ドル円日銀総裁記者会見中に下落
猫だまし?でうまく乗り切る?一部で緩和縮小懸念も
15:30より行われた黒田日銀総裁の記者会見で、黒田総裁は今回の政策目標変更について多くの質問に回答しましたが、あまり突飛なものはなく予想の範疇のものでした。
但し、金利を目標にすることで国債の買い入れ額の増減がありうるという発言から、総裁自身は否定しているものの、量的緩和の縮小(いわゆるテーパリング)を連想したと思われる円買いドル売りが出て、ドル円は政策発表前の水準に近い101円台後半に下落しています。
また、イールドカーブコントロールは、各年限の水準を細かく決めるのではなく、当座預金金利と10年もの国債金利の二点について決め、起点とすることで全体のイールドカーブを適切な水準に導くこととするとのことです。
今回の政策は実質的に追加金融緩和の見送りであるものを「枠組みの変更」という猫だましで市場の目をそらしたととれないこともありません。しかし、追加緩和があってもなくても円高株安との見方が多かった市場を相手にクラッシュを避け、これまでマイナス金利で一方的負担を強いられてきた金融機関にも配慮を見せ、かつ一段の追加緩和手段を残したという意味では評価できる内容だと考えられます
長期金利コントロールの実現性が今後問われるか
ただし、中央銀行の金利コントロールの範囲は足元の超短期のみというのが常識ですので、中長期の金利を実際に思い通りに誘導できるのかといった実現性の面が今後は問われていくでしょう。
いずれにせよ重いイベントをひとつ乗り切り、次は今晩3:00のFOMCの結果発表とその後のイエレン議長の記者会見に焦点はシフトします。
序盤の欧州株価指数先物は堅調に推移していますが日経225先物は東京終値から小幅反落。
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