ドル円の続伸で2連騰、トルコCPI発表はサプライズなく反応薄
〇ドル円が3日夜に134円台中盤へ続伸、同調した動きでトルコリラ円は7.49まで一段高
〇対ドルではドル高リラ安を継続しつつも18リラを超えるリラ安にはまだ慎重、全般に小動き
〇3日発表トルコ7月消費者物価上昇率は79.6%、6月を上回るが市場予想下回り市場反応は鈍い
〇8/18には次回トルコ中銀金融政策決定会合、8会合連続での現状維持と予想される
〇7.49超えからは7.50台序盤を試すとみる、7.52以上は反落警戒
〇7.40割れからは下落期入りとみて7.35前後への下落を想定
【概況】
トルコリラ円の8月3日は7.49円から7.37円の取引レンジ、4日早朝の終値は7.46円で前日終値の7.41円から0.05円の円安リラ高だった。
ドル円の大幅下落を背景に8月2日に7.27円の安値を付けて6月26日の戻り高値8.37円以降の安値を更新、昨年12月23日の11.15円以降の最安値も更新したが、8月2日夜の米長期債利回り急騰をきっかけとしてドル円が大幅高に転じたためにトルコリラ円も円安による押し上げで8月3日早朝に7.42円へ上昇した。
8月3日は午前にドル円が133.89円まで高値を伸ばしたところで7.46円へ高値を切り上げ、ドル円の反落時に7.37円まで反落したものの、ドル円が3日夜に134円台中盤へ続伸したために7.49円まで一段高となった。
ドル円の大きな値動きに同調した動きを続けているが、ドル円が8月3日夜高値の後はやや失速気味のためトルコリラ円も8月4日午前序盤ではやや上値の重い展開となっている。
【ドル高リラ安は1ドル18リラを試す攻防続く】
ドル/トルコリラの8月3日は17.99リラから17.90リラの取引レンジ、8月4日早朝の終値は17.94リラで前日終値の17.92リラからは0.02リラのドル高リラ安となった。
7月28日安値17.98リラを超えて昨年12月23日以降の最安値を更新、終値ベースでも8月2日から連日の史上最安値更新となった。
8月2日夜から為替市場はドル全面高の様相へと風向きを変え、8月3日夜にかけてユーロやポンドが一段安となるなどドル高が続いたが、ドル/トルコリラは1ドル18リラへ徐々に迫るドル高リラ安を継続しつつも18リラを超えるリラ安にはまだ慎重なところもあり全般に小動きだった。
8月3日16時発表のトルコ7月消費者物価上昇率が79.6%となり6月の78.62%を上回ったものの市場予想の80.5%を下回ったためにサプライズ無しとして市場の反応は鈍かった。しかしインフレ深刻化とリラの先安感は継続している。
【7月のトルコCPIは予想を若干下回る】
8月3日夕刻に発表されたトルコの7月消費者物価上昇率は前月比2.37%となり6月の4.95%から伸びが鈍化、市場予想の2.90%を下回った。前年同月比は79.60%で6月の78.62%を上回ったが、市場予想の80.50%には届かなかった。
コア指数の上昇率は前月比で3.4%となり6月の3.3%から伸びが若干加速し、前年同月比では61.7%となり6月の57.3%から伸びが加速した。
生産者物価上昇率は前月比5.17%で6月の6.77%から鈍化したものの前年同月比は144.61%となり6月の138.31%から大幅に伸びた。
消費者物価全体の前年同月比が80%には届かなかったことと前月比が鈍化したこともあり、先行きのインフレ深刻化懸念は大きいままだが、相場の材料としては反応が薄かった。しかし消費者物価の前年同月比は1998年9月の80.4%以来24年ぶりの高水準であり、生産者物価の前年同月比は1995年2月の149.77%以来27年ぶりの高水準となっている。
消費者物価上昇率の内訳では、輸送費が前年比119.11%、食品飲料が94.65%。生活用品が88.35%と高く、生産者物価上昇率の内訳では電気ガス料金の前年比が441.75%、エネルギーが350.64%と突出している。
8月18日には次回のトルコ中銀金融政策決定会合が開かれ、エルドアン政権による利上げ拒否姿勢を忖度して8会合連続での現状維持と予想されるが、利上げ催促的なリラ安で1ドル18リラの壁を突破してゆくことへの懸念が高まるところだ。
【60分足一目均衡表・サイクル分析】
概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、7月29日夜高値をサイクルトップとした弱気サイクル入りとしていたが、8月2日にドル円の急騰に合わせて強気転換目安とした7.40円を超える急伸となったため、8月3日午前時点では8月2日午前安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして8月3日夜から5日夜にかけての間への上昇を想定した。
8月3日夜へ一段高した後は上げ渋り8月4日午前には失速気味となっているのですでにサイクルトップを付けた可能性がある。7.40円以上での推移中は一段高余地ありとするが、7.43円割れを弱気転換注意とし、7.40円割れからは弱気サイクル入りと仮定して5日の日中から9日の日中にかけての間への下落を想定する。
60分足の一目均衡表では、8月2日夜からの急騰で遅行スパンが好転、8月3日朝には先行スパンも上抜けた。遅行スパン好転中は高値試し優先とし、先行スパンを上回るうちは遅行スパンが一時的に悪化してもその後に好転するところから上昇再開とするが、先行スパンに潜り込むところからは下げ再開と仮定して遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。
60分足の相対力指数は8月2日午前高値から3日夜高値への一段高に際して指数のピークが切り下がる弱気逆行が見られるために反落注意とし、50ポイント以上での推移中は上昇余地ありとするが50ポイント割れからは下げ再開とみて30ポイント台への低下を想定する。
以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、7.40を下値支持線、7.49円を上値抵抗線とする。
(2)7.43円以上での推移か一時的に割り込んでも回復するうちは上昇余地ありとし、7.49円超えからは7.50円台序盤(7.50円から7.52円)を試すとみる。7.52円以上は反落警戒とするが、7.45円以上での推移なら5日の日中も高値試しへ向かう可能性があるとみる。
(3)7.40円割れからは下落期入りとみて7.35円前後への下落を想定する。7.35円以下は買い戻しも入りやすいとみるが、7.40円以下での推移なら5日の日中も安値試しへ進みやすいとみる。
【当面の主な予定】
8月4日
20:30 週次 外貨準備高 7/29時点
8月5日
23.30 7月 財務省現金残 (6月 266.1億リラ)
8月10日
16:00 7月 失業率 (6月 10.9%)
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