ドル続伸、140円台が現実的な上値目標に
〇本日のドル円、連日の年初来高値更新をたどるなか138円後半まで一気に上値を伸ばす
〇アトランタ連銀総裁が「1.00%の利上げを検討する可能性がある」との見方を示す
〇ウクライナとロシア、国連、トルコが対面協議を開き「ウクライナの穀物輸出再開で基本合意」
〇今年の年初来ドル円変動幅が25円を超え、1998年以来の「歴史に残る1年」に
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは138.10-139.50
<< 東京市場の動き >>
14日の東京市場はドル一段高。連日の年初来高値更新をたどるなか、138円後半まで一気に上値を伸ばしている。
ドル/円は137.40-45円で寄り付いたのち、しばらくはレンジ取引。その過程のなかで日中安値の137.35円レベルを示現している。しかし、ジワリとドルが買い進められると、夕方にかけては一段高の展開に。前日に記録した高値137.87円をあっさりと超えただけでなく、138円も突破すると、夕方には138.75-80円まで値を上げている。16時現在、ドルはそのまま高値圏で推移し、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「米金融政策」と「ロシア情勢」について。
前者は、昨日NY時間に発表された6月の米CPIが、前年比でなんとプラス9.1%に。予想を大きく上回る内容で、それを受け次回7月のFOMCでは0.50%や0.75%ではなく、1.00%の利上げを実施する旨も市場の一部では取り沙汰されていた。実際、アトランタ連銀総裁が「1.00%の利上げを検討する可能性がある」との見方を示したほか、アディエモ米財務次官からは「物価押し下げにあらゆる措置を講じる」とした発言が聞かれていたという。
なお、バイデン米大統領は発表された先の米CPIについて「容認し難いほど高い」としつつも、その後のガソリン価格の下落を織り込んでおらず、「情報が古い」と指摘している。
対して後者は、ウクライナとロシア、仲介役の国連とトルコの4者が、トルコのイスタンブールで対面協議を開き、「ウクライナの穀物輸出再開で基本合意」したようだ。来週にも再度イスタンブールで会合を開いて詳細を詰め、署名を目指すという。そうしたなか、EUは「ロシア飛び地への鉄道輸送は制限されない」とし、従来の見解を修正する旨を発表。それを受け、リトアニアはロシア飛び地への「鉄道貨物輸送規制緩和」を一定規模認めることを明らかにした。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場はドル高の動きが再燃しており、連日の年初来高値更新となっている。チャート的に目立った上値メドが見当たらないなか、本日東京では138.70円レベルへと一時達してきた。140円台到達も残り1円強、すでに現実的なメドとなってきた。なお、今年の年初来のドル/円変動を見た場合、その変動幅は実に25円を超えている。これは2008年(年間変動24.8円)を上回り、1998年(同36.2円)以来の大変動。すでに「歴史に残る1年」となっていることは間違いない。
実施された日米財務相会談でも、米国サイドからの「消極的な円安容認姿勢」が改めて示されるなか、前述したような7月FOMCにおける米の大幅利上げ観測が加わり、市場ではドル買い・円売り安心感が根強い。このあとも発表される米経済指標や株価、金利の動きに一喜一憂しつつも、ドル高・円安の流れそのものには変化がなさそうだ。むしろ、さらなるドルの高値を取りに行く可能性も否定できない。
テクニカルに見た場合、ドル/円は本日東京時間だけで1円を超えるドル高進行。昨日記録したドル高値137.87円を1円近くも更新する展開となっている。行きつくところまでいかないと相場は終わらないとの指摘もあり、取り敢えず140円台を少なくとも一度は見ることになるのではなかろうか。
ただ、上昇も急激なだけに、仮に調整が入った際には1-2円程度はアッサリ下落しても不思議はない。
本日は米経済指標として、6月の生産者物価指数や、週間ベースの新規失業保険申請件数発表などが予定されている。またモルガン・スタンレーをはじめとする大手米金融の決算発表、東京時間18時からとされる「岸田首相の記者会見」なども一応要注意か。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは138.10-139.50円。ドル高・円安方向は軽い青天井状態に入っており、明確な上値メドの指摘は難しい。心理的な抵抗ということで139円、あるいは昨日ドル/円4本値を参考にしたピボットテーブルのHBOPにあたる139.15-20円などが一応の抵抗となる。
対するドル安・円高方向は、本日東京の昼ごろに一度揉み合った138円前後が最初のサポート。ただ、割り込んでも底堅そうなイメージだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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