ユーロ安トレンド不変(週報2016年9月第二週)

ECBの資産買い入れ期

ユーロ安トレンド不変(週報2016年9月第二週)

ユーロ・ドル:9月5日からの先週

5日は、前週末の引けの1.1153で始まり、東京時間にはその後は穏やかにじりじりと上昇を続け5日高値の1.1182をつけました。欧州時間に入り、独の州議会選挙でメルケル首相の政権党の敗北と伝わり、ユーロが売り先行で5日安値の1.1138まで下押ししました。その後、やや上戻して1.1147でひけました。

6日は、前日引けの1.1147で始まり、東京時間にやや下押しして6日の安値1.1140をつけました。NY時間入り、一連の米経済指標が悪くドル売りが強まって、ユーロは6日高値の1.1263まで上伸、その後やや下押しして1.1254でひけました。

7日は、前日引けの1.1255で始まり、1.1233へ下げ、1.1265へ上げ、その次7日安値の1.1228まで下押しして、次は7日の高値の1.1272まで上戻しと、レンジ内でもみ合った後、1.1239でひけました。

8日は、前日引けの1.1238で始まり、直後にやや下押しして付けた1.1233が8日の安値になりました。その後は、じりじりと上昇を続け、NY時間に入り、ECB理事会後にドラギ総裁会見中に8日の高値の1.1327まで上昇を続けましたが、会見終了後は一転ユーロ売りになり1.1240まで下押ししましたが、アジア時間の安値に届かずで、やや上戻し1.1260でひけました。因みにECBは市場の予想通りに、政策金利を据え置きました。

9日は、前日引けのの1.1259で始まり、東京時間に穏やかにじりじりと上昇を続け9日の高値の1.1285を付けました。
欧州時間に入り、FRB高官発言でドル買いとなり、ユーロは売られ9日安値の1.1198まで下押ししました、その後やや上戻して1.1235で週を引けました。

ユーロ・ドル:9月12日からの今週

CME通貨先物ポジション状況: 9月6日時点
   (9月6日)    (8月30日)    (8月23日)
円    54489     63661    60316 
ユーロ ▲92630   ▲81925   ▲76658
ポンド ▲89969   ▲92485   ▲94978

シカゴIMM:投機・投資家筋のポジションで9月6日付けのネットのユーロの売り持ち高は前週から更に増加。
過去最高の買い持ち高は、2007年5月15日 +119,538、
過去最高の売り持ち高は、2010年2月9日 -57,152

シカゴVIX指数:投資家の恐怖心理の度合いを示す指数、
17.50(+4.99)日中高値は17.54、大幅上昇で引け。米株が大きく下げ、リスク・オフ的な動きが強まり指数を押上げた。過去最大は2014年の31.06、過去最安は1993年の8.89、直近では2006年の9.39

今回のECB理事会では政策変更は無く、金利据え置きでした。
それ自体は市場の予想通りでしたので、問題はなかったのですが、
今後の留意点は
1. ドラギ総裁は、今のユーロ圏の経済状況は決して強くなく、現行の量的緩和(QE)は必要であり
今後も継続する旨を述べています。
2. ですが問題はその量的緩和(QE)に期限があるのです。
今のままですと来年2017年3月には終了になってしまいます。
3. 今年残されたECB理事会は10月20日と、12月8日の2回です。
極端を言えば来年2017年1月19日の会合でも間に合うかもしれません。
ただ、その次の来年2017年3月9日の会合では遅いでしょう。
4. という事は、今後10月、12月、来年1月のいずれかの理事会で
現行の量的緩和(QE)を延長してくると想定します。
5. そこで起こってくる問題は、
今でも毎月800億ユーロもの適格債権を市場から吸い上げて
資金を市場に供給している訳です。
一般の民間債券市場に、そのうち適格債権が枯渇してくるはずで
とすれば、債券市場が機能しなくなり、ひいてはユーロ圏の金融市場が
機能しなくなてしまう可能性がある事です。

6. 同様な意味で、中央銀行としてのECB のバランスシートがこれ以上の
帳簿肥大に耐えられるのかという問題が浮上します。
7. いずれにせよ、上記4.の延長の際に上記5.と6.への配慮を加えた
堅しになるでしょう、少なくともただ単に期間延長はないと想定します。

予想レンジは、1.1100~1.1400 と見ます。

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る