トルコリラ円見通し トルコCPI上昇は想定内で小動き(22/4/5)

トルコリラ円の4月4日は8.37円から8.32円の取引レンジ、5日早朝の終値は8.35円で先週末終値の8.33円からは0.02円の円安リラ高だった。

トルコリラ円見通し トルコCPI上昇は想定内で小動き(22/4/5)

トルコリラ円見通し トルコCPI上昇は想定内で小動き

〇トルコリラ円、4/4トルコCPI発表後は上昇するも想定内で反応は限定的、8.35を中心とした横ばい推移
〇対ドル、4/4は14.71から14.67の取引レンジ、様子見の動きにとどまっている印象
〇消費者物価上昇率は上昇基調収まらず、20年ぶりの高水準、生産者物価上昇率も27年ぶりの高水準
〇8.32以上での推移中は上向きとし、8.37超えからは8.40台序盤を目指すとみる
〇8.32割れからはいったん下げに入るとみて、8.20台後半を試すとみる

【概況】

トルコリラ円の4月4日は8.37円から8.32円の取引レンジ、5日早朝の終値は8.35円で先週末終値の8.33円からは0.02円の円安リラ高だった。
4月4日16時にトルコの3月消費者物価上昇率の発表があり、前年比は61.14%上昇となり2002年3月の65.1%以来20年ぶりの高水準となったが、市場予想に近い水準だったことで一時的なリラ売りも見られたものの市場の反応は限定的なものにとどまった。
ドル円の動きを見ながらの推移が続いており、ドル円が3月28日高値で125.10円を付けてから3月31日深夜安値121.26円まで下落した局面でトルコリラ円も売られたが、ドル円が3月31日深夜安値から4月1日夜高値123.03円まで持ち直してからも122円台終盤での横ばい推移で確りしていたため、トルコリラ円も3月31日深夜安値で8.26円まで下げたところから4月1日夜高値8.37円まで戻した後は8.35円を中心として横ばいで推移している。

【ドル/トルコリラ動向 対ドルでは様子見の動き】

ドル/トルコリラの4月4日は14.71リラから14.67リラの取引レンジ、5日早朝の終値は14.68リラで先週末終値と変わらずだった。
トルコCPI発表からやや売られる場面もあったが市場の反応は限定的だった。
ウクライナ紛争においてロシアが前線を後退させた後に多数の死者が確認されているとして欧米によるロシア批判と制裁強化の動きが強まっており、4月4日のNY市場では原油が上昇、地政学的リスクを意識してユーロ安ドル高となったが、原油高により豪ドルが上昇するなどドルに対する強弱はまちまちで、トルコリラも対ドルでは様子見の動きにとどまっている印象だ。

【トルコの消費者物価上昇率は20年ぶり高水準、上昇基調収まらず】

トルコ統計局が4月4日16時に発表した3月の消費者物価上昇率は前月比5.46%となり、市場予想の5.77%を下回ったものの2月の4.81%から伸びが加速した。前年同月比は61.14%となり市場予想の61.6%を若干下回ったものの2月の54.44%からさらに上昇して2002年3月の65.1%以来20年ぶりの高水準に達した。
消費者物価コア指数の上昇率も前月比で4.4%となり2月の3.8%から伸びが加速し、前年同月比は48.4%に達して2月の44.0%を超えた。
生産者物価上昇率は前月比で9.19%となり2月の7.22%から伸びが一段と加速し、前年同月比は114.97%となり2月の105.01%から大幅に伸びて統計の遡れる1995年3月の144.33%以来の27年ぶりの高水準となった。

トルコリラ円見通し トルコCPI上昇は想定内で小動き

高インフレが続く中で9月から12月にかけて4会合連続の利下げが強行されたことでリラが昨年12月にかけて暴落したが、トルコ政府によるリラ預金の為替差損補填政策とトルコ中銀が当面の追加利下げを見送るとしたことでリラ暴落は収まっている。3月の消費者物価と生産者物価も高インフレが収まらないことを示したものの市場の想定内として反応は限定的だったのは、高インフレとウクライナ情勢の先行き不透明感がぬぐえない中ではトルコ中銀も1-3月の様子見期間を過ぎてもしばらくは追加利下げできないだろうと市場も見ているために冷静な反応だったといえる。しかしロシア制裁による原油や穀物等の国際商品全般の高騰がエスカレートする場合にはトルコリラに対しても利上げ最速的な売り圧力が高まることも警戒される。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、3月31日深夜に一段安したところからの反騰により4月1日午前時点では3月31日深夜安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとし、高値形成期を4月4日午前から6日午前にかけての間と想定した。
4月1日夜へ高値を切り上げた後は新たな高値更新へ進めずにいるので4月1日夜高値でやや短めのサイクルトップを付けた可能性があるため、8.32円を上回るうちは上昇余地ありとするが、8.32円割れからは弱気サイクル入りとして5日夜から7日深夜にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では、4月1日夜高値の後を横ばい推移のために方向感に欠けるが、先行スパンからの転落を回避するうちは遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、先行スパンから転落の場合はいったん下げに入るとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は40ポイント台から60ポイント手前までの範囲で推移しており、5日午前序盤では50ポイントを割り込んでいる。40ポイント以上での推移中は55ポイント超えから上昇再開の可能性ありとするが、40ポイント割れからはいったん下げに入るとみて30ポイント前後への低下へ向かうとみる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、8.32円を下値支持線、8.37円を上値抵抗線とする。
(2)8.32円以上での推移中は上向きとし、8.37円超えからは8.40円台序盤(8.40円から8.42円)を目指すとみる。8.42円以上は反落注意とするが、8.35円以上を維持しての推移なら6日の日中も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)8.32円割れからはいったん下げに入るとみて8.20円台後半(8.25円から8.30円)を試すとみる。8.27円以下は反騰注意とするが、8.32円を割り込んでの推移なら6日も安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

4月07日
 20:30 週次 外貨準備高 グロス 4/1時点 (3月25日時点 656.4億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 ネット 4/1時点 (3月25日時点 159.6億ドル)
4月11日
 16:00 2月 失業率 (1月 11.4%)
 16:00 2月 経常収支 (1月 -71.12億ドル)
4月12日
 16:00 2月 鉱工業生産 前月比 (1月 -2.4%)
 16:00 2月 鉱工業生産 前年同月比 (1月 7.6%)
 16:00 2月 小売売上高 前月比 (1月 -1.5%)
 16:00 2月 小売売上高 前年同月比 (1月 7.9%)
4月14日
 20:00 トルコ中銀 政策金利 (現行 14.0%)


注:ポイント要約は編集部

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