ECB金融政策会議議事要旨(22/4/8)

会合は2022年3月9・10日開催分

ECB金融政策会議議事要旨(22/4/8)

ECB金融政策会議議事要旨

昨日(4月7日木曜日)、3月中旬に行われたECB金融政策会議の議事要旨が公表されました。
内容はインフレ懸念が高まっているが、2月下旬のロシア・ウクライナ戦争の勃発により、不確実性が非常に高まっていると指摘し、引き締め気味に推移しそうな金融政策が一転、様子見となりました。以下は一部メンバーが純資産購入を夏に止め、利上げ開始に動き易い様にすべきとの意見がありましたが、多くは様子見を主張した箇所の和訳です。

@ECBの運営審議会での金融政策会合内の一部抜粋

「・・・今回の会合での行動を呼びかけた委員の間で、今夏でAPP下の純資産購入の最終期日を設定し、その日までに展開したイベントなどの条件を付けないことを提起する幾人かのメンバーもいた。こうすることで、インフレ見通しの悪化の観点から、今年の第3四半期には利上げ可能な道筋を明確にできるとした。資産購入のオプションを維持することは、コストが掛からない訳ではないが、とりわけ「後手に回る」リスクを勘案していくことである。

その他のメンバーは、ロシア・ウクライナ戦争により引き起こされた高い不確実性を勘案すると、今回の会合では「様子見スタンス」を採る選択を表明した。戦争前の状況では、景気回復に伴う金融政策支援の幾つかの撤廃が求められたかもしれないが、2021年12月に採られた正常化の決定に加え、慎重な調整という形で、引き締めサイクルへの開始は求められなかった。戦争から生じた新たな環境下では、大胆な措置は正当化されず、信頼をさらに低下させる可能性がある。この戦争は2月会合以降のマクロ経済見通しの大幅な変化を暗示し、代替シナリオ(ECBはベースラインシナリオと2つの代替シナリオを作成)では、ユーロ圏が夏にテクニカルな景気後退に陥る可能性も示唆していた。・・・(以下略)」

ECBの運営審議会での金融政策会合のページより引用

A金融政策会合後の記者発表要旨の一部

「ウクライナへのロシア侵攻は欧州に対し分水嶺となっている。運営審議会はウクライナの人々に全面的な支援を表明する。円滑な流動性状況を確保し、EUや欧州政府により決定した制裁を実施する。運営審議会はECBの物価安定を遂行する使命や金融安定を守るために必要とされるあらゆる行動を行うつもりである。

資産購入プログラム(APP)

直近の査定に基づき、不確実な環境を考慮に入れて、本日、運営審議会は今後数ヶ月間のAPP購入スケジュールを改訂した。APPの毎月の純購入額は4月400億ユーロ、5月300億ユーロ、6月は200億ユーロとする。(注:前回は2022年の第2四半期で400億ユーロ、第3四半期で300億ユーロになる)第3四半期の純購入額の目安はデータに基づき、査定する見通しの進化を反映したものとなる。もし入手するデータが、中期インフレ見通しが純資産購入後も弱くならないとの予想を支持するようなら、運営審議会は第3四半期にはAPP下での純購入を終了する。もし中期インフレ見通しが変わり、金融情勢が2%目標に向けた更なる進展と一致しないようなら、運営審議会は、純債券購入の規模や期間に関するスケジュールを改訂する用意はある。

また、運営審議会は、APP下で購入され、満期到来した債券の元本全額の再投資を継続していく意向である。これは主要なECB金利の引き上げ開始した日を過ぎてまで伸ばし、いずれの場合でも、好ましい流動性条件と十分な程度の金融緩和状況を維持するに必要な限りである。

主要なECB金利

主要な借り換え業務に関する金利や限界貸付金利、あるいは中銀への預金金利はそれぞれ0.00%、0.25%、▼0.50%で据え置いた。

主要金利のいかなる調整はAPP下で運営審議会の債券購入終了後暫くしてから行われ、かつ緩やかなものになる。主要ECB金利の道のりは運営審議会のフォワードガイダンスや、中期インフレを2%で安定させるという戦略的コミットメント(約束)により引き続き決定される。従って、運営審議会は主要ECB金利が現状水準で維持されると予想している。それは予測期間の終わりや残りの予測期間中にインフレが十分2%に達し、実勢インフレの進展具合が中期的に2%で安定していくインフレと一致するように十分進んでいると判断されるまでである。」
(以下略)

金融政策会合後の記者発表要旨のページより引用
(以上)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。

下図はユーロドルの週足チャートです。今日週足ができますが、昨日まではほぼ丸坊主の陰線になっています。週初寄りが1.1046、今週の底値が1.0865ですので、少なくとも下値トライ失敗になるには、今日のNY終値で1.10台乗せで終わることが必要になります。
流れは抵抗線A(=1.1335)でユーロ安トレンドになっており、そこから目安となるB(=1.0785)乃至C(=1.0725)でトレンドラインを形成しています。今日このまま終われば、来週以降1.08のダブルボトムを探る流れの中にいます。上値は実体線ベースで止められているD(1.1050)とユーロ下落時サポートと切れてからの戻り高値のE(=1.1160)が上値目途になります。

ECB金融政策会議議事要旨

(4月8日13:10、1ユーロ=1.0860ドル)

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