欧州で休場多いなか、円安基調は継続(4/18夕)

週明け18日の東京市場はドルが強保ち合い。先週示現した年初来高値を早々に更新する局面も観測されている。

欧州で休場多いなか、円安基調は継続(4/18夕)

欧州で休場多いなか、円安基調は継続

〇本日のドル円強持合いで推移、一時126.80レベルをつけ、先週末に記録した年初来高値を上抜ける
〇鈴木財務相、日銀黒田総裁、本日も過度の為替変動牽制コメント、黒田総裁は円安容認ととれる発言も
〇円全面安の様相、ファンダメンタルズ、日本からの資本流出懸念に裏打ちされた円安、当面続くか
〇ワシントンで行われる国際通貨基金と世銀の春季会合にウクライナ首相出席予定、政治ファクター要注視
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは126.10-127.10

<< 東京市場の動き >>

週明け18日の東京市場はドルが強保ち合い。先週示現した年初来高値を早々に更新する局面も観測されている。

先週末、ウクライナのマリウポリをめぐる状況が一気に緊迫度を増したと話題に。またはっきりしないが、北朝鮮が16日に「新型戦術誘導兵器」を試射したとの情報も一部で取り沙汰され思惑を呼んでいたようだ。
そうした状況下、ドル/円は126.40円レベルで寄り付いたものの、基本的にはレンジ取引。先週末に続き、本日もイースターマンデーで休場となる市場が多く、積極的な売買は見送られている。ただ、取引時間中に一度も126円を割り込まないなど底堅いうえ、一時的に126.80円レベルを付け、先週末に記録した年初来高値126.68円を早くも上抜けるなど、終日を通してドルは強保ち合いだった。16時現在、ドル/円は126.55-60円で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「円安けん制発言」について。
前者は、ロシア国防省が、ウクライナ南東部マリウポリを制圧したと発表。そのうえで、製鉄所に立てこもる同国部隊に対し「抵抗を続ければ全滅させる」と警告したことが話題に。それに対してウクライナ側は、ロシアによる投降要求を拒否したほか、ゼレンスキー大統領から「戦争を終結させるために領土は手放さない」、「マリウポリ軍全滅なら停戦交渉は打ち切りも」−−といったコメントが発せられていたようだ。なお、そんなウクライナの首相などは今週ワシントンを訪問。G7など各国の当局者と会談するほか、21日に世界銀行が主催するウクライナ問題をめぐる会合に参加することが明らかとなった。

対して後者は、前述したように東京時間に一度も126円を割り込むことのない状況下、本日も政府要人などから円安けん制発言が相次いでいる。たとえば、鈴木財務相からは「価格転嫁できず賃金も伸びない状況はいい円安とは言えない」、「為替の過度な変動や無秩序な動きは悪影響を与えうる」。また黒田日銀総裁からも、「為替相場は安定推移が望ましい」とのコメントが聞かれたものの、一方で「円安が全体としてプラスという評価は変えていない」とした円安容認ともとれる発言も発せられていた。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円のドル高・円安傾向が依然として止まらない。本日東京時間は、豪シドニーなどの休場もあってか動意はさほど活発ではなかったが、それでも年初来高値を再び更新する126.80円レベルまで一時値を上げている。このあともロンドンなど欧州市場が休場となることで、商い自体はやや薄いことが予想されるなか、ドルはさらなる上値トライ。127円台乗せといった展開をたどる可能性も否定できない。
「日米の金利差」そして「日本の貿易収支悪化」が主要な円安要因として指摘されるなか、足もとを含めた為替市場は円全面安の様相。さらにいえば、世界で1-2番目に弱い通貨が現在は日本円となっている。しかし投機だけでなく、ファンダメンタルズや日本からの資本流出懸念という広義需給要因に裏打ちされている環境下では、容易に流れが変わるとも思えない。市場が総強気ともいえるムードを醸し始めていることは若干気掛かりだが、円安基調そのものはまだしばらく続く見込みだ。

テクニカルに見た場合、2015年高値の125.86円を上抜けたドル/円には、ここからしばらく目立った抵抗がうかがえない。軽い青天井状態で、それを裏付けるように連日の高値更新となっている。目先的には本日東京高値の126.80円レベルをめぐる攻防に注目だが、超えればいよいよ127円台乗せをうかがう展開も。
ちなみに、ピポットを使用した上値メドは、「S1」が東京高値にほぼ合致する126.80円レベル、そして「S2」は127.15円レベル、「LBOP」は127.60円レベルとなる。

材料的に見た場合、中長期的には本日発表された1-3月のGDPが予想を上回ったものの、景気減速を強く裏付けた「中国情勢」。16日から部分的なロックダウンを行うと発表された中国・西安をはじめとする「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」、「エネルギー・穀物相場」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、4月のNAHB住宅市場指数が発表されるほか、米金融大手のバンク・オブ・アメリカなどによる決算発表も予定されている。また国際通貨基金(IMF)と世銀の春季会合がワシントンで行われるが、ウクライナ首相などが併せて訪米するとされるだけに、一連の政治ファクターには要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは126.10-127.10円。ドル高・円安方向は、本日東京高値の126.80円レベルの攻防にまず注目。抜ければ127円台乗せをうかがう展開も。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値にあたる126.25円レベルが最初のサポートとして意識されそうだ。ただ、割り込んでも目先126円をクリアに下回る展開はなかなか予想しにくい。

欧州で休場多いなか、円安基調は継続

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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