ドル円、米大幅利上げ観測を材料に139円台も突破。140円超えが射程圏内に(7/15朝)

14日(木)のドル円相場は大幅続伸。

ドル円、米大幅利上げ観測を材料に139円台も突破。140円超えが射程圏内に(7/15朝)

ドル円、米大幅利上げ観測を材料に139円台も突破。140円超えが射程圏内に

○ドル円、欧州勢参入後に約23年10ヵ月ぶりの高値となる139.38まで急伸
○約40年ぶりの高水準だった米6月消費者物価指数や、これに伴う米FRBによるタカ派傾斜観測などが背景
○ユーロドル、欧州経済を巡る先行き不透明感などが重石となり、約19年7ヵ月ぶり安値0.9952まで急落
○ドル円、日足・週足・月足の全てで強い買いシグナルが成立し、地合い極めて強い
○ファンダメンタルズも日米金融政策の方向性の違いなど、更なる上昇を連想させる材料が揃う
○本日発表の米経済指標が市場予想を上回る結果となれば、ドル円には強い上昇圧力が加わるものと推察
○本日の予想レンジ:138.00ー140.00

海外時間のレビュー

14日(木)のドル円相場は大幅続伸。@前日海外時間に発表された米6月消費者物価指数が約40年7ヵ月ぶり高水準を記録したことや、A上記@を背景とした米FRBによるタカ派傾斜観測(7月FOMCでの100bp利上げを織り込む動き)、B米当局者による相次ぐタカ派発言(アトランタ連銀ボスティック総裁による「7月FOMCで100bp利上げの可能性を検討する必要がある」との発言や、リッチモンド連銀バーキン総裁による「FRBは経済成長ではなくインフレ抑制に焦点を当てるべき」との発言、クリーブランド連銀メスター総裁による「インフレがピークに達したという説得力のある兆候はない」との発言、サンフランシスコ連銀デイリー総裁による「今月会合での100bp利上げは可能性の範囲内」との発言、イエレン米財務長官による「米国のインフレは受け入れ難いほど高い状態が続いている」との発言など)、C上記@ABを背景とした米長期金利の急上昇(米2年債利回りは一時3.26%へ急上昇→米ドル買い)、

Dチャートポイント(心理的節目138.00や139.00)の上方ブレイクに伴う仕掛け的なドル買い・円売りが支援材料となり、欧州勢参入後に、1998年9月以来、約23年10ヵ月ぶり高値となる139.38まで急伸しました。その後も、E米6月生産者物価指数(結果11.3%、予想10.7%、前回10.9%、※前年比)の伸び率加速や、F米主要株価指数の下げ幅縮小などが支えとなり、本稿執筆時点(日本時間7/15午前6時00分現在)においても、138.95前後での底堅い動きが続いております。

14日(木)のユーロドル相場は上値の重い展開。@欧州経済を巡る先行き不透明感の高まり(ロシア・ウクライナを巡る地政学的リスクの長期化懸念→ユーロ圏のエネルギー供給を巡る不確実性)や、A米FRBによるタカ派傾斜観測(米6月消費者物価指数や米6月生産者物価指数の伸び率加速→7月FOMCでの100bp利上げを織り込む動き→米長期金利急上昇→米ドル買い)、B欧州株の軟調推移、Cドラギ首相辞任表明に伴うイタリアの政局不透明感、Dパリティ割れに伴う仕掛け的なユーロ売り・ドル買い(ロング勢の見切り売り)などが重石となり、米国時間朝方にかけて、2002年12月以来、約19年7ヵ月ぶり安値となる0.9952まで急落しました。もっとも。売り一巡後に下げ渋ると、Eイタリアのマッタレッラ大統領が上記Cのドラギ総裁辞任申し出を拒否したことなどが支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間7/15午前6時00分現在)では、1.0020前後まで持ち直す動きとなっております。

本日の見通し

ドル円は心理的節目138.00や139.00を次々に突破すると、一時139.38(1998年9月以来、約23年10ヵ月ぶり高値圏)まで急伸しました(1/24に記録した年初来安値113.47から僅か半年で25.91円もの暴騰劇)。日足・週足・月足の全てで強い買いシグナル(一目均衡表三役好転や強気のパーフェクトオーダー)が成立するなど、テクニカル的に見て、地合いは極めて強いと判断できます(心理的節目140.00の突破が狙える位置)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@米FRBによるタカ派傾斜観測(米CPIや米PPIの伸び率加速→7月FOMCでの100bp利上げ観測浮上→米当局者は相次いでタカ派的な見解を言及)や、A日銀による金融緩和の長期化方針(黒田日銀総裁は7/11に「必要があれば躊躇なく追加緩和」とハト派的なスタンスを強調)、B上記@Aを背景とした日米金融政策の方向性の違い(日米名目金利差拡大に伴うドル買い・円売り)、C米政府・米当局によるドル高容認スタンス(インフレ抑制に繋がる米ドル高を容認する構え)、D上記Cに伴うドル売り為替介入のやりづらさ(松野官房長官は「急速な円安動向見られ憂慮している」「為替、一層の緊張感を持って注視」と足元の円急落に対して牽制するも市場の反応は皆無)など、ドル円相場の更なる上昇を連想させる材料が揃っています。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。本日発表される米6月小売売上高や、米7月ニューヨーク連銀製造業景況指数、米7月ミシガン大学消費者信頼化指数などが市場予想を上回る結果となれば、米経済を巡る過度な悲観論後退(リスク選好の円売り)と、米FRBによるタカ派傾斜観測の高まり(米金利上昇に伴うドル買い)が組み合わさるため、ドル円には強い上昇圧力が加わるものと推察されます。状況次第では、心理的節目140.00を突破し、歯止めが効かないほどドル高・円安が進行する恐れもあるため、本日海外時間はドル円相場の更なる上昇に警戒が必要でしょう。

本日の予想レンジ:138.00ー140.00

注:ポイント要約は編集部

ドル円、米大幅利上げ観測を材料に139円台も突破。140円超えが射程圏内に

ドル円日足

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