欧州中央銀行(ECB)政策金利発表の予想(22/6/9)

開催中のECB金融政策会合の議事内容が本日記者発表されます。

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欧州中央銀行(ECB)政策金利発表の予想(22/6/9)

欧州中央銀行(ECB)政策金利発表の予想

(2022年6月9日木曜日:東京時間20時45分、ラガルド総裁記者会見は21時30分)

開催中のECB金融政策会合の議事内容が本日記者発表されます。その後はラガルド総裁の記者会見が予定されています。 今回のECB会合でも大半が金利据え置き予想(一部で利上げ予想)ですが、次回の7月会合(21日)で最初の利上げ見込みとなっています。また下表(1)の各金利も据え置きですが、予想レンジに幅が出てきています。今回の会合では将来の利上げに対して地ならしの議論があるか無いかを見極めることになりそうです。

(1) 欧州中央銀行政策金利予想

(1)	欧州中央銀行政策金利予想

(6月9日9時00分現在)

今回の注目点は
@ 最近のECB関係者発言(下記(2)をご参照願います)によれば、7月会合で最初の利上げを発言している委員が多く、今回のエコノミスト予想中間値でも据え置きとなっています。
A 一方で、ウクライナ戦争の長期化からエネルギー価格が高騰し、インフレ懸念が非常に高まっています。9月以降の会合でも一段の利上げ予想が増えています。下表見ると、前回は年内の利上げ予想がありませんでしたが、僅か2ヶ月で利上げ開始に傾いています。そして第4四半期には中間値で0.5%への利上げ予想になっています。
B 昨日発表されたユーロ圏第1四半期のGDP確定値が大きく上方修正されたことは市場のサプライズになっており、場合によりタカ派的発言が多くなる可能性が出てくるとの見方があります。
C 今回はECB内でのタカ派とハト派の協議でどの位の熱量の違いがあるかを見る会合となりそうです。

ECBの政策金利予想

ECBの政策金利予想

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(2)最近のECB関係者の発言

6月2日 フランス中銀総裁 「ECBの政策正常化は必要」
「ECBの正常化は引き締めではない」
6月1日 オーストリア中銀総裁「新たなインフレ指標は50BP利上げの必要性を支持」
5月30日 レーンECB専務理事 「ECBは0.25%ずつの利上げをすべき」
5月27日 独連銀総裁    「ECBの最初の利上げは7月、下半期にも追加利上げ」
              「緩和策の解除が市場の混乱に繋がらないことが必要」
5月27日 スペイン中銀総裁 「ECBの利上げプロセスは段階的であるべき」
5月25日 オランダ中銀総裁 「ECBの利上げ協議は6月ではなく、7月に行われる」
              「0.50%の利上げは議題から外れていない」
5月25日 フィンランド中銀総裁「7月に0.25%の利上げをすべき」
5月24日 ECB総裁   「第3四半期末の金利はプラスに転じる可能性高い」
             「金利はゼロかそれより少し上であれば良い」

(3)前回のECB記者発表の一部抜粋

以下は前回4月14日会合のECB金融政策記者発表要旨です。今回は「主要なECB金利」の項目内にあるインフレが十分2%に達しなどの前提条件が変わったのか、満期到来の債券元本の再投資に関するニュアンスが変わるか等が注目されます。

(議事要旨一部/記者発表要旨)

(3)前回のECB記者発表の一部抜粋

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(3)前回のECB記者発表の一部抜粋 2枚目の画像

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(3)前回のECB記者発表の一部抜粋 3枚目の画像

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(3)前回のECB記者発表の一部抜粋 4枚目の画像

(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。

下図はユーロドルの週足チャートです。昨年6月高値からの抵抗線A(=1.1145)とそこから平行に下した目安となる下限トレンドラインB(=1.0350)でユーロ安トレンドは継続しています。ここ数週間はユーロが戻り高基調になっています。今日のECBを前にして、今年2月中旬高値からの抵抗線C(=1.0790)まで戻ってきました。今日はこのCを上抜けてもう一段の戻り高を狙えるのか、それともCに遮られてB方向に戻るのかを確かめる日になっています。もしB方向になった場合は直近の底値を付けた陰線・陽線の開始時点であるD(=1.0530)が最初の強いサポートになりそうです。逆に、もし上抜けた場合は、1.0920〜30、1.0990、1.1050の順に抵抗線があり、来週のFOMC結果を待ち受けることになります。

(3)前回のECB記者発表の一部抜粋 5枚目の画像

(2022年6月9日10:00、1ユーロ=1.0712ドル)

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