ユーロ 基本的にもみあいもECB要因で底堅い(週報4月第1週)

先週のユーロは、木曜東京朝方には1.1184レベルの高値をつけました。

ユーロ 基本的にもみあいもECB要因で底堅い(週報4月第1週)

基本的にもみあいもECB要因で底堅い

〇先週のユーロ、停戦協議進展やECB関係者のタカ派発言で木曜1.1184レベルの高値つける
〇週後半は反落、停戦協議後の話見えずポジション調整も入り1.10台半ばでの引け
〇ウクライナ情勢、今後も双方の主張は落としどころ難しく、しばらくは材料としにくい
〇今週はエコノミストのレーン理事の講演と前回理事会の議事要旨公表に注目
〇今週は1.0990レベルをサポートに1.1180レベルをレジスタンスとする週とみる

先週のユーロは、火曜にイスタンブールで開催されたウクライナとロシアとの停戦協議に進展が見られたとの双方からの発言を好材料にユーロドルが大幅高、水曜はECB関係者の年内複数回の利上げの可能性もというタカ派発言に一段高、木曜東京朝方には1.1184レベルの高値をつけました。しかし、週後半はプーチンがルーブル支払いの大統領令に署名したことから反落、停戦協議後の話も見えてこないことから週末を前にポジション調整も入り週間安値から高値への61.8%押しの水準となる1.10台半ばでの引けとなりました。

まずウクライナ情勢ではロシアが制圧していた地域をウクライナが取り返しているというニュースが出るいっぽうで、東部と南部に集中して占領を画策しているという見方もあり、停戦協議後の進展はほとんど見られません。今後も双方の主張は簡単に落としどころを見つけられる感じでは無さそうですから、しばらくは材料とはしにくい感じです。

またECB関連では4月に入りAPPはいったん増額となるものの来月以降の縮小と7月以降の停止が確実視される状況です。欧州でも米国同様に上昇一途のインフレ率には相当な懸念が示されていて先週の発言からもECB内でもタカ派のメンバーは年内利上げを視野にいれ始めています。今週はエコノミストのレーン理事の講演と前回理事会の議事要旨公表がありますので、内容次第ではユーロ高の動きが再開する可能性はありそうです。

ウクライナ情勢が不透明な状況では積極的にユーロを買いにくいものの金融政策でECBが緩和からの転換を早期に実施するとの見方が3月10日のECB理事会以降続いていますので、基本的にはユーロ買い材料とされやすいでしょう。また、最近はユーロドルよりもユーロ円の動きが激しく、対ドルでは異なる方向になることからユーロドル自体は比較的動きが抑えられている印象です。

テクニカルにはいつもの日足チャートをご覧ください。

基本的にもみあいもECB要因で底堅い

3月安値から青いラインで示した上昇ウェッジの中での動きが続いています。現在ウェッジの下限が1.0990レベル、上限は1.1190レベルです。大台割れで買いが出やすく、1.11台半ばよりも上では売りが出てくるという流れです。

ウクライナ情勢が不透明ではありますが、上述したウェッジの水準を参考に1.0990レベルをサポートに1.1180レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。

今週のコラム

今週はユーロ円の日足チャートです。

基本的にもみあいもECB要因で底堅い 2枚目の画像

ドル円での円安が急速に進行したことで、2018年2月高値137.49レベルを上抜けしましたが、その後急速に調整が入ることとなりました。今週の高値が137.53レベルと明確に上抜けたとは言えない状況です。引き続き137円台半ばは短期的にはレジスタンスという見方でいた方がよさそうです。

ただ下値も底堅く以前のレジスタンス(ピンクのライン)がサポートとなり、現在133円水準です。当面は134円割れの買いと137円超えの売りとに挟まれての踊り場形成となる可能性が高まってきました。

今週の予定

今週注目される経済指標と予定はドル円週報に示してあるものと共通です。ドル円週報の「今週の予定」をご参照下さい。なお、その中でユーロの値動きに特に影響が出ると考えられる予定は以下のものです。重要な予定として注意しておきましょう。特に重要度の高いイベントに☆印を付けました。

4月4日(月)
15:00 ドイツ2月貿易収支
18:05 英中銀総裁講演 ☆

4月5日(火)
15:45 フランス2月鉱工業生産
16:50 フランス3月サービス業PMI
16:55 ドイツ3月サービス業PMI
17:00 ユーロ圏3月サービス業PMI
17:30 英国3月サービス業PMI

4月6日(水)
15:00 ドイツ2月製造業新規受注
17:30 英国3月建設業PMI
18:00 ユーロ圏2月PPI ☆
19:45 レーンECB理事講演 ☆

4月7日(木)
15:00 ドイツ2月鉱工業生産
18:00 ユーロ圏2月小売売上高
20:30 ECB理事会議事要旨公表 ☆

4月8日(金)
20:30 アイルランド中銀、ギリシャ中銀総裁講演

前週のユーロレンジ

前週のユーロレンジ

(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時~NY午後5時のインターバンクレート。

先週の概況

3月28日(月)
ユーロドルは上下しながらも底堅い展開となりましたが、1日の値幅はドル円が3円を超えたにもかかわらず50pip強に留まり、ロシアとウクライナによる停戦協議に向けて積極的には動きにくい様子でした。またユーロ円はドル円とともに円安が進行したことで137.54レベルまで急騰後に136円近くまで押して引けました。

3月29日(火)
ユーロドルは東京市場ではほとんど動きが見られませんでしたが、イスタンブールで行われているロシアとウクライナとの停戦協議に双方から進展が見られるとの発言があり、両国の首脳会談実施に向けて調整が行われるとの報道にユーロドルは大幅高、NY前場に1.1137レベルの高値をつけました。引けにかけてはまだどうなるかわからないといった慎重な見方も出て1.10台後半で引けました。

3月30日(水)
ユーロドルは東京前場にはドル円に引っ張られてのドル売り(ユーロ買い)となり、その後もロシアウクライナ停戦期待による買い戻しが下値を支えました。しかし攻撃縮小と言いつつ相変わらず攻撃を続けていることからロシアに対する信頼は薄く、積極的に好材料とは捉えにくい様子でした。またECB関係者による年内複数回利上げの可能性というタカ派発言によりユーロは底堅いままで引けました。

3月31日(木)
ユーロドルは東京前場は前日までの買いの流れが続き1.1185レベルの高値をつけました。その後は徐々に上値が重くなり、欧州市場に入りプーチンがルーブルで支払わない国との契約を停止する大統領令に署名したこともあって、海外市場のユーロは終日売られる流れとなり1.1061レベルの安値をつけ、そのまま安値引けとなりました。

4月1日(金)
ユーロドルはほとんど動きが見られない1日となりました。ドル円でのドル買いの動きから若干ユーロ売り・ドル買いとはなっていたものの1日のレンジは48pipsに留まり、ドル円とともにユーロ円が動きの中心となっていました。

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