南アランド週報:『オシレータ系インジケータに過熱感が再点灯。反落リスクに要警戒』(4/9朝)

南アランド円は今週も8.50円前後で底堅い動きが継続中

南アランド週報:『オシレータ系インジケータに過熱感が再点灯。反落リスクに要警戒』(4/9朝)

『オシレータ系インジケータに過熱感が再点灯。反落リスクに要警戒』

〇今週の南ア円、早々に週間安値8.33まで下落するも週央にかけ8.48まで上昇
〇ムーディーズの南ア格付け見通しの上方修正、国家緊急事態宣言解除発表、南ア指標の好調が背景
〇その後一旦は8.35に反落するも、景況感の改善、円独歩安に週末8.50まで急伸
〇南ア円、テクニカルの地合い強いが、オシレータ系インジケータに過熱感(高値警戒感)が点灯
〇ファンダメンタルズも中国での感染拡大、資源価格上昇一服等不安材料多い
〇来週は南アランド円相場の反落をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):8.30ー8.60

今週のレビュー(4/4−4/8)

今週の南アフリカランド円(ZARJPY)相場は、週初8.36円で寄り付いた後、早々に週間安値8.33円まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、@格付け会社ムーディーズによる南アフリカの格付け見通しの上方修正(ネガティブ→安定的)や、Aラマポーザ南ア大統領による新型コロナウイルス感染症対策の国家緊急事態宣言の解除発表、B南ア3月民間PMI(結果51.4、前月50.9)の力強い結果(4カ月ぶり高水準)が支援材料となり、週央にかけて、一時8.48円まで上昇しました。

その後は、C南アフリカと経済的な結び付きの強い中国における新型コロナウイルスの感染拡大懸念(主要都市でロックダウン措置継続)や、D米FRBによるタカ派傾斜観測(ブレイナードFRB理事によるタカ派発言やFOMC議事要旨のタカ派的な内容→米長期金利上昇→新興国からの資金流出圧力)、E南アフリカの主要産品である金やプラチナ価格の軟調推移(特にプラチナ価格は本年1/11以来、約3ヵ月ぶり安値圏へ下落)が重石となり、週後半にかけて一時8.35円まで反落する場面も見られました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、F南ア3月SACCI景況感指数(結果95.6、前回94.1)の力強い結果や、G対主要通貨での円独歩安が支援材料となり、週末にかけて、週間高値8.50円まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4/9午前5時00分現在)では8.49円前後で推移しております。

来週の見通し(4/11−4/15)

南アランド円相場は昨年11/26に記録した安値6.93円をボトムに反発に転じると、本年3/28にかけて約3年9ヵ月ぶり高値となる8.62円まで急伸しました(今週も8.50円前後で底堅い動きが継続中)。ローソク足が主要テクニカルポイントを軒並み上抜けした他、強い買いシグナルを示唆する三役好転が成立するなど、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます。但し、オシレータ系インジケータに過熱感(高値警戒感)が点灯しているため、ここからの更なる上昇は容易ではない(逆張りが出易いチャート形状)と考えられます。

ファンダメンタルズ的に見ても、@中国における新型コロナウイルスの感染再拡大(南アフリカと経済的な結びつきの強い中国の景気減速懸念)や、A資源価格の上昇一服(南アフリカの主要産品である金やプラチナ価格の反落→南アフリカの交易条件悪化懸念)、B米FRBによるタカ派傾斜観測(米長期金利急上昇→過剰流動性相場逆流懸念→新興国から米国への資金流出圧力)、C南アフリカ経済の先行き不透明感(国営電力会社エスコムによる相次ぐ計画停電→南ア国内の慢性的な電力不足)、D南アフリカの政情不安(過去最大規模の失業率)など、南アランド円相場の下落を連想させる材料が増えつつあります。南ア中銀による利上げ観測が一定下値を支えつつも、特に上記Aのコモディティ価格の下落とそれに伴う交易条件悪化が次第に南アランドの重石になってくると見られ、来週は南アランド円相場の反落をメインシナリオとして予想いたします(尚、来週はコモディティ価格の動向に加えて、南ア2月製造業生産高や南ア2月小売売上高などに要注目)。

来週の予想レンジ(ZARJPY):8.30ー8.60

注:ポイント要約は編集部

『オシレータ系インジケータに過熱感が再点灯。反落リスクに要警戒』

南アランド円日足

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