米6月卸売物価指数(PPI)予想
本日(14日)、米国6月卸売物価指数(PPI)が公表されます。昨日の6月消費者物価指数(CPI)は全体・コア共に予想を上回り、先行きのインフレ懸念は払拭されず、27日に予定されているFOMCでは当初50〜75ベーシス(BP)の利上げが大半でしたが、昨日の市場は歴史的な利上げとなる1.0%予想も出てきました。米CPI発表より遅れること1時間半後に、カナダ中銀は1%利上げを実施しました。また日本時間の夜中3時に公表されたベージュブックでは地域でリセッション懸念もあるとの内容でしたが、市場はFRBが先行きのインフレ高進の払拭に重点を置き、利上げによる景気鈍化懸念はその後の対応との見方になっています。
今日発表されるPPIの予想はほぼ前月に近い水準ですので、全体・コア共にインフレ高止まりになっています。PPI自体はある意味CPIの先行指標なので、もしPPIが高止まりしたり、上昇になれば、いずれCPIに跳ね返りますので結果は重要になりそうです。
尚、金利面では、米10年債金利は週初に3%台乗せがありましたが、その3%台が今週ここまでの高値となっており、昨日も金利が低下しています。一方、5年債金利はCPI前に3.00%近辺で推移していましたが、3.14%まで急騰し、終値でも3.06%付近になりました。イールドカーブがベリーの状態を強めています。ベリーや逆イールドは景気先行き懸念を示すことになりますので要注意です。
2022年7月14日12時現在予想
米国の卸売物価指数全体 PPI(オレンジ)とCPI(青)の前年比ベース推移
(オレンジの矢印は今回の予想値、赤はゼロ)
今回のPPIが予想通りになれば、〇印内のCPI(青)がPPI(オレンジ)に沿って頭打ちになっていくのかを見たいと思います。逆に予想以上の結果なら、まだCPIは上昇を続けることになりそうです。
下図はユーロドルの週足チャートです。2021年6月初高値からの抵抗線がA(=1.1060)にあり、ユーロ安トレンドの強い抵抗線です。ここから平行に下したB(=1.0180)でユーロ安トレンドラインを形成していましたが、先週ヒゲで下抜き、終値で戻しました。今週は週初からここを高値にユーロは下落しています。
直近は今年2月高値からの抵抗線C(=1.0610)によってユーロ安がやや急激になっています。同じ様に、ここから平行に下した目安となる下限がD(=0.9980)にあり、昨日ぶつかっています。Dは5月中旬底値に合わせたサポートなので、綺麗な平行線のトレンド下限になっています。
今週はこのサポートも下抜くのか、あるいは一度下値を付けて戻りをやるのか、今日のPPI、明日の小売売上高などが材料になりそうです。もし戻りをやる場合はBを越えられるか否かを見たいと思います。B内で週末終わった場合には、これまでの底値を支えていたE(=1.0340)が次の戻りの目途になります。一方、逆にDを切ると、月足の横サポートが一応の目安になり、2002年7月から4ヶ月程度横這いだった0.9600〜0.9990レンジになります。これからは戻りを売るのか、そのまま突っ込むのか残り2日間の材料になります。そして来週にはECBの金融政策が控えています。
(7月14日15:15 1ユーロ=1.0017ドル)
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