新レンジ形成か、ドル/円は強保ち合いも
〇本日のドル円、123.95レベルで寄り付き124.20-25へと上昇、その後急反落で123.70レベルまで下落
〇2日以上70-80ポイント程度のレンジ取引で明確な方向性に欠ける、新たなレンジを形成しつつあるか
〇足もとは調整局面の様相、123円台後半中心のレンジ取引がしばらく続く可能性
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは123.60-124.50、本日東京高値124.20-25の攻防に注目
〇ドル安・円高方向は、本日東京安値123.70前後が最初のサポート
<< 東京市場の動き >>
8日の東京市場はドルが乱高下。値幅は決して広くないが、それでも124.20-25円へと一時値を上げていた。
ドル/円は123.95円レベルで寄り付いたのち、ドルは日中高値の124.20-25円へと上昇。しかし、そののち急反落に転じると124円をあっさりと割り込み、123.70円レベルまで一気に下落した。ただ、目先のボトムを示現後はドルが再上昇。終盤に掛けては124円台を回復し、16時現在でもそのまま高値圏で欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「新型コロナ」について。
前者は、引き続き欧米諸国などによる「戦争犯罪」疑惑を背景にした厳しい対露制裁の話が相次いでいる。たとえば、国連人権理が「ロシアのメンバー資格停止」を表明したほか、米議会はロシア向けの「石油禁輸と最恵国撤回めぐる制裁法案」を可決した。ただ、そうしたなかハンガリーは、「ロシア産ガスの購入代金をルーブルで支払う用意がある」と表明。ウクライナ外務省からクレームが入るものの、態度を改める考えがないことを明らかにするなど、欧米もいまひとつ一枚岩になり切れていない面がうかがえる。
対して後者は、米国ではレモンド商務長官、ガーランド司法長官に続き今度は米ペロシ下院議長の感染も判明。それもあり、週末に予定されていた訪日や訪台の延期も余儀なくされている。また、別途欧州ではラガルドECB総裁の新型コロナ罹患が明らかとなった。ちなみに症状は軽く、自宅にて勤務する方針だという。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、6日と7日そして本日東京時間と2日以上も70-80ポイント程度のレンジ取引。123円台後半を中心とした一進一退で、明確な方向性には欠ける状況だ。中期ドル高基調のなかの時間調整から、新たなレンジを形成しつつある感も否めない。予断を許さないものの、123円台後半中心のレンジ取引がいましばらく続く可能性もある。
ハト派に分類されるブレイナードFRB理事まで積極的な利上げ見通しを語るなど、米国の利上げ観測は極めて強く、それがドル/円でもドルの強力な支援要因となっていることは間違いない。ただ、本邦政府要人などによる円安けん制発言も多く観測されたことで、市場ではドル高・円安も一服。足もとは調整局面ともいえる様相だ。次なる材料をにらみつつ、米株や金利、原油相場などの行方などをしっかりと見極めたい。
テクニカルに見た場合、ドル/円はドル高の調整局面。しかし、6日以降本日にかけては123.45-124.25円といったレンジ取引だ。今週初めまでは一日で1円以上の乱高下をたどることも少なくなかったものの、さすがに落ち着きを取り戻しつつあるようだ。年初来高値である125.10円も薄っすらと視界内に捉えられていることは気掛かりだが、近くて遠い存在という気がしている。足もとドルの上値は重い展開か。
材料的に見た場合、中長期的には昨日日米外相が会談し「中国をめぐる諸課題」に結束して対応することでも一致したとされる「中国情勢」。日本もロシア産の石炭輸入制限検討を表明するなど市況への影響も注視される「エネルギー・穀物相場」、「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、2月の卸売売上高などが発表されるほか、ギリシャ中銀など欧州中銀総裁による講演が相次ぎ実施される見通しだ。ただ、決定事項としてはいささか材料が少なめと思われる。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは123.60-124.50円。本日東京高値の124.20-25円の攻防にまずは注目。抜ければ125.10円も視界内に。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値123.70円前後が最初のサポート。抜けても123円半ばなどでは底堅そうで、大崩れするイメージは乏しい。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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