南アランド週報:『リスクオン再開で約1ヵ月ぶり高値圏へ反発も上値余地は限定的か』(8/13朝)

南アランド円相場は8/2に記録した約2ヵ月ぶり安値7.86円をボトムに反発に転じると、今週は一時8.25円(約1ヵ月ぶり高値圏)まで持ち直す動きとなりました。

南アランド週報:『リスクオン再開で約1ヵ月ぶり高値圏へ反発も上値余地は限定的か』(8/13朝)

『リスクオン再開で約1ヵ月ぶり高値圏へ反発も上値余地は限定的か』

〇今週の南ア円、週末にかけて、週間高値8.25(7/5以来、約1ヵ月ぶり高値圏)まで急伸
〇南ア景況指数の好調、株価の堅調、金・プラチナ価格の堅調等が背景
〇テクニカルにはダブルトップのネックライン7.86割れが失敗に終わったことも、ショートカバー誘発か
〇一方で上方に複数のレジスタンスポイント控え、米長期金利が上昇する等続伸は容易では無い
〇南アランド円相場の下落をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):8.05ー8.35

今週のレビュー(8/8−8/12)

今週の南アフリカランド円(ZARJPY)相場は、週初8.04円で寄り付いた後、@南ア7月SACCI景況感指数(結果110.3、前回108.5)の良好な結果や、A南ア株の堅調推移(注目された米7月消費者物価指数や米7月生産者物価指数の伸び率鈍化→米FRBによる大幅利上げ観測後退→世界的な株価上昇→市場心理改善→リスク選好の新興国通貨買い)、B金・プラチナ価格の底堅い動き(南アフリカの主要産品である貴金属の価格上昇→南アフリカの交易条件改善期待)が支援材料となり、週末にかけて、週間高値8.25円(7/5以来、約1ヵ月ぶり高値圏)まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間8/13午前3時00分現在)においても、8.24円前後での底堅い動きが続いております。

尚、今週は、C南ア6月鉱業生産(結果▲8.0%、予想▲5.0%、前回▲7.2%)の冴えない結果や、D南ア8月トムソン・ロイター イプソス・プライマリ消費者センチメント・インデックス(結果35.54、前回38.3)の更なる低下、E南ア6月製造業生産(結果▲3.5%、予想▲2.9%、前回▲1.8%)の大幅悪化など、南アフリカ経済データに関する悪材料も複数見られましたが、南アランド売りでの反応は限定的となりました。

来週の見通し(8/15−8/19)

南アランド円相場は8/2に記録した約2ヵ月ぶり安値7.86円をボトムに反発に転じると、今週は一時8.25円(約1ヵ月ぶり高値圏)まで持ち直す動きとなりました。4/19高値と6/9高値を起点としたダブルトップのネックライン(7.86円)割れが失敗に終わったことも、南アランドの大規模ショートカバー誘発の引き金となりました。とは言え、上方に複数のレジスタンスポイントが並んでいることや、米長期金利が週後半にかけて上昇に転じていることなどを踏まえると、ここからの更なる続伸は容易では無いと考えられます。来週は米長期金利の動きを睨みながらも一巡後の反落リスクに警戒が必要でしょう。

ファンダメンタルズ的に見ても、@米長期金利の反転上昇や、A上記@を背景とした過剰流動性相場の逆流リスク、B南ア経済の先行き不透明感(景気停滞と高インフレが同時に進むスタグフレーション懸念に加えて、ストライキや電力負荷制限の継続も南ア経済の下押し要因。今週発表された南ア経済指標は軒並み冴えない結果)、C南ア中銀による追加利上げ観測(スタグフレーション懸念が燻る中での金融引き締めは景気への逆風)、D南アフリカと経済的な結びつきの強い中国の景気減速懸念など、南アランド円相場の反落を連想させる材料が揃っています。

特にこのところ堅調さを保ってきた金やプラチナ価格が上記@Aを材料に反落に転じる恐れもあるため(米長期金利上昇→貴金属価格下落)、来週は南アフリカの交易条件悪化を織り込む形で南アランドに下落圧力が強まるシナリオが警戒されます。以上を踏まえ、当方では引き続き、南アランド円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします。尚、来週は8/15に予定されている中国の一連の主要経済指標(固定資産投資、小売売上高、鉱工業生産)と、8/17の南ア6月小売売上高に注目が集まります。

来週の予想レンジ(ZARJPY):8.05ー8.35

注:ポイント要約は編集部

『リスクオン再開で約1ヵ月ぶり高値圏へ反発も上値余地は限定的か』

南アランド円日足

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