トルコリラ円レポート月曜版
〇先週のトルコリラ円、安値8.38レベル高値8.64レベル、ドル円円安地合いで上昇
〇トルコ中銀政策金利、予想通り現状維持でドルトルコリラ動きなし
〇中銀、輸出業者の外貨収入売却比率引き上げ検討と発言、リラ安阻止政策として実行可能性も
〇今週トルコ関連材料少ない、円安継続によってリラ9円大台回復向かうか注視
〇今週は8.45レベルをサポートに8.70レベルをレジスタンスとする週とみる
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、「ドル円が円安(トルコリラ高)を引っ張る展開を考え、先週の安値圏8.30レベルをサポートに1月末高値(8.65)に近い8.60レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が8.38レベル、高値が8.64レベルと、予想よりもややトルコリラ高での取引となっていました。
先週のトルコリラは、週初にドルトルコリラでトルコリラ高となるいっぽうでドル円では円安となったことからトルコリラ円が上昇しました。これは月曜と火曜に発表されたトルコの経済指標が軒並み予想よりも良かったこと、円については日銀大阪支店長の円安歓迎発言とそれぞれがトルコリラ円の買いに作用し、週初の安値8.38レベルから水曜には週間高値となる8.64レベルをつけることとなりました。
木曜にはトルコ中銀の政策金利発表がありましたが、こちらは予想通りの現状維持となったことで木曜以降のドルトルコリラに動きは見られませんでしたが、ドル円が週を通して円安地合いを続けたことでトルコリラ円は週間高値圏で一週間を終える動きとなりました。
他に気になったニュースとしてはトルコ中銀が輸出業者に義務付けている中銀への外貨収入売却比率を25%から40%に引き上げることを検討していると12日に発言したことです。一部では50%に引き上げるとの見通しもあり、現状ではまだ結論は出ていないようですが、今後の新たなトルコリラ安阻止の政策として実行に移される可能性は高そうです。しかし輸出業者は当然のように反発していますので、しばらくは紆余曲折があるものと見られます。
今週のトルコ関連の材料は特に目立ったものはありませんので、どちらかといえば円安が今後も継続するのかどうか、それによってトルコリラ円が9円の大台回復方向へと向かうのかどうかというところです。このあたりはテクニカルに見て行きましょう。今週はまずトルコリラ円の日足チャートからご覧ください。
トルコリラ円は12月に史上最安値を更新し6.09をつけ、その後の通貨防衛のための預金保護政策などで11.07まで戻しました。急な反発後は反動から下げたものの12月レンジの半値8.58水準は比較的居心地がよい水準に思えます。3月以降はトルコ関連で大きな材料は出ていませんが、ドル円で急速に円安が進行したことで3月安値以降はじり高となり居心地がよい水準に戻してきたという図です。
円安が続けば結果としてトルコリラ円でも円安となりトルコリラが動かなくてもじり高ということになりそうですが、ドル円は中期的には130円の大台超えを狙うとは見られるものの短期的にはスピードも速くここからの上昇ペースは鈍ってくるかもしれません。そうなるとトルコリラ円は半値8.58レベル前後での動きとなってくるのではないかと考えられます。
いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)もご覧ください。
赤の水平線が半値の8.58です。最近のトルコリラ円の週間レンジは20〜25銭程度と比較的落ち着いた動きをしていることが多く、今週も25銭程度のレンジでのもみあいを続けると考えることは妥当です。そうなると8.58を中心として8.45〜8.70というレンジを想定した上で、円安が進むようであれば10銭程度の上振れというあたりが妥当でしょう。
あまり強い理由ではありませんが、今週は最近のレンジともみあいの中心を想定した上で、8.45レベルをサポートに8.70レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
注:ポイント要約は編集部
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