トルコリラ円レポート月曜版(22/5/30)

先週のトルコリラ円は安値7.67レベル、高値が8.10レベルと、予想レンジよりもわずかにトルコリラ安の動きを示しました。

トルコリラ円レポート月曜版(22/5/30)

トルコリラ円レポート月曜版

〇先週のトルコリラ円、週間安値7.67レベル高値8.10レベル、週初からじり安推移
〇トルコ中銀予想通り政策金利を14%に現状維持、高インフレ下での金融緩和続く
〇今週3日発表予定5月CPI(128.0%予想)、PPI(74.0%予想)、前回から更なる上昇か
〇北欧2か国NATO加盟申請、エルドアン大統領改めて反対示すが現時点で相場影響なし
〇今週は7.50レベルをサポートに8.00レベルをレジスタンス、リラ安継続しやすい流れとみる

まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、「直近安値と年初来安値の水準を参考に引き続きトルコリラ安の動きを継続すると考え、7.70レベルをサポートに、8.20レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値7.67レベル、高値が8.10レベルと、予想レンジよりもわずかにトルコリラ安の動きを示しました。

先週のトルコリラは、26日に政策金利発表がありましたが予想通りの現状維持の14.0%。CPIが70%近いにも関わらずエルドアン大統領の顔色を伺って引き締めに動けないという状態が続いているため、週初からトルコリラはじり安となり発表直後に週間安値となる7.67レベルをつけ、週末まで安値圏でもみあいのまま引けました。

またエルドアン大統領がNATOへの加盟を申請しているフィンランドとスウェーデンに対して改めて反対の姿勢を示しましたが、こちらは決着までまだ時間がかかりそうですし、現時点ではトルコリラ相場への影響は特に無いものと見られます。

今週は31日に1〜3月期GDPと4月貿易収支、2日に外貨準備、3日に5月CPI・PPIの発表がありますが、注目はやはりインフレ指標のCPI・PPIです。高インフレにもかかわらず中銀は緩和的な金融政策をとっていますし、エネルギー価格などは高止まりしている影響でPPIが128.0%(前回121.82%)と信じがたい数字が予想されています。CPIも74.0%(前回69.97%)と更なる上昇予想となっています。

高インフレ下で緩和的な政策となっていることから、今週も引き続きトルコリラ安は継続すると見てよいのですが、ここから下の水準となると12月につけた史上最安値6.09レベルしか目安となるポイントはありません。あえて言うならば、7.5円、7.0円といった50銭刻みの水準がその手前の節目という見方しかできそうもありません。

既に年初来安値は割り込んできましたが、いつもの時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。

トルコリラ円レポート月曜版

今週は参考にする水準として先々週の安値7.94と節目7.50にピンクの水平線を引きました。最近の週間レンジも50銭程度ですから、これらの水準を参考にして7.50レベルをサポートに、大台8.00レベルをレジスタンスとトルコリラ安が継続しやすい流れを見ておきます。

注:ポイント要約は編集部

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