ランド円レポート月曜版
〇先週のランド円、安値8.35、高値8.58到達、強い地合い続け高値圏で引ける
〇ドル円年初来高値更新、南ア5月CPI予想超えによる利上げ期待が背景
〇今週後半発表予定の南ア経済指標:消費者信頼感、PPI、貿易収支、製造業PMI
〇最大の注目材料PPI、予想14.0%上回る場合、7月中銀会合での0.5%利上げ思惑強まる可能性も
〇今週は8.35レベルをサポートに8.65レベルをレジスタンスとする週とみる
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、「サポートラインが位置する8.20レベルをサポートに、テクニカルなターゲット8.55レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が8.35レベル、高値が8.58レベルと、思った以上に狭いレンジの中でもみあいの一週間となりました。
先週のランドは、週初こそ全く動きが見られませんでしたが、火曜にドル円が年初来高値を更新する動きと、水曜に発表された南ア5月CPIが予想(6.2%)よりも強い6.5%(前月5.9%)となったことによる利上げ期待から週半ばまでは強い地合いを続けていました。その後木曜にいったん週初の水準に押す場面も見られましたが、週末に向けて改めて買いが強まり高値圏での引けとなっています。
今週の南ア関連の材料としては週後半連日経済指標が発表されます。水曜の消費者信頼感、木曜のPPIと貿易収支、金曜の製造業PMIですが、利上げ思惑が高まっている中でPPIが最大の注目材料となりそうです。CPIが予想以上に強かったことからPPI(前月13.1%)も予想(14.0%)よりも強いようだと7月の中銀会合で0.5%利上げ思惑が強まるきっかけとなり、短期的にはランド買い材料となる可能性があります。
また17日のニュースとなりますが、ラマポーザ大統領が保有する農場で強盗事件が発生し、盗難に遭ったのが大統領の隠し財産で、脱税疑惑を避けるために犯人を捕まえた後に口止め料を渡して釈放したとされ、警察の捜査が入っている模様です。大統領は隠し財産について否定しているものの、今後どのような広がりを見せるのか念の為注意しておきたいところです。
今週は南ア関連のニュース以外に週前半はECB年次フォーラムで中銀関係者の講演が続くため、こちらも気にしておきたいところですが、ランド円に影響が出る可能性があるかとなると、よほど想定外の発言が飛び出さない限り影響は少なそうです。それよりも短期的に調整が続きそうなドル円の動きが今週のランド円には一番影響が出やすいと言えるでしょう。
テクニカルにはいつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)をご覧ください。
先週の高値は6月9日高値と16日安値のほぼ61.8%戻し水準で上値が重くなりましたが、週末に向けて改めて上昇したことで、次に先週高値を上抜ける時は78.6%(61.8%の平方根)戻しの8.66レベルをターゲットにしてくるでしょう。また下値はピンクのサポートラインが5月12日安値を起点としたサポートラインで今週は8.30台へと上昇してきます。
これらを合わせて考えると、テクニカルには引き続き底堅い展開を続けやすいと見てもよさそうです。今週はサポートが位置するラインより若干上の8.35レベルをサポートに、リトレースメントのターゲットと重なる8.65レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
注:ポイント要約は編集部
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