた可能性があるとみる。7.50円以上での推移中は上昇再開から一段高へ向かう可能性があるとみるが、7.50円割れからは弱気サイクル入りと仮定して18日夜から22日夜にかけての間への下落を想定する。
今晩はトルコ中銀の政策金利発表もあるため、政策金利発表から下落の場合は19日の日中から週明けへと安値試しを続けやすくなるとみるが、いったん下落反応を見せてから反騰入りして直前高値からの下げ幅の半値以上を戻す場合は新たな強気サイクル入りとなる可能性もあると注意する。

60分足の一目均衡表では、8月16日夜の上昇で遅行スパンが好転、先行スパンからも上抜けたが、その後も両スパンそろっての好転を維持しているので遅行スパン好転中は高値試し優先とする。ただし、新たな高値更新へ進めずに推移すると遅行スパンは悪化しやすいと注意し、遅行スパン悪化からは下げ再開とみて安値試し優先とする。またその際は先行スパンからの転落を試す可能性があるとみる。

60分足の相対力指数は8月16日夜から17日夜への高値更新に際して指数のピークがほぼフラットな弱気逆行型となり50ポイント台へ低下しているので8月11日夜からの上昇一巡による下落期入りが疑われる。65ポイント超えからは上昇再開とするが、50ポイント以下での推移に入る場合は30ポイント前後を目指す下落を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、7.50円を下値支持線、7.56円を上値抵抗線とする。
(2)7.50円以上での推移中は上昇余地ありとし、7.56円超えからは7.60円手前を目指すとみるがそのためには勢いある円安が必要と思われる。
(3)7.50円割れからは戻り一巡による下落期入りを警戒して7.40円台中盤(7.47円から7.43円)への下落を想定する。7.45円以下は買い戻しも入りやすいとみるが。7.47円以下での推移なら19日の日中も安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

8月18日
 20:00 トルコ中銀 政策金利 (現行 14.0%、予想 14.0%)
 20:30 週次 外貨準備高 8/12時点 グロス (8/5時点 677.7億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 8/12時点 ネット (8/5時点 118.1億ドル)
8月22日
 17:00 7月 観光客数 前年同月比(6月145%)
 23:30 7月 中央政府債務 (6月 343億リラ)
8月23日
 16:00 8月 消費者信頼感指数 (7月 68.0)
8月25日
 16:00 8月 製造業景況観指数 (7月 103.7)
 16:00 8月 設備稼働率 (7月 78.6%)
 20:30 週次 外貨準備高 8/19時点
8月26日
 16:00 8月 経済信頼感指数 (7月 93.4)

注:ポイント要約は編集部

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