トルコリラ円見通し ドル円の反落に合わせて3日ぶり下落(22/8/5)

トルコリラ円の8月4日は7.48円から7.40円の取引レンジ、5日早朝の終値は7.41円で前日終値の7.46円から0.05円の円高リラ安だった。

トルコリラ円見通し ドル円の反落に合わせて3日ぶり下落(22/8/5)

トルコリラ円見通し ドル円の反落に合わせて3日ぶり下落

〇ドル円が8/4夜から反落に転じたためトルコリラ円も同調、3連騰ならず
〇8/5早朝には7.40まで失速、午前序盤には7.38まで安値を切り下げる
〇対ドル、8/4は1ドル18リラ手前での寸止め状態続く、終値ベースの最安値更新とならず
〇トルコ外貨準備高増加するも実質的に最低水準近辺、リラ防衛へ向けた準備高としての不足感拭えず
〇7.45手前までは戻り売り有利とし、7.35割れからは7.30前後への下落を想定する
〇7.45超えからは7.48試しとみるが、7.48前後は反落警戒水準とする

【概況】

トルコリラ円の8月4日は7.48円から7.40円の取引レンジ、5日早朝の終値は7.41円で前日終値の7.46円から0.05円の円高リラ安だった。
ドル円が8月2日安値130.39円から8月3日夜高値134.54円へ2連騰の大幅上昇となったところでトルコリラ円も同調して8月2日に前日比0.06円、8月3日に0.05円の円安リラ高で連騰したが、ドル円は8月4日夜から反落に転じたためにトルコリラ円も3連騰ならずに8月5日早朝には7.40円まで失速、5日午前序盤には7.38円まで安値を切り下げている。

ドル/トルコリラは1ドル18リラ手前の攻防を続けているためトルコリラ円はドル円の動向に追従しているが、8月4日夜は(1)英中銀が27年ぶりに0.50%利上げを決定したものの10-12月期へのインフレ進行とリセッション入りを想定したことでポンドが一時急落してクロス円全般が下げたこと、(2)台湾近海での中国軍事演習で弾道ミサイル11発、そのうち1発が日本のEEZ(排他的経済水域)内に着弾したことでの有事リスクからの円高、(3)米新規失業保険申請件数と受給者が予想を上回ったことでの米長期債利回り低下というように円高材料が相次いだためにドル円が下落してトルコリラ円も反落したという状況だ。

【ドル高リラ安は1ドル18リラを試す攻防続く】

ドル/トルコリラの8月4日は17.97リラから17.90リラの取引レンジ、5日早朝の終値は17.92リラで前日終値の17.94リラからは0.02リラのドル安リラ高だった。
6月24日から6月27日にかけての一時的なリラ反騰を消化してからは連日のように終値ベースの史上最安値を更新し、12月23日以降の取引時間中の最安値も更新しており、8月3日は17.99リラをつけて12月23日以降の安値を更新、終値も史上最安値更新となったが、8月4日は1ドル18リラ超えには至らず、終値ベースの最安値更新にはならなかった。
1ドル18リラ手前での寸止め状態が続いている(一部ベンダーによっては18リラ台の提示もみられる)が、ジワジワと接近しており、きっかけをつかめば一挙に18リラ突破からリラ売りが加速しかねないところと思われる。8月5日夜の米雇用統計がそのきっかけになる可能性もあると注目したい。

【トルコの外貨準備高は増加】

8月4日夜に発表されたトルコの週次外貨準備高は7月29日時点のグロスで611億ドルとなり前週の597.1億ドルから増加した。ネットでは91.2億ドルとなり前週の67億ドルから大幅に増加した。
ネットの外貨準備高は2021年11月に326.4億ドルまで増加したところをピークとして今年1月時点の75.5億ドルまで急減、2月末に198億ドルまで回復してから再び減少して7月14日時点で60.7億ドルとなりこれまでの最低水準となっていた。今回の増加については何が影響しているのか詳細は不明だが、ネバティ財務相によれば外資導入を反映したもので次週も拡大する見込みとされている。しかしまだ実質的には最低水準近辺であり、リラ防衛へ向けた準備高としての不足感は拭えない。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、8月2日にドル円の急騰と合わせて強気転換目安とした7.40円を超える急伸となったため、8月3日午前時点では8月2日午前安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして8月3日夜から5日夜にかけての間への上昇を想定した。
8月3日夜へ一段高した後は上げ渋り8月4日午前には失速気味となったために4日午前時点では既にサイクルトップを付けた可能性があるとして7.43円割れを弱気転換注意とし、7.40円割れからは弱気サイクル入りとしたが、8月5日朝に7.40円を割り込んでいるので8月3日深夜高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとして8月5日の日中から9日の日中にかけての間への下落を想定する。
7.45円以下での推移中は一段安警戒とし、7.45円超えからは強気転換注意として8月3日夜高値試しとするが強気サイクル入りは8月3日深夜高値超えからとする。

60分足の一目均衡表では、8月4日夜の反落により遅行スパンが悪化、5日朝の続落で先行スパンの下限まで下げている。このため遅行スパン悪化中は安値試し優先とし、先行スパンから転落する場合は下げ足が早まりやすいと注意する。強気転換は先行スパンを上抜き返すところからとし、市の際は遅行スパン好転中の高値試し優先とする。

60分足の相対力指数は8月2日午前高値から3日夜高値への一段高に際して指数のピークが切り下がる弱気逆行を見せてから8月4日夜の反落へとつながり30ポイント台まで低下した。50ポイント以下での推移中はもう一段安余地ありとし、上昇再開には50ポイント超えから続伸するような上昇が必要と思われる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、7.35円を下値支持線、7.45円を上値抵抗線とする。
(2)7.45円手前までは戻り売り有利とし、7.35円割れからは7.30円前後への下落を想定する。7.30円以下は反騰注意とするが、7.40円を下回って週を終えるか、直前安値から0.07円以上の反騰とならなければ週明けも安値試しへ向かいやすいとみる。また下げ足が早まる場合は8月2日安値7.27円前後へ下値目途を引き下げる。
(3)7.45円超えからは7.48円試しとみる。7.48円前後は反落警戒水準とするが、7.45円を超えての推移か、直前安値から0.07円以上の反騰となる場合は週明けも高値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

8月5日
 23.30 7月 財務省現金残 (6月 266.1億リラ)
8月10日
 16:00 7月 失業率 (6月 10.9%)
8月11日
 16:00 6月 経常収支 (5月 -64.68億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 8/5時点 グロス (7/29時点 611.0億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 8/5時点 ネット (7/29時点 91.2億ドル)
8月12日
 16:00 6月 鉱工業生産 前月比 (5月 0.5%)
 16:00 6月 鉱工業生産 前年同月比 (5月 9.1%)
 16:00 6月 小売売上高 前月比 (5月 1.9%)
 16:00 6月 小売売上高 前年同」月比 (5月 20.8%)
8月15日
 17:00 7月 財政収支 (6月 -310億リラ)
8月18日
 20:00 トルコ中銀 政策金利 (現行 14.0%)


注:ポイント要約は編集部

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