欧州中央銀行(ECB)政策金利発表
(2022年7月21日木曜日:東京時間21時15分、ラガルド総裁記者会見は21時45分)
開催中のECB金融政策会合の議事内容が本日記者発表されます。その後はラガルド総裁の記者会見が予定されています。今回のECB会合では既にラガルド総裁が6月20日のスピーチで0.25%の利上げ、次回会合でも連続利上げを示唆しており、予想の大半も同じ上げ幅です。ただレンジを見ると一部では据え置きや0.50%上げも見られます。市場は7月0.25%、9月0.50%の利上げを想定している様ですが、今回9月分の0.25%を前倒しして0.50%の見方もあります。
尚、今回の会合から発表時間が30分遅くなり上記時間になりました。
(1) 欧州中央銀行政策金利予想(7月21日9時00分現在)
今回の注目点は
@ 最近のECB関係者発言(下記(2)をご参照願います)によれば、今回会合で最初の利上げとなる0.25%幅に収斂しています。
A ラガルドECB総裁も6月下旬のスピーチ(下表(3)を参照願います)で、0.25%の利上げを示唆しています。
B ユーロ圏の状況はウクライナ戦争でのエネルギー価格高や物流混乱によるインフレ上昇懸念が継続する一方で、域内の脆弱な地域での利上げに対するリセッション懸念も上がっています。
C 今回会合は次回以降の利上げに対する議論内容が注目されることになりそうです。
ECBの政策金利予想
前回よりも利上げ予想幅は上昇していますが、来年の4Qには利下げを予想するエコノミストも散見されます。米国やオセアニアに比べて、上げ幅に限界があります。
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(2)最近のECB関係者の発言
7月13日 フランス中銀総裁 「仏でのスタグフレーションシナリオは排除できない」
7月9日 イタリア中銀総裁 「7月会合では金利が0.25%引き上げられる見込み」
「インフレは今年上昇するも、2024年には2%まで低下」
7月7日 理事会議事要旨 「7月の0.25%利上げを正当化する幾つかの要因がある」
「幾人かのメンバーはもっと大きな利上げ幅を望んでいる」
「金融正常化に向けて更なる措置が必要」
7月5日 独連銀総裁 「例外的な金融措置は、例外的な状況にのみ正当化される」
7月5日 ECB副総裁 「ここ数ヶ月、インフレ圧力が拡大し、激化している」
「インフレを取り巻くリスクは上向き」
7月4日 エストニア中銀総裁 「7月に0.25%、9月に0.50%の利上げを予想」
「スタグフレーションは最も可能性の低いシナリオ」
7月4日 スロベニア中銀総裁 「9月以降の四半期で更なる利上げを行う可能性」
6月29日 ECB総裁 「7月にどうなる可能性あるか、既に明確に示している」
(3)6月20日のラガルドECB総裁スピーチ
以下は6月20日のECB総裁スピーチの一部抜粋です。
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
下図はユーロドルの週足チャートです。昨年6月高値からの抵抗線A(=1.1020)でユーロ安トレンドを継続しています。直近は今年2月中旬を高値としたB(=1.0540)とそこから平行に下したC(=0.9930)で流れが急になったユーロ安トレンドを形成しています。Cは5月13日底値1.0350を起点にしており、先週7月14日底値0.9952がそのラインCで止まったことになります。現在は底値に当たったので戻しており、これまでの横サポートだったD(=1.0350)が上値のポイントになっています。今日のECBで予想外の利上げになった時にDを試す流れになるか見たいと思います。尚、今現在の抵抗線は1.0220〜30、1.0280にあります。下限は1.0120、1.0080がサポートになっており、先週の寄り値が1.1067でしたので、明日これ未満でNYが終わると、上ヒゲ長く、実体ははらみ線になり上値が重くなります。
下図は上図と全く同じチャートです。昨年の6月から4つの〇印がありますが、1.20からスタートして各〇印が400ピップスのレンジを形成しています。日柄はだんだん短くなっていますが、もし同じパターンを踏襲すると、今回は1.00〜1.04レンジ中心になります。その意味で0.9952が暫くの間の底値になるかを注目したいと思います。
(2022年7月21日10:00、1ユーロ=1.0186ドル)
オーダー/ポジション状況
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