米国CPIを受けて(22/8/12)

今のインフレがピークアウトしたとして今後どうなのかを主要なコモディティ価格の推移から考えてみたいと思います。

米国CPIを受けて(22/8/12)

米国CPIを受けて

先週の予想よりも強かった雇用統計で135円台に乗せていたドル円でしたが、今週は予想よりも弱いCPIを受けて132円目前まで下げ、昨日はNY市場で131円台後半まで続落後に反発と相変わらず激しい動きとなっています。

米国CPIは6月の9.1%をピークに7月分は予想の8.7%に対して8.5%とインフレがピークアウトした感が強まっています。しかし、先週クリーブランド連銀総裁が言ったように米国のインフレ目標は2%であり、2%台の数字が数か月続かない限り緩和は無いと、市場参加者の緩和前倒し思惑を牽制する発言を行いました。

そうなると、今のインフレがピークアウトしたとして今後どうなのかを主要なコモディティ価格の推移から考えてみたいと思います。以下のチャートは1年前(2021年8月12日)から昨日までの価格変化をパーセントで示したもので、1年前から現在までの主要商品市況の変化がわかるようになっています。

米国CPIを受けて

上から順に天然ガス(水色)、原油(オレンジ)、CRBインデックス(青)、小麦(黄色)、銅(紫)となっていて、天然ガスだけはロシアからの供給減による価格高騰が続いていますが、それ以外は3月〜6月をピークに着実に下げていますし、銅は1年前と比較してマイナス、小麦もロシアによるウクライナ侵攻前の水準よりも安くなってきました。

天然ガスは例外として、全体を判断するのに適当と思われるCRBインデックス(19の商品から構成される商品指数)はまだ+36.16%と高いものの、現在の水準はロシアによるウクライナ侵攻直後の水準へと下げてきていることがわかります。今後さらに下げてくるようであれば、インフレの低下にもつながるでしょうが、それでも米国が目標とする2%には遠いことは間違いありません。

金利市場の思惑で利上げ幅縮小、緩和転換といった動きが出てくることは仕方ないとはいえ、おそらく現在のFRBはクリーブランド連銀総裁の言うピークの金利水準(4%超)とは距離は置くものの、全体的な考え方はかなり近いものと見ています。そうだとすると、今回のCPIで過剰反応することは要注意ではないでしょうか。そう簡単にドル安が続く相場ではないようです。

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