米国CPIを受けて
先週の予想よりも強かった雇用統計で135円台に乗せていたドル円でしたが、今週は予想よりも弱いCPIを受けて132円目前まで下げ、昨日はNY市場で131円台後半まで続落後に反発と相変わらず激しい動きとなっています。
米国CPIは6月の9.1%をピークに7月分は予想の8.7%に対して8.5%とインフレがピークアウトした感が強まっています。しかし、先週クリーブランド連銀総裁が言ったように米国のインフレ目標は2%であり、2%台の数字が数か月続かない限り緩和は無いと、市場参加者の緩和前倒し思惑を牽制する発言を行いました。
そうなると、今のインフレがピークアウトしたとして今後どうなのかを主要なコモディティ価格の推移から考えてみたいと思います。以下のチャートは1年前(2021年8月12日)から昨日までの価格変化をパーセントで示したもので、1年前から現在までの主要商品市況の変化がわかるようになっています。
上から順に天然ガス(水色)、原油(オレンジ)、CRBインデックス(青)、小麦(黄色)、銅(紫)となっていて、天然ガスだけはロシアからの供給減による価格高騰が続いていますが、それ以外は3月〜6月をピークに着実に下げていますし、銅は1年前と比較してマイナス、小麦もロシアによるウクライナ侵攻前の水準よりも安くなってきました。
天然ガスは例外として、全体を判断するのに適当と思われるCRBインデックス(19の商品から構成される商品指数)はまだ+36.16%と高いものの、現在の水準はロシアによるウクライナ侵攻直後の水準へと下げてきていることがわかります。今後さらに下げてくるようであれば、インフレの低下にもつながるでしょうが、それでも米国が目標とする2%には遠いことは間違いありません。
金利市場の思惑で利上げ幅縮小、緩和転換といった動きが出てくることは仕方ないとはいえ、おそらく現在のFRBはクリーブランド連銀総裁の言うピークの金利水準(4%超)とは距離は置くものの、全体的な考え方はかなり近いものと見ています。そうだとすると、今回のCPIで過剰反応することは要注意ではないでしょうか。そう簡単にドル安が続く相場ではないようです。
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
南アランド円週報:『約1カ月ぶり安値を更新するなど上値の重い展開が継続中』(11/23朝)
南アランドの対円相場は、11/7に記録した約4ヵ月ぶり高値8.86円をトップに反落に転じると、今週前半にかけて、一時8.44円まで下落しました。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
トルコリラ円週報:『トルコ中銀は政策金利の据え置きを決定。一巡後の反発に期待』(11/23朝)
トルコリラの対円相場は、9/16に記録した史上最安値4.10円をボトムに切り返すと、11/15にかけて、約3カ月半ぶり高値4.56円(8/1以来の高値圏)まで上昇しました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2022.08.12
落ち着きどころを探る展開、乱高下にも注意(8/12夕)
12日の東京市場はドルが小高い。ただ、相場が夏枯れの様相を呈するなか、商いはそれほど多くなく値幅も限られている。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。